守ってあげます!!

吉野ゆき

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リョウ

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その問いに、姫乃の足が止まる。

一瞬おいて、振り返った。


「いるよ」

たぶんリョウの言う好きとは種類が違うけど、と心の中で補足する。


「はぁ!?何そいつ、俺より強いワケ?」

「弱い」

瞬時にそう切り返した姫乃に、リョウはわからないという顔をする。


「アンタだけじゃなく、きっとそこにいる私の友達にも勝てないわ」

「??」

「でも、優しいの。
本当に、誰よりも。
それに、これから強くなるかもしれないしね。
私はずっと待ってる、その人が迎えに来てくれるのを」

「…迎えに来なかったら?」

「ありえないわ。そういう人だもん」

「人なんて変わるぜ?」

「変わらないよ、その人は」


姫乃はそれだけ言うと、友達の待つ扉へと走り出した。


「姫乃!」
「姫ちゃん大丈夫!?」

「うん、ヘーキ。
それより二人は?どこもケガしてない!?」

「う、うん。大丈夫…」

「良かった…!ねぇじゃあ」

「も、もう帰らない!?」

姫乃の言葉を遮るように発せられた言葉。

「ほら、いろいろあって…今しゃべる気分にもなれないし…」

「そっ、そうだよねっ。
とりあえず帰ろうか」



「……」

「……」


帰り道では誰一人口を開かなかった。


無事に帰って来れたものの、怖い思いをしたのに違いない。
二人が捕まったのは私が原因。


今までと一緒なんてありえないことくらい分かってる。


姫乃は二人の後を一歩後ろからついて行く。

そこに広がる見えない溝。


ちゃんと分かってる。

だから、二人が明日からよそよそしくなっても、例えば離れていってしまったとしても、それはしょうがないんだ…。


夕日が真っ赤に染まって、前を歩く二人の影がのびている。

歩くたびにゆらゆら揺れるその影を、姫乃は踏まないように距離を取る。



顔を上げれば、凌と見たあの日と同じような赤い空。


この空の向こうに凌もいる。



ねぇ、会いたいよ。

凌…。
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