絵画のような人魚

葉桜色人

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絵画のような人魚ー22ー

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第22話


闇夜の空間に感情が高速となって頭の中を駆け巡る。僕からの口づけに彼女は少しずつ唇を開いた。


それが彼女からの合図だと思った僕は、舌を入れて激しいキスを求めた。彼女もそれを受け入れて、僕の舌に自分の舌を絡ませた。
より一層、激しく変化するキスに気持ちは昂ぶり、止まらない衝動が激しくぶつかり合う。一呼吸をおいて唇が離れた時、絡ませた舌は糸を引くように繋がっていた。


「四季くん……」息を乱して彼女が小さな声で呟いた。部屋を包んだ闇は、まだ僕たちを包み隠している。彼女の顔に手を添えて、そこに居ることを確認した。指先が頬に触れたら熱を帯びていた。まぎれもなく、彼女はそこに存在している。これは夢でもなく現実の世界。僕の妄想ものがたりではなくて、現実の彼女を抱こうとしていた。


「鮎川さん、さっき伝えたかった事なんだけど……」


「うん……」


「気づいたら君のことばっかり考えてた。僕にとって久しぶりの感情だったと思う」


「うん」


「君の不思議な雰囲気も好きになっていた。君をもっと知りたい」


僕は自分の想いを丁寧に、一言一言感情の色をのせて伝えた。そして彼女をまっすぐ見つめながら……


「君が好き。君の傍に居たい。ずっと好きだよ」


ありったけの想いをのせて告白すると、彼女は小さく頷き笑った。


「鮎川さん……」


「うん?」


「その……なんて言うか。君からの言葉が欲しい」


僕は頷くだけの彼女に不安が溢れて、彼女からの返事を待った。と言うか要求した形にはなったけど。


「私も四季くんが好きだよ」と彼女は言葉にして返した。ようやくホッとして、僕は「良かった」と無意識に言うのだった。


部屋の闇は無くなり目が慣れた時、はっきりと彼女の顔が見えた。息が届く距離に、ますます現実の世界だとわかる。するとジッと見つめていたら彼女が……


「ねえ、もう一回キスして」とハニカミながら、彼女の柔らかい唇が呟いた。


ベッドに横たわる彼女の傍に寄り添い、僕はもう一度唇を重ねた。柔らかい唇に舌を入れて、徐々に激しく濃厚なキスを交わした。お互いにやめようとしないキス。何度も繰り返しては続いた。一呼吸おいては、見つめ合いキスを求めた。


彼女の横に並んで、僕は自然と彼女の足に、自分の足を絡ませた。そして膝で彼女の股を開けた。すでに僕の下半身は勃起している状態だった。だけどこのまま最後までしても良いのだろうか?キスを続けていくうちに、頭の中では彼女の身体に触れたい衝動が爆発しそうだった!!


正直、部屋まで連れこんだ時点でお互いに考えていたはずだ。キスだけで止まるわけがない。彼女だってそんな展開と覚悟はしているはず……


迷っている間も、僕たちのキスはますます激しさを増すのだった。
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