絵画のような人魚

葉桜色人

文字の大きさ
23 / 74

絵画のような人魚ー23ー

しおりを挟む
第23話


夜の生き物が動き出した時、僕たちは抑えきれない気持ちで求めた。


ますます激しさを増すキス。絡み合う舌と舌に興奮は最高潮に達していた。息を乱す彼女へ、僕はゆっくりと肩から手を胸元に移動させた。鼓動は激しく、脈は激しい音を響かせていた。手のひらが彼女の胸に触れた時、肩を震わせて動きを止めた。全神経が手のひらに集中して、パジャマの上から感じる彼女の膨らみに股間がますます硬くなる。


彼女の唇から唇を離すと、僕は彼女の顔を見つめた。最後までして良いのか?それともここまでなのか?胸に添えられた手のひらはそのままで、見つめる彼女の表情からは火照った印象しかなかった。僕はもう一度唇を重ねると、パジャマ越しから胸をまさぐった。


吐息に混ざって、彼女が小さな声を出した。僕の手のひらが激しさを増して、胸を揉む手が止まらない。彼女も激しく舌を絡ませて来た。止まらない衝動はパジャマを捲り、手のひらが隙間に滑り込んだ。お腹から下着へと移動して、止めようのないキスを続けた。すると彼女が唇を離して、僕の顔を見つめた。


「四季くん、最後までしたい?」と恍惚の表情で彼女が聞く。


「したく無いって言えば嘘になる。正直言うと、君を抱きたい……」


下着越しにのせた手のひらが今にも動きそうだった。すると彼女が恥ずかしそうに……


「私も最後までしたいと思ってる。四季くんに抱かれたい。でもね……私……まだ経験が無いから怖いの」と少しだけ視線を外して、彼女が打ち明けた。


「だから、もう少しだけ待って欲しいの」今度は視線を上目遣いにして見てきた。そんな彼女の表情に愛おしく感じた。彼女が処女と聞いて、驚きと嬉しさが同時に溢れ出した。


「大丈夫だよ。君のタイミングもあると思うし、僕たちはまだ、始まったばかりだよ。だからもう少し待つから気にしないで」


僕の言葉が嬉しかったのか、彼女は手を回すと唇を重ねた。そんな行為が気持ちを押したのか、下着の上に添えられた手のひらが動き出した。


「四季くん……!?」と彼女が唇を重ねながら声を漏らす。


「みゆきの胸が見たい」と自然に彼女の名前を呼んだ。すると彼女は小さな声で……


「う、ううん」


激しく舌を絡ましては、重ねた唇は止まらない。僕とみゆきは息を乱しては抱き合いながら、キスをずっと続けた。途中までなら……とお互いに思ったのか、パジャマのボタンを外しても彼女は何も言わなかった。そして僕の手のひらはますます彼女を求めて、全てのボタンを外し終えた。胸元を開けて、ピンクのブラジャーが露わになった。


僕は無我夢中で彼女の背中に手を回して、ブラジャーのフックを指先で外した。肩紐が緩んで、彼女の肩越しから滑り落ちた。その瞬間、彼女が腕を前にして胸元を隠した。


「恥ずかしいよ……」


「みゆき……」


僕たちの長い夜は始まったばかりだった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...