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絵画のような人魚ー26ー
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第26話
午後からの授業は寝不足で欠伸の連続だった。集中出来なかったので、僕は彼女へメールを送った。午後の授業が終わったら会わないかと。
送信して、すぐに彼女から返信メールが来た。本文を読んで【了解】とすぐ様返す。寝不足だったのにも関わらず、彼女と会えるとわかったら不思議に眠気は吹き飛ぶ。恋の力は凄いなぁーーと感心しながらも午後の授業を乗り切った。
待ち合わせ場所は上野公園を選んだ。理由としてはサークル仲間と会う可能性が少ないからだ。それに彼女と今度、美術館へ行く約束をしていたのもあった。上野に着くと、僕はまっすぐ西郷隆盛の銅像へ向かった。腕時計を見て、少し早く到着したと思ったが天気も心地良かった。
午後の公園にはいろんな人々が行き交っていた。ウォーキングする老夫婦。犬を散歩してる上品そうなご婦人。普段と変わらない風景の筈なのに、僕の目からは素晴らしい日々に感じられた。これも彼女に会える嬉しさがそうさせているのかもしれない。
程なくして彼女がやって来た。シャツにカーディガンを羽織って、膝より少し下のスカートをなびかせていた。
「お待たせ、四季くん」と目を細めて笑う彼女に、僕は心底可愛いと思った。
昨日の出来事もあったので、少し照れながら見つめる僕たち。並んで歩き出したけど、手を繋ぐことはなかった。でもそのうち、指先が触れると笑いあってから手を繋いだ。歩きながら彼女と話して、僕は幸せの色に包まれていた。彼女の傍に居るだけで、こんなにも心が満たされるなんて……
そんな僕たちに夕焼けが雰囲気の良いムードを演出してくれる。ひと気のないベンチに座ると、僕と彼女はしばらく高層ビルに沈みゆく夕陽を眺めた。
「みゆき……」
「うん……」
夕陽をバックに、僕は彼女を引き寄せて唇を重ねた。初めは優しく、そして段々と激しい口づけを交わす。
柔らかい彼女の唇は、誰よりも素敵なキスだった。
夕陽が落ちて、街はすっかり色合いを変えた。僕たちは学生寮へ帰る前に、あの神社へと寄った。離れるのが寂しかったのか、二人は神社に忍び込むとキスの続きをするように唇を重ねた。終わらない感情が果てしなく濃厚なキスへと変える。
薄暗い神社の中でキスを交わし続ける。僕は抑えきれない感情が湧き上がり、無意識に彼女の服の上から胸を触った。
「ダメだよ。四季くん、止まらなくなるよ……」と彼女が少しだけ息を乱しながら言う。
「ごめん。つい昨日のことがあったから……」と壁際にもたれた彼女へ言った。「ねえ、今度の美術館の帰り、最後までいいかも」と彼女がハニカミながら言ってきた。
「いいの!?」
「だって四季くん、私に夢中なんだもん。なんかそんな四季くん見てたら、すごく想いが伝わってきて」
「焦ってはいないけど……」
「ううん、違うよう。私も四季くんと一緒になりたいの」
彼女は恥ずかしそうに言って、僕の胸に飛び込むと抱きついてきた。次の瞬間、僕の中で好きから愛へと色合いが変化した。そしてもう一度、唇を重ねると彼女を激しく求めた。無意識に彼女のシャツの中へ手が伸びる。
「あっ……ダメ……」と彼女が唇を離した。それでも僕の気持ちは高揚したままで、指先がブラジャーのフックを外していた。
「好きだよ。みゆき、好きだよ」
シャツをめくって、外されたブラジャーを乳房の上にあげる。露わになった乳房を夢中で愛撫した。
ーーーー寮までの道の途中、二人は並んで手を繋ぎながら歩いた。そして近くの公園で名残惜しそうに別れるのだった。
まだ付き合っていることを話していなかったので、時間差をおいて別々に寮へ戻ることにしたのだ。先に彼女が行かせて、僕は少し遅れてから寮へと向かった。そして男子寮の玄関へ着いた時、僕のジーパンの後ろポケットで携帯電話が鳴った。
みゆきかな?と携帯電話の着信表示を見た。そして僕はその場で立ち止まってしまった。
電話を掛けて来た人物は、あの真壁純奈からだった!!
午後からの授業は寝不足で欠伸の連続だった。集中出来なかったので、僕は彼女へメールを送った。午後の授業が終わったら会わないかと。
送信して、すぐに彼女から返信メールが来た。本文を読んで【了解】とすぐ様返す。寝不足だったのにも関わらず、彼女と会えるとわかったら不思議に眠気は吹き飛ぶ。恋の力は凄いなぁーーと感心しながらも午後の授業を乗り切った。
待ち合わせ場所は上野公園を選んだ。理由としてはサークル仲間と会う可能性が少ないからだ。それに彼女と今度、美術館へ行く約束をしていたのもあった。上野に着くと、僕はまっすぐ西郷隆盛の銅像へ向かった。腕時計を見て、少し早く到着したと思ったが天気も心地良かった。
午後の公園にはいろんな人々が行き交っていた。ウォーキングする老夫婦。犬を散歩してる上品そうなご婦人。普段と変わらない風景の筈なのに、僕の目からは素晴らしい日々に感じられた。これも彼女に会える嬉しさがそうさせているのかもしれない。
程なくして彼女がやって来た。シャツにカーディガンを羽織って、膝より少し下のスカートをなびかせていた。
「お待たせ、四季くん」と目を細めて笑う彼女に、僕は心底可愛いと思った。
昨日の出来事もあったので、少し照れながら見つめる僕たち。並んで歩き出したけど、手を繋ぐことはなかった。でもそのうち、指先が触れると笑いあってから手を繋いだ。歩きながら彼女と話して、僕は幸せの色に包まれていた。彼女の傍に居るだけで、こんなにも心が満たされるなんて……
そんな僕たちに夕焼けが雰囲気の良いムードを演出してくれる。ひと気のないベンチに座ると、僕と彼女はしばらく高層ビルに沈みゆく夕陽を眺めた。
「みゆき……」
「うん……」
夕陽をバックに、僕は彼女を引き寄せて唇を重ねた。初めは優しく、そして段々と激しい口づけを交わす。
柔らかい彼女の唇は、誰よりも素敵なキスだった。
夕陽が落ちて、街はすっかり色合いを変えた。僕たちは学生寮へ帰る前に、あの神社へと寄った。離れるのが寂しかったのか、二人は神社に忍び込むとキスの続きをするように唇を重ねた。終わらない感情が果てしなく濃厚なキスへと変える。
薄暗い神社の中でキスを交わし続ける。僕は抑えきれない感情が湧き上がり、無意識に彼女の服の上から胸を触った。
「ダメだよ。四季くん、止まらなくなるよ……」と彼女が少しだけ息を乱しながら言う。
「ごめん。つい昨日のことがあったから……」と壁際にもたれた彼女へ言った。「ねえ、今度の美術館の帰り、最後までいいかも」と彼女がハニカミながら言ってきた。
「いいの!?」
「だって四季くん、私に夢中なんだもん。なんかそんな四季くん見てたら、すごく想いが伝わってきて」
「焦ってはいないけど……」
「ううん、違うよう。私も四季くんと一緒になりたいの」
彼女は恥ずかしそうに言って、僕の胸に飛び込むと抱きついてきた。次の瞬間、僕の中で好きから愛へと色合いが変化した。そしてもう一度、唇を重ねると彼女を激しく求めた。無意識に彼女のシャツの中へ手が伸びる。
「あっ……ダメ……」と彼女が唇を離した。それでも僕の気持ちは高揚したままで、指先がブラジャーのフックを外していた。
「好きだよ。みゆき、好きだよ」
シャツをめくって、外されたブラジャーを乳房の上にあげる。露わになった乳房を夢中で愛撫した。
ーーーー寮までの道の途中、二人は並んで手を繋ぎながら歩いた。そして近くの公園で名残惜しそうに別れるのだった。
まだ付き合っていることを話していなかったので、時間差をおいて別々に寮へ戻ることにしたのだ。先に彼女が行かせて、僕は少し遅れてから寮へと向かった。そして男子寮の玄関へ着いた時、僕のジーパンの後ろポケットで携帯電話が鳴った。
みゆきかな?と携帯電話の着信表示を見た。そして僕はその場で立ち止まってしまった。
電話を掛けて来た人物は、あの真壁純奈からだった!!
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