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絵画のような人魚ー28ー
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第28話
部屋に戻ると秋人と緑郎が居た。僕は「ただいま」と小さな声で言う。
「四季くん、ビッグニュースやで。ごっつい情報なんや!!」とやたらハイテンションな緑郎が帰って来た僕へ叫んだ。
「どうしたんだよ!?嬉しそうな顔して?」と僕は上着を脱いで、緑郎の隣へ座った。
「どうする秋人くん?四季くんには黙ってよか」
「そうだな。四季はムッツリスケベかもしれないしな。俺は応募するけど」
ベッドに腰掛ける秋人はやたらニヤついている。そんな表情をされたら気になってしょうがない。
「教えてよ。何かイベントがあるの?」
「察しがよろしゅうございますな。実は来月にある実習があるねん。その実習がこれや!!」と緑郎が僕の目の前にプリントを差し出した。
僕は覗き込むような姿勢で、渡されたプリントに目を通した。その内容とは……
【来月五月下旬、アトリエでヌードデッサン開催。定員数が限られているので抽選によって決めます】
「どないや四季くん。もちろん応募するやろ」プリントの上から顔を覗かせて緑郎が言う。
「定員数が限られているって、かなり人気のある実習なんだ……」
「なんやその反応!!四季くんは参加したくないんかい」
「違うよ、お前のその反応が気になっただけだよ」僕の言葉に、秋人が頷きながら僕の顔を見る。
「四季の言いたい事はわかるよ。つまりヌードデッサンという実習に対して、芸術的な観点なのか、それとも只、女の裸が見れるから参加したいのか、その前者と後者なのかって言いたいんだろう」
秋人の鋭い指摘に僕は頷いた。男なら裸を見れるってだけで参加したくはなるだろう。それは否定しない。でも仮に参加することになって、本当に芸術的観点で描いてみたいと思うかどうかだ。
「四季はどっちなの?前者か後者。俺は正直言って前者でもあり後者でもある」と秋人らしい答えに、僕は彼の正直な色が好きだった。付き合いの浅い僕たちに対して、彼はあまり自分の心を隠さない。
そんな秋人に好感は持っていたし、僕も同じような考えだった。ヌードデッサンは体験してみたいと思った。
「そうやな、綺麗事は無しや!!僕も二人と同んなじ気持ちやで、ほんなら……」
「「応募するだろ!!」」と僕の声と秋人の声が当時に言った!!
僕らは笑い声をあげて、その場で笑い合った。男同士の特有の同志的な雰囲気があった。こんなにも心を許しあう仲間ができて、僕は心から嬉しかった。そんな来月のヌードデッサンに盛り上がる中、僕の頭の片隅から真壁純奈のことは消えていた。
だが、確実にあさっての金曜日は近づくのだった。
部屋に戻ると秋人と緑郎が居た。僕は「ただいま」と小さな声で言う。
「四季くん、ビッグニュースやで。ごっつい情報なんや!!」とやたらハイテンションな緑郎が帰って来た僕へ叫んだ。
「どうしたんだよ!?嬉しそうな顔して?」と僕は上着を脱いで、緑郎の隣へ座った。
「どうする秋人くん?四季くんには黙ってよか」
「そうだな。四季はムッツリスケベかもしれないしな。俺は応募するけど」
ベッドに腰掛ける秋人はやたらニヤついている。そんな表情をされたら気になってしょうがない。
「教えてよ。何かイベントがあるの?」
「察しがよろしゅうございますな。実は来月にある実習があるねん。その実習がこれや!!」と緑郎が僕の目の前にプリントを差し出した。
僕は覗き込むような姿勢で、渡されたプリントに目を通した。その内容とは……
【来月五月下旬、アトリエでヌードデッサン開催。定員数が限られているので抽選によって決めます】
「どないや四季くん。もちろん応募するやろ」プリントの上から顔を覗かせて緑郎が言う。
「定員数が限られているって、かなり人気のある実習なんだ……」
「なんやその反応!!四季くんは参加したくないんかい」
「違うよ、お前のその反応が気になっただけだよ」僕の言葉に、秋人が頷きながら僕の顔を見る。
「四季の言いたい事はわかるよ。つまりヌードデッサンという実習に対して、芸術的な観点なのか、それとも只、女の裸が見れるから参加したいのか、その前者と後者なのかって言いたいんだろう」
秋人の鋭い指摘に僕は頷いた。男なら裸を見れるってだけで参加したくはなるだろう。それは否定しない。でも仮に参加することになって、本当に芸術的観点で描いてみたいと思うかどうかだ。
「四季はどっちなの?前者か後者。俺は正直言って前者でもあり後者でもある」と秋人らしい答えに、僕は彼の正直な色が好きだった。付き合いの浅い僕たちに対して、彼はあまり自分の心を隠さない。
そんな秋人に好感は持っていたし、僕も同じような考えだった。ヌードデッサンは体験してみたいと思った。
「そうやな、綺麗事は無しや!!僕も二人と同んなじ気持ちやで、ほんなら……」
「「応募するだろ!!」」と僕の声と秋人の声が当時に言った!!
僕らは笑い声をあげて、その場で笑い合った。男同士の特有の同志的な雰囲気があった。こんなにも心を許しあう仲間ができて、僕は心から嬉しかった。そんな来月のヌードデッサンに盛り上がる中、僕の頭の片隅から真壁純奈のことは消えていた。
だが、確実にあさっての金曜日は近づくのだった。
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