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絵画のような人魚ー35ー
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第35話
大学へ向かう電車の中、車窓から流れる風景に目を移した。アトリエから直接向かいながら、僕はかなり悩んでいた。真壁純奈と会う約束をしていたが、すっかり忘れていのだ。しかも今日だなんてタイミング的に悪すぎる。何気無く約束した訳じゃなかったけど、今の状況を考えると話さないわけにいかない。
まだ確信はないが、少なくとも真壁純奈は僕に好意を持っている。みゆきのことがあった。彼女も僕たちが付き合っていることを、皆に話して欲しいと言っていた。
僕を乗せた山手線は、まるで悩み事をぐるぐる描くように今日も同じ路線をまわっていた。気持ち的には僕と同じだ。無意識に溜め息を吐きながら、目的の駅から降りると僕は大学近くのスターバックスに入った。
店の店員は愛想良く対応している。悩み事なんて、私の笑顔で忘れて下さいと言わんばかりに。でも、悩みには比重があり、大小関係無しに悩みの比重は変わっていく。厄介なのは、その重りを測る天秤が壊れてしまった時だ。奴は容赦無く、その人間を押し潰そうとする。今回の事だって、人からしたら大した悩みじゃないかもしれないが、僕にとっては重い悩み事なんだ。
店員から笑顔で珈琲を渡されると、僕は心の中で重い悩み事の詰まったマグカップを渡された気分だった。もちろんそんなことは非現実の世界で、実際問題は自分自身で解決しなければならない。僕は席に着くと、溜め息混じりに息を吐いて、珈琲を口に運んだ。
奴を乗せた天秤は測り知れないともがいている。そんな気持ちのまま、僕は午後の授業を受けていた。回せもしないペン回しをしながら、憂鬱な午後は刻々と過ぎるのだった。
そして授業を終えた頃、僕は悩みの種を空想上の土に巻いた。きっとそこに花が咲けば、解決の糸口が掴めたかもしれない。
大学へ向かう電車の中、車窓から流れる風景に目を移した。アトリエから直接向かいながら、僕はかなり悩んでいた。真壁純奈と会う約束をしていたが、すっかり忘れていのだ。しかも今日だなんてタイミング的に悪すぎる。何気無く約束した訳じゃなかったけど、今の状況を考えると話さないわけにいかない。
まだ確信はないが、少なくとも真壁純奈は僕に好意を持っている。みゆきのことがあった。彼女も僕たちが付き合っていることを、皆に話して欲しいと言っていた。
僕を乗せた山手線は、まるで悩み事をぐるぐる描くように今日も同じ路線をまわっていた。気持ち的には僕と同じだ。無意識に溜め息を吐きながら、目的の駅から降りると僕は大学近くのスターバックスに入った。
店の店員は愛想良く対応している。悩み事なんて、私の笑顔で忘れて下さいと言わんばかりに。でも、悩みには比重があり、大小関係無しに悩みの比重は変わっていく。厄介なのは、その重りを測る天秤が壊れてしまった時だ。奴は容赦無く、その人間を押し潰そうとする。今回の事だって、人からしたら大した悩みじゃないかもしれないが、僕にとっては重い悩み事なんだ。
店員から笑顔で珈琲を渡されると、僕は心の中で重い悩み事の詰まったマグカップを渡された気分だった。もちろんそんなことは非現実の世界で、実際問題は自分自身で解決しなければならない。僕は席に着くと、溜め息混じりに息を吐いて、珈琲を口に運んだ。
奴を乗せた天秤は測り知れないともがいている。そんな気持ちのまま、僕は午後の授業を受けていた。回せもしないペン回しをしながら、憂鬱な午後は刻々と過ぎるのだった。
そして授業を終えた頃、僕は悩みの種を空想上の土に巻いた。きっとそこに花が咲けば、解決の糸口が掴めたかもしれない。
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