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94.青い春?
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明けましておめでとうございます!
中々の更新が遅れてしまい申し訳ございません。
今年こそ完結に向かってがんばります!
生暖かく見守っていただけますと嬉しいです!
────────────────────
図書室で借りた本を返却し、またベルーシャに絡まれるのではと警戒しながらキープ部屋に向かう。
無事出会うことも待ち伏せされることもなくキープ部屋に着いてノックすると返事が聞こえてきたので中に入ると、中には水城だけがいた。
「あれ?1人?」
「先程、皆さんいらっしゃったのですが、お茶のお湯やお茶請けを頼みに行かれましたよ」
「ええ?皆で?」
常備してるお菓子はまだあったはずだし、お湯だけ貰ってくれば問題ないのだが、なぜそんな大所帯で行ってしまったんだ?
常備してるお菓子残り少なかったかな?
それでもその人数は過剰だ。
「最初はミシェル嬢が行ってくると言われて、心配だとグレイシア嬢が共に付いていかれ、女子だけでは心配だとメイヴィスが二人を追いかけていかれまして。その後にレティーシア嬢とエミリー嬢が何やら二人で話した後に笑顔で追いかけていかれまして……なんだったのでしょう?僕も着いてくべきだったのでしょうか?」
「えぇ?なにそれ?」
ミシェルが行くと言ったのは多分まだ王族に対して緊張感が抜けきらないのもあるだろうし、今では豊を除けば一番身分が低いと思ってるからだろう。シアもミシェル1人よりシアが傍にいる方が安全だろうとの配慮で付いてっと予測できる。
メイヴィスも何となく分かる。
シアを妹のように可愛がってるし。
あの二人が傍にいればミシェルに害を及ぼそうなんて奴は居ないだろう。
安心の双璧だ。
しかし、レティとエミリーの行動はよく分からない。
笑顔で追いかけていった?なぜ?
二人はよく周りを観察している。
もう相手が決められてしまってるからか特に他人の恋愛事情が気になるようで、まるで恋愛小説を見ているかのように、他人の恋愛事情を見てはキャイキャイしてるのを見る。
それが身近で起こってたら?絶対覗きにいくだろう。
え?だとしたら誰と誰?
片方はメイヴィスとして……相手は……
「谷口くん?」
「はっ?!ごめん考え込んでた!」
「いえ、大丈夫ですか?」
「あー、うん。何て言うか……アオいハルだなって……」
「?」
メイヴィスも、豊も青い春が来たっぽい……まあ、受け入れるかは別として……。
俺の発言に?マークを浮かべながら首を傾げている水城に苦笑した。
暫くしてニマニマしたレティとエミリーが帰って来て、「あ、これは当たりだな」と呟くと話したくてウズウズしてる二人を尻目に3人が戻ってきた。
お湯やお菓子の乗った盆を持ってるのはメイヴィスだった。
ミシェルは自分が持つつもりだったのに身分が高いメイヴィスに持たれて恐縮しているようだ。
お茶を入れるからと受け取ろうとするがさっさと給湯室まで盆を運んで行くメイヴィスに慌てて追いかけていった。
そんな二人を見ては小声でキャイキャイしてる二人を見てシアは苦笑していた。
あ、鈍いと言われる俺でも分かるわこれ。
水城も理解したのかどうしたら良いのか分からないのか、俺と二人を交互に見ている。
うん、水城さん。ほっておこうか。
余計なことをして邪魔してしまうと馬に蹴られてしまうかもしれないからね。
お茶を入れているミシェルを横で見ているメイヴィスと横が気になってオロオロしてるミシェルを俺達は生暖い目で見ていた。
それにしても何時からだ?
メイヴィスとミシェルはそんなに接点無かったと思うんだけど。
首をかしげて考え混んでると俺の横にシアが座った。
「随分大所帯で行ってきたんですね」
「ええ、まあ……私もメイヴィスお兄様も気づいてましたけど、エミリーとレティは隠れて着いてきてましたし実質は3人でしたが、あれなら私は行かなくて良かったですわ」
「あー……お疲れ様」
「それにしても今まで女性に興味など無かったと思っておりましたが、いつの間に……」
付き合いの長いシアも知らないのか。
俺が知ってるメイヴィスも、変な意味ではなくジョセフ一筋って感じだった。
何をするにしてもジョセフ優先で物事を考えてた……
これもジョセフが絡んでるのか?
俺みたいにジョセフがミシェルを気にかけるように言ったとか……?
キッチンに立つ二人に聞こえないように、こそこそと話してたエミリーとレティも俺とシアの傍に来て話に参加してくる。
「でも、今までもメイヴィス様は此方に来られた際は出来る限りミシェルのお隣を死守してらしたのよ」
「勉強会の時はラノフ様やシアと一緒にアンジェの勉強を教えてる時は離れてらしたけど、終るとサッと横に座っていらしたわ。あまり威圧しないように自然な動作で!」
えー?そうだったかなぁと思い出してみるが記憶がない。
勉強に意識がいってたのもあるし、笑顔でスパルタな豊の扱きで回りを気にする余裕もなかったのもある……
ミシェルの方を見るとお茶を入れ終えて運ぼうとしていたがさっとメイヴィスが持ち上げてしまったので自分が持っていくと抗議していた。
「二人が幸せになるなら私は構いませんが……メイヴィスお兄様のお考えは解りかねますわ」
付き合いの長いシアであってもメイヴィスのあからさまな態度には違和感を感じているようだ。
やっぱりジョセフに言われて気にかけてるだけなのだろうか?
中々の更新が遅れてしまい申し訳ございません。
今年こそ完結に向かってがんばります!
生暖かく見守っていただけますと嬉しいです!
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図書室で借りた本を返却し、またベルーシャに絡まれるのではと警戒しながらキープ部屋に向かう。
無事出会うことも待ち伏せされることもなくキープ部屋に着いてノックすると返事が聞こえてきたので中に入ると、中には水城だけがいた。
「あれ?1人?」
「先程、皆さんいらっしゃったのですが、お茶のお湯やお茶請けを頼みに行かれましたよ」
「ええ?皆で?」
常備してるお菓子はまだあったはずだし、お湯だけ貰ってくれば問題ないのだが、なぜそんな大所帯で行ってしまったんだ?
常備してるお菓子残り少なかったかな?
それでもその人数は過剰だ。
「最初はミシェル嬢が行ってくると言われて、心配だとグレイシア嬢が共に付いていかれ、女子だけでは心配だとメイヴィスが二人を追いかけていかれまして。その後にレティーシア嬢とエミリー嬢が何やら二人で話した後に笑顔で追いかけていかれまして……なんだったのでしょう?僕も着いてくべきだったのでしょうか?」
「えぇ?なにそれ?」
ミシェルが行くと言ったのは多分まだ王族に対して緊張感が抜けきらないのもあるだろうし、今では豊を除けば一番身分が低いと思ってるからだろう。シアもミシェル1人よりシアが傍にいる方が安全だろうとの配慮で付いてっと予測できる。
メイヴィスも何となく分かる。
シアを妹のように可愛がってるし。
あの二人が傍にいればミシェルに害を及ぼそうなんて奴は居ないだろう。
安心の双璧だ。
しかし、レティとエミリーの行動はよく分からない。
笑顔で追いかけていった?なぜ?
二人はよく周りを観察している。
もう相手が決められてしまってるからか特に他人の恋愛事情が気になるようで、まるで恋愛小説を見ているかのように、他人の恋愛事情を見てはキャイキャイしてるのを見る。
それが身近で起こってたら?絶対覗きにいくだろう。
え?だとしたら誰と誰?
片方はメイヴィスとして……相手は……
「谷口くん?」
「はっ?!ごめん考え込んでた!」
「いえ、大丈夫ですか?」
「あー、うん。何て言うか……アオいハルだなって……」
「?」
メイヴィスも、豊も青い春が来たっぽい……まあ、受け入れるかは別として……。
俺の発言に?マークを浮かべながら首を傾げている水城に苦笑した。
暫くしてニマニマしたレティとエミリーが帰って来て、「あ、これは当たりだな」と呟くと話したくてウズウズしてる二人を尻目に3人が戻ってきた。
お湯やお菓子の乗った盆を持ってるのはメイヴィスだった。
ミシェルは自分が持つつもりだったのに身分が高いメイヴィスに持たれて恐縮しているようだ。
お茶を入れるからと受け取ろうとするがさっさと給湯室まで盆を運んで行くメイヴィスに慌てて追いかけていった。
そんな二人を見ては小声でキャイキャイしてる二人を見てシアは苦笑していた。
あ、鈍いと言われる俺でも分かるわこれ。
水城も理解したのかどうしたら良いのか分からないのか、俺と二人を交互に見ている。
うん、水城さん。ほっておこうか。
余計なことをして邪魔してしまうと馬に蹴られてしまうかもしれないからね。
お茶を入れているミシェルを横で見ているメイヴィスと横が気になってオロオロしてるミシェルを俺達は生暖い目で見ていた。
それにしても何時からだ?
メイヴィスとミシェルはそんなに接点無かったと思うんだけど。
首をかしげて考え混んでると俺の横にシアが座った。
「随分大所帯で行ってきたんですね」
「ええ、まあ……私もメイヴィスお兄様も気づいてましたけど、エミリーとレティは隠れて着いてきてましたし実質は3人でしたが、あれなら私は行かなくて良かったですわ」
「あー……お疲れ様」
「それにしても今まで女性に興味など無かったと思っておりましたが、いつの間に……」
付き合いの長いシアも知らないのか。
俺が知ってるメイヴィスも、変な意味ではなくジョセフ一筋って感じだった。
何をするにしてもジョセフ優先で物事を考えてた……
これもジョセフが絡んでるのか?
俺みたいにジョセフがミシェルを気にかけるように言ったとか……?
キッチンに立つ二人に聞こえないように、こそこそと話してたエミリーとレティも俺とシアの傍に来て話に参加してくる。
「でも、今までもメイヴィス様は此方に来られた際は出来る限りミシェルのお隣を死守してらしたのよ」
「勉強会の時はラノフ様やシアと一緒にアンジェの勉強を教えてる時は離れてらしたけど、終るとサッと横に座っていらしたわ。あまり威圧しないように自然な動作で!」
えー?そうだったかなぁと思い出してみるが記憶がない。
勉強に意識がいってたのもあるし、笑顔でスパルタな豊の扱きで回りを気にする余裕もなかったのもある……
ミシェルの方を見るとお茶を入れ終えて運ぼうとしていたがさっとメイヴィスが持ち上げてしまったので自分が持っていくと抗議していた。
「二人が幸せになるなら私は構いませんが……メイヴィスお兄様のお考えは解りかねますわ」
付き合いの長いシアであってもメイヴィスのあからさまな態度には違和感を感じているようだ。
やっぱりジョセフに言われて気にかけてるだけなのだろうか?
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