異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

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03.貴族ってすごい

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中に入ると相変わらず乙女チックな部屋が広がっていた。
クリーム色の壁紙に薄い緑のカーテン、部屋の中央にダークブラウンのテーブルと刺繍の素晴らしい薄緑のソファーが置かれ右に冬用の暖炉と左に続き扉。
多分寝室の部屋だろう。
少しでも早く横になりたかった俺は続き扉を開けた。

思った通り寝室でこちらもクリーム色の壁紙でカーテンは濃い緑。大きな天蓋ベッドには真っ白なフリルのついたレースカーテンが掛かっていて、その向こうには細工の素晴らしいベッドと、ふかふかしてそうな布団が見え顔が緩む。

引き寄せられたかのようにベッドにフラフラ近づくと後ろから声をかけられた。


「お嬢様、お風呂の準備をしてくださってますので、お休み前に汚れを落としましょう。その間にお着替えと夕食用のドレスを、ご用意致します」


実家から連れてきた専属侍女のベアトリーチェがそのまま布団にダイブしそうだった俺を控えめに制止した。

「え?…あぁ…はい…じゃあ、着替えの準備お願いしますね」


貴族ってすごい。ディナーの時に、わざわざ着替えるんだぜ?
一日に何回も服着替えるなんて庶民だった俺には衝撃的だった。
洗濯大変そうだよね。この世界洗濯機なんて便利なの無いだろうし。
あとお風呂も貴族は一人で入らないんだぜ?
まあ俺は恥ずかしいので、お風呂だけは一人で入りますけどね。
着替えも着せてもらうのが当たり前で、着せ替え人形になった気分になるよ。
でも一人で着脱なんて出来ないから結局やってもらうしかないんだけどね!
なんでボタン後ろにあるんだろ?
今度前で脱げるタイプのドレス買ってもらおう

さらに寝室の奥にある二つの続き扉の片方を開けて風呂場に入る。
ベアトリーチェに肌着以外を脱がしてもらい、彼女が出ていってから、肌着を脱ぎ猫足のバスタブのお湯に体を沈めた


「あ~~~……気持ちぃぃ………」


やはり日本人は風呂ですな!
途中宿に泊まった時に、お風呂は入ってたけど、
半分ぐらい野宿だったし水は貴重で体を軽く拭いただけだったんだよね…

あまりの気持ちよさに、うたた寝しかけて慌てて起きる。やっぱ疲れてるんだなー…俺なんもしてないけど!
とりあえず早く出て仮眠をとるべく、近くの棚に置かれていた石鹸を手にとって泡立て全身を洗う。
この石鹸髪まで洗える優れものだぜ!
因みにトリートメントみたいなのが別にあるから髪は痛みません。一回めんどくさくてトリートメントしなかったら髪がギチギチで、とかしても爆発したままだし、ヤバかった。
ベアトリーチェにも怒られたし「私が全て洗います!」と言われちゃったので、面倒くさくてもちゃんとやってるのです。一人でのんびりお風呂に入るために!

因みにベアトリーチェには俺の存在がバレている。

ベアトリーチェは小さいときから仕えてくれてるみたいで、一番一緒だったからか誤魔化しがきかず初日にばれたので、大まかには話した。
ビックリしてたけど、なんとか納得してもらえたし、俺自身もアンジェリカであることは変わらないから、今まで通りお仕えしますと言ってくれたのだ。
流石に男だったのは言えなかったけど、困ってるとさりげなく助けてくれるので助かっている。

お風呂も、それで一人で入らせてくれてるわけだ。ホントに有難い。
王都までの道程の間の勉強で本に載ってない疑問とかベアトリーチェに教えてもらった。


洗い終わり泡を落として、お湯から上がる。
タオルで体を拭き髪をしっかり拭いて、ドアをノックする。
これはお風呂出たという合図。
すぐさまベアトリーチェが入ってきて肌着と就寝用のドレスを渡し出ていく。
就寝用のドレスは頭からすっぽり被るだけで着れるから有難い。


手早く着替えて、夕食の時間まで仮眠をとったのだった。

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