異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

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07.苦手だった君(ジョセフィードside)

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「数日後にアンジェリカ嬢が王都に来るそうだな」

「ええ……そうですね」
 

俺の歯切れ悪い返事に父リカルド国王は眉を寄せた。
父は国民を大切にする善き王だ。
もちろん家族も大切にし公務で忙しいながらも朝食だけは出来るだけ揃って食事をする。

いつものように皆、揃い朝食を食べ終え、食後のお茶を飲んでいた時に話を振ってきた。

父は政略結婚ながらも母を愛し側室がいない。
だからか、王太子である俺にも同じ様になって欲しいと思っているのであろう。

残念ながら俺は婚約者であるアンジェリカの事を好ましく思っていない。
そんな彼女は、もうすぐ学院に入学するために王都のコンラード家の屋敷にやってくるのだ。

父が、わざわざ俺に母や弟妹達の前で、この話をしたということは逃げることは許さない、対応を怠るなと釘を刺したいのだろう。


「大丈夫です。分かってます父上」


憂鬱に沈みかける気持ちを隠しお茶を飲み干して立ち上がり、挨拶をしてから退室する。

部屋に戻り、すぐに手紙を王都のコンラード家の屋敷に届けさせる。

学友で友のアンジェリカの兄でもあるエリックに宛てて届けさせる。
後は彼が上手く伝えてくれるだろう。


数日後、エリックから返事が届く。返事は確かめるまでもなく了承されており、日時はこちらで決めて良いと書かれていたので、こちらの空いてる日を知らせた。

友であるエリックは俺を王太子としてではなく友として接してくれる唯一の存在だ。公の場では線引きをするが、学院では気兼ね無く接してくれる。
俺の婚約者がエリックの妹に決まった時は純粋に嬉しかった。
しかし、初めて妹のアンジェリカと会ったとき、その喜びは崩れ落ちた。

親、兄に甘やかされた令嬢は猫を被ってはいたが、端々で傲慢さが滲み出ていた。
いままで望めば自分の思い通りになっていたのであろう。


しかしながら、彼女は自分の妻となる。友の大事な妹でもある。そう言い聞かせながら丁寧に対応してきた。

いつかは父や母のように仲睦まじい間柄になれるようにと。


希望した日になり、久し振りにアンジェリカ嬢と再会した。

しかし、いつもと何か違う。

何時もは真っ直ぐ見つめくるのに、今日は一度も目が合わない。

何時もは必要以上にベタベタ寄ってくるのに、今日は一切触れてこない。

何時もは良くそこまで話題があるなと感心するほどずっと話しているのに、今日は受け答え程度の言葉しか発してない。

学院に入学する前に気持ちを改めたのであろうか。

話し方ももっと馴れ馴れしかったのに丁寧に返答してくるし逆に壁を感じる。
侍女たちにすら嫉妬し威嚇していたのに、お茶を出した侍女にお礼を良いながら微笑んでる。

まるで別人だ。

別人……見た目はアンジェリカだか、別人と考えるとしっくり来る。


テーブルの横のワゴンに目を向ける。
そこにはお気に入りのケーキがあった。
アンジェリカを見ると皿に乗せた甘いケーキの最後の一口を口に運んでいるところだった。
少し鎌をかけてみるか。



「アンジェリカ嬢はとても美味しそうに食べるね」

「やだ、食い意地張ってはしたないですよね…とても美味しくて、つい食べすぎてしまいましたわ」

「いや幸せそうに食べる君は見てて飽きない。遠慮せずに沢山食べると良い。こっちのケーキもどうだい?私のお薦めだよ」

「…ええと…では頂きます」


俺が薦めたケーキを少し迷いながらも受け取った。

あのケーキは酸味が強くて前に薦めたら一口食べて美味しくないと嫌がったのに、あっさり一口食べた。


「んん!美味しい!」


蕩けるような笑顔になったアンジェリカの笑顔に思わず見とれる。
見られてる事に気づいた彼女は恥ずかしそうに俯いてしまう。
彼女の笑顔が見れなくなったのを残念に思った自分に驚きながりも、自分のお気に入りのケーキを喜んでもらえたことが嬉しくて思わず笑顔になった。


「ははは!そうだろう、私もそのケーキが一番好きなんだ。酸味があって甘過ぎなくてね。女性には物足りないらしいんだが…」

「確かに…甘さ控えめと言うか、酸味のお陰でさっぱりしてますね。でも私は好きですわ!これなら何個でも入りそう!」

「そこまで気に入って貰えたなら薦めたかいがあったよ。君とお茶を飲むときは毎回これを出してもらおう」

「嬉しいです!有難うございます殿下」


笑顔で対応しながら確信する。
彼女は……アンジェリカではないと
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