異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

文字の大きさ
11 / 97

10.素は強引すぎるだろ

しおりを挟む
俺に気づいたお兄様は素晴らしく爽やかな笑顔を俺に向けた。


「アンジェ制服似合ってるよ!流石は僕の天使だ」


妹に天使とかシスコンかよ!知ってた!
そんな事よりお兄様の横にいる人は俺の見間違いですか?見間違いが良いです!お兄様もキラキラなのに、さらにキラキラした人が横に居ない!居ないったら居ない!
目が合ってそんな眩しい笑顔向けないでください!


「おはよう、アンジェリカ嬢」

「オハヨウゴザイマス」

「今日から同じ学院に通えるんだね。嬉しいよ」

「ソウデスネ……所で何故、殿下はこちらに?」

「ああ、朝早く押し掛けてすまない。君を迎えにきたんだ。共に登校しようと思ってね」

「は!?」


硬直してた身体がさらに強張る。
何て言った?迎えにきた?誰を?俺を?何で!?


「良かったなアンジェ、一緒に初登校出来ないのは残念だが、ジョセフなら安心だ」

いやいや!なに言ってるのお兄様!俺は嫌ですよ!
何故アンジェリカを嫌ってる奴とご一緒しなけりゃならんのだ!

「来て頂けて嬉しいですが……初めての学院に緊張してまして……だから私……お兄様と一緒が良いのですわ」


瞳を潤ませ上目遣いで見上げ精一杯ぶりっ子ぶる。
男の俺がやっても気持ち悪いが、アンジェリカの見た目ならば、お兄様に効くことは分かってる。

案の定、お兄様は嬉しそうな顔をして俺を抱きしめてきた。
野郎に抱きしめられても嬉しくもなんともねぇ。
でも、これで殿下と、ご一緒することもないだろうと安心していたが、急にグッと後ろに引っ張られてバランスを崩す。

ぽすんと誰かに受け止められて見上げると殿下の顔。めっちゃ近い!


「っ!!!!???」


声にならない叫びを上げ、顔は熱くなる。多分真っ赤になってるであろう。
何で!?固まる俺の顔をじっと見る殿下は少し苛立ってる様に見えた。


「ジョセフ?いきなりどうしたんだ?」


呆気にとらわれた、お兄様の声が聞こえて来る。
俺も是非お聞きしたい。何故こうなってるのかを!


「……エリックであっても他の男に抱かれた君を見るのは嫌だ……」


俺にしか聞こえないような小さな声で呟く。
密着していなければ俺でも聞こえなかったかも。
殿下はアンジェリカが嫌いではなかったのか?
困惑した顔を向けると、苦笑いした殿下は、お兄様に向き直り、何事もなかったかのような笑顔を作る。


「すまないなエリック。アンジェリカ嬢は俺の愛する婚約者だと周りに知らしめなくてはならない。彼女に何かすれば俺を敵に回すと。其のために共に登校して見せつけなくては……最初が肝心だろう?」

「……ああ……そうだな、分かった」

「ではアンジェリカ嬢、参りましょう」


ちょっと!!お兄様!何納得しちゃってるんですか!!ちょ、腰に手を置くな!押すな!
俺の抵抗も虚しく、スマートに腰を掴んで押すように馬車に押し込まれてしまった。
お兄様が呆けた顔をしてそれを見ているのが視界の端に写ったが、その視線から隠すように馬車のドアが閉められた。


「何すんだ!お兄様放置して強引すぎるだろ!」


馬車の中は二人っきりだったからか素が出てしまった。もう殿下には男だったとバレているんだ。ぶりっ子はしない。
目の前に座っている殿下を睨む。
もちろん外に聞こえないように小声ですよ。


殿下は窓を開けて御者に出すように指示をだしてかから、お兄様に声をかけた


「すまないなエリック。また後で」


窓に近寄り外にいる兄エリックを見る。


「ああ、また後で。アンジェも後でな!」


何故か嬉しそうな、お兄様に見送られ馬車は走り出す。

遠ざかる兄と屋敷を俺は茫然と見るしかなかったのだった。




しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...