18 / 97
17.シスコンとブラコン
しおりを挟む
グレイシア様と話して時間を取られた俺は再び囲まれてしまった。
皆が口々に挨拶をしてきて笑顔で返すを繰り返す。
もう作り笑いも限界……と思っていると、廊下の方が騒がしくなった。
そう言えばジョセフが迎えに来ると言ってたな……
しかし教室のドアが開き顔を出したのはお兄様だった。
「アンジェ、お待たせ迎えに来たよ」
「お兄様!皆様、お迎えが来てしまいました。私はここで失礼致します。これからよろしくお願い致しますわ。では、ごきげんよう」
これ幸いと嬉々として輪の中から飛び出し、お兄様の元に駆け寄り振り返って淑女の礼をして挨拶をする。
「アンジェリカさん、また明日ですわ~ごきげんよう」
教室を出るときにグレイシア様が小さく手を振り挨拶をしてきてくれたので、俺も小さく手を振り「また明日」と返して、お兄様の腕を取り退室した。
クラスメイトにはブラコンに見えるかもしれないが、こうしておけば、今後お兄様を理由に逃げやすくなる。我ながら頭良いんじゃね?
お兄様……めっちゃ嬉しそうですね。
あっさり腕組ませてくれたとは思ったけど、シスコンなお兄様は腕が組めて嬉しいんですね。
にやけた顔もイケメンだと様になるよな。
くっそ羨ましくなんて無いんだからね!
玄関ホールにまで歩いて、ハッと思い出す。
そうだ!ジョセフだよ!迎えに来るって言ってたのに!
「お、お兄様……ジョセ……いえ、あの殿下は……?」
アイツ、お兄様にも妬くほど心狭いから、迎えに行くと言ってたのに、ジョセフ待たずにお兄様と帰ったとあっては面倒臭いことになりそうだ。
「ん?ああ、朝は譲ってあげたんだから、帰りは僕がエスコートさせてもらわないとね!」
このシスコンめ!
何でジョセフとお兄様は気があったのかとか思ってたけど……この二人似た者同士、類は友を呼ぶってやつじゃん!
玄関ホールに入ると朝同様視線が向けられている。
ボソボソと話ながらこちらをチラチラ見てくる。殆ど何言ってるか解らんが、少しだけ聞こえたぞ!尻軽って単語聞こえたぞ!
確かに俺は王太子の婚約者だし、今は別の男と腕組んでますけど、これお兄様ですからね!
「アンジェ?どうした怖い顔して……」
お兄様には聞こえてなかったのですね。まあ人の悪口なんて聞こえない方が良いよな。
大体少なからずそういう人間は何処にでもいるもんだ。
だが、これはちょうど良い。
「何でもないのです。でも、お兄様が素敵だから皆見てらっしゃるからお兄様を取られた気がして少し寂しかったのです。いけませんね……いい加減お兄様離れしませんと……」
顔を伏せて恥ずかしそうに照れるよう見せ、最後に困った様に苦笑した顔でお兄様を見上げる。
「そんな事はないよ!アンジェは何時までも僕の可愛い妹だよ!」
お兄様は俺の両肩に手を置き感極まった顔でうっすら涙を浮かべている。
流石に人前では抱き締めたりしてこなかったけど、顔を見れば抱き締めたいのを堪えてるのがよく分かる。
お兄様扱いやすいなオイ……
そんなんで跡取りとしてやってけるのか?なんて心配になってくる。
とりあえず、回りにこれで俺とお兄様の関係は分かっただろう。
お兄様が残念な男ということもな!
ただのシスコンとブラコン兄妹だせ!最高だろ!
お兄様の婚期遅れたら俺の所為だな。
なんて考えながらシンと静まり返った玄関ホールを横切り外へ出た。
俺、明日からやってけるのかなー……まあなるようになるだろ。
今日先生に聞いた事や、まだ教えてもらってない学院の事などを話ながら並木道を歩き、馬車が沢山停まる、駐車場らしい場所までやってくる。
「やあ、アンジェ。初日はどうだった?」
このまま帰れると思っただろう?
残念ジョセフィード王太子殿下が現れた!
ここでエンカウントなんて求めてないよ!?
お兄様を見上げると、呆れた顔をしていた。
「帰りは僕が連れて帰ると言ったろう?」
「エリックは家で一緒に居られるのだから、行き帰りぐらい俺に譲ってくれてもいいだろ?」
「……ヤですよ!お……私はお兄様と帰ります!」
「……ふぅん?」
うわぁあ!!顔が怖い!めっちゃ良い笑顔だけど目が笑ってない!
お兄様の後ろに慌てて隠れると、やれやれとお兄様は苦笑いした。
「まあまあ……ジョセフィード殿下、アンジェリカさんを苛めるのは頂けませんね」
後ろから鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえて振り向くと、微笑むグレイシア様がいた。
皆が口々に挨拶をしてきて笑顔で返すを繰り返す。
もう作り笑いも限界……と思っていると、廊下の方が騒がしくなった。
そう言えばジョセフが迎えに来ると言ってたな……
しかし教室のドアが開き顔を出したのはお兄様だった。
「アンジェ、お待たせ迎えに来たよ」
「お兄様!皆様、お迎えが来てしまいました。私はここで失礼致します。これからよろしくお願い致しますわ。では、ごきげんよう」
これ幸いと嬉々として輪の中から飛び出し、お兄様の元に駆け寄り振り返って淑女の礼をして挨拶をする。
「アンジェリカさん、また明日ですわ~ごきげんよう」
教室を出るときにグレイシア様が小さく手を振り挨拶をしてきてくれたので、俺も小さく手を振り「また明日」と返して、お兄様の腕を取り退室した。
クラスメイトにはブラコンに見えるかもしれないが、こうしておけば、今後お兄様を理由に逃げやすくなる。我ながら頭良いんじゃね?
お兄様……めっちゃ嬉しそうですね。
あっさり腕組ませてくれたとは思ったけど、シスコンなお兄様は腕が組めて嬉しいんですね。
にやけた顔もイケメンだと様になるよな。
くっそ羨ましくなんて無いんだからね!
玄関ホールにまで歩いて、ハッと思い出す。
そうだ!ジョセフだよ!迎えに来るって言ってたのに!
「お、お兄様……ジョセ……いえ、あの殿下は……?」
アイツ、お兄様にも妬くほど心狭いから、迎えに行くと言ってたのに、ジョセフ待たずにお兄様と帰ったとあっては面倒臭いことになりそうだ。
「ん?ああ、朝は譲ってあげたんだから、帰りは僕がエスコートさせてもらわないとね!」
このシスコンめ!
何でジョセフとお兄様は気があったのかとか思ってたけど……この二人似た者同士、類は友を呼ぶってやつじゃん!
玄関ホールに入ると朝同様視線が向けられている。
ボソボソと話ながらこちらをチラチラ見てくる。殆ど何言ってるか解らんが、少しだけ聞こえたぞ!尻軽って単語聞こえたぞ!
確かに俺は王太子の婚約者だし、今は別の男と腕組んでますけど、これお兄様ですからね!
「アンジェ?どうした怖い顔して……」
お兄様には聞こえてなかったのですね。まあ人の悪口なんて聞こえない方が良いよな。
大体少なからずそういう人間は何処にでもいるもんだ。
だが、これはちょうど良い。
「何でもないのです。でも、お兄様が素敵だから皆見てらっしゃるからお兄様を取られた気がして少し寂しかったのです。いけませんね……いい加減お兄様離れしませんと……」
顔を伏せて恥ずかしそうに照れるよう見せ、最後に困った様に苦笑した顔でお兄様を見上げる。
「そんな事はないよ!アンジェは何時までも僕の可愛い妹だよ!」
お兄様は俺の両肩に手を置き感極まった顔でうっすら涙を浮かべている。
流石に人前では抱き締めたりしてこなかったけど、顔を見れば抱き締めたいのを堪えてるのがよく分かる。
お兄様扱いやすいなオイ……
そんなんで跡取りとしてやってけるのか?なんて心配になってくる。
とりあえず、回りにこれで俺とお兄様の関係は分かっただろう。
お兄様が残念な男ということもな!
ただのシスコンとブラコン兄妹だせ!最高だろ!
お兄様の婚期遅れたら俺の所為だな。
なんて考えながらシンと静まり返った玄関ホールを横切り外へ出た。
俺、明日からやってけるのかなー……まあなるようになるだろ。
今日先生に聞いた事や、まだ教えてもらってない学院の事などを話ながら並木道を歩き、馬車が沢山停まる、駐車場らしい場所までやってくる。
「やあ、アンジェ。初日はどうだった?」
このまま帰れると思っただろう?
残念ジョセフィード王太子殿下が現れた!
ここでエンカウントなんて求めてないよ!?
お兄様を見上げると、呆れた顔をしていた。
「帰りは僕が連れて帰ると言ったろう?」
「エリックは家で一緒に居られるのだから、行き帰りぐらい俺に譲ってくれてもいいだろ?」
「……ヤですよ!お……私はお兄様と帰ります!」
「……ふぅん?」
うわぁあ!!顔が怖い!めっちゃ良い笑顔だけど目が笑ってない!
お兄様の後ろに慌てて隠れると、やれやれとお兄様は苦笑いした。
「まあまあ……ジョセフィード殿下、アンジェリカさんを苛めるのは頂けませんね」
後ろから鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえて振り向くと、微笑むグレイシア様がいた。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる