異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

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17.シスコンとブラコン

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グレイシア様と話して時間を取られた俺は再び囲まれてしまった。
皆が口々に挨拶をしてきて笑顔で返すを繰り返す。

もう作り笑いも限界……と思っていると、廊下の方が騒がしくなった。

そう言えばジョセフが迎えに来ると言ってたな……

しかし教室のドアが開き顔を出したのはお兄様だった。


「アンジェ、お待たせ迎えに来たよ」

「お兄様!皆様、お迎えが来てしまいました。私はここで失礼致します。これからよろしくお願い致しますわ。では、ごきげんよう」


これ幸いと嬉々として輪の中から飛び出し、お兄様の元に駆け寄り振り返って淑女の礼をして挨拶をする。


「アンジェリカさん、また明日ですわ~ごきげんよう」


教室を出るときにグレイシア様が小さく手を振り挨拶をしてきてくれたので、俺も小さく手を振り「また明日」と返して、お兄様の腕を取り退室した。

クラスメイトにはブラコンに見えるかもしれないが、こうしておけば、今後お兄様を理由に逃げやすくなる。我ながら頭良いんじゃね?

お兄様……めっちゃ嬉しそうですね。
あっさり腕組ませてくれたとは思ったけど、シスコンなお兄様は腕が組めて嬉しいんですね。
にやけた顔もイケメンだと様になるよな。
くっそ羨ましくなんて無いんだからね!

玄関ホールにまで歩いて、ハッと思い出す。
そうだ!ジョセフだよ!迎えに来るって言ってたのに!


「お、お兄様……ジョセ……いえ、あの殿下は……?」


アイツ、お兄様にも妬くほど心狭いから、迎えに行くと言ってたのに、ジョセフ待たずにお兄様と帰ったとあっては面倒臭いことになりそうだ。


「ん?ああ、朝は譲ってあげたんだから、帰りは僕がエスコートさせてもらわないとね!」


このシスコンめ!
何でジョセフとお兄様は気があったのかとか思ってたけど……この二人似た者同士、類は友を呼ぶってやつじゃん!


玄関ホールに入ると朝同様視線が向けられている。
ボソボソと話ながらこちらをチラチラ見てくる。殆ど何言ってるか解らんが、少しだけ聞こえたぞ!尻軽って単語聞こえたぞ!
確かに俺は王太子の婚約者だし、今は別の男と腕組んでますけど、これお兄様ですからね!


「アンジェ?どうした怖い顔して……」


お兄様には聞こえてなかったのですね。まあ人の悪口なんて聞こえない方が良いよな。
大体少なからずそういう人間は何処にでもいるもんだ。
だが、これはちょうど良い。


「何でもないのです。でも、お兄様が素敵だから皆見てらっしゃるからお兄様を取られた気がして少し寂しかったのです。いけませんね……いい加減お兄様離れしませんと……」


顔を伏せて恥ずかしそうに照れるよう見せ、最後に困った様に苦笑した顔でお兄様を見上げる。


「そんな事はないよ!アンジェは何時までも僕の可愛い妹だよ!」


お兄様は俺の両肩に手を置き感極まった顔でうっすら涙を浮かべている。
流石に人前では抱き締めたりしてこなかったけど、顔を見れば抱き締めたいのを堪えてるのがよく分かる。

お兄様扱いやすいなオイ……

そんなんで跡取りとしてやってけるのか?なんて心配になってくる。
とりあえず、回りにこれで俺とお兄様の関係は分かっただろう。
お兄様が残念な男ということもな!
ただのシスコンとブラコン兄妹だせ!最高だろ!


お兄様の婚期遅れたら俺の所為だな。


なんて考えながらシンと静まり返った玄関ホールを横切り外へ出た。

俺、明日からやってけるのかなー……まあなるようになるだろ。

今日先生に聞いた事や、まだ教えてもらってない学院の事などを話ながら並木道を歩き、馬車が沢山停まる、駐車場らしい場所までやってくる。


「やあ、アンジェ。初日はどうだった?」


このまま帰れると思っただろう?
残念ジョセフィード王太子殿下が現れた!
ここでエンカウントなんて求めてないよ!?

お兄様を見上げると、呆れた顔をしていた。


「帰りは僕が連れて帰ると言ったろう?」

「エリックは家で一緒に居られるのだから、行き帰りぐらい俺に譲ってくれてもいいだろ?」

「……ヤですよ!お……私はお兄様と帰ります!」

「……ふぅん?」


うわぁあ!!顔が怖い!めっちゃ良い笑顔だけど目が笑ってない!
お兄様の後ろに慌てて隠れると、やれやれとお兄様は苦笑いした。


「まあまあ……ジョセフィード殿下、アンジェリカさんを苛めるのは頂けませんね」


後ろから鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえて振り向くと、微笑むグレイシア様がいた。

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