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16.友達が欲しい!
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「ごきげんよう」
綺麗な顔立ちに合う鈴を転がしたような声に俺は惚けるしかなかった。
彼女は鞄を教科書が置いていない場所に置いて、俺を見据えた。
「っ……!お初に御目にかかりますわ。私はアンジェリカ・コンラード。コンラード領領主、コンラード伯の長女でございます」
慌てて立ち上がり淑女の礼をして挨拶をする。
コンラード家は伯爵だが、辺境伯という事で侯爵と同等の身分とされている上流貴族だ。
貴族と言うのは実に面倒で、身分の高い者がまず声をかけてくるまで話すことすら許されない。認識され促されてようやく身分の低い者から名乗る。
身分の高い方に先に名乗らせてはいけない。
学校は色んな爵位の令息令嬢、庶民もいるから、一応平等なのだけど、貴族にとっては社交界に出る前の予行練習みたいなものだから、マナーや仕来たりは守らなくてはいけない。つまり全然平等じゃない。まあある程度守れば許されるんだけどな。まだ学生だから。
目の前の彼女は挨拶はしたが名乗らなかった。それは自分の方が上だと遠回しに示しているのだ。
辺境伯より上の身分になると侯爵か公爵だが……
侯爵はまあほぼ同様だしな……相手から名乗らせるのが当たり前な感じと言うことは公爵かな……やべぇ……公爵だったら王家の血族じゃないか!
冷や汗を滴ながら頭を下げていると「お顔をお上げになって」と声がかかりそっと姿勢を戻す。
「初めまして、私はグレイシア・オーウェンスと申しますわ。オーウェンス公爵家の次女ですの。コンラード辺境伯のご令嬢と言うことはジョセフィード王太子殿下の婚約者様ですわね。
お会いできて嬉しいです。私の母が国王様の姉君で殿下とは従兄妹ですの。前から殿下には婚約者が私と同い年だと聞いていて……会ってみたかったのですわ」
やっぱり公爵家の人だったー!
しかもジョセフの従妹……言われてみれば目元が少し似てるかも……まさか同じクラスに婚約者の従妹がいるなんて……
気にしても仕方ない……ここは角がたたぬように愛想良くしてないとな。
「グレイシア様、お会いできて光栄ですわ。ジョセフィード殿下の従妹である貴女様に会いたいと思っていただけてたなんて嬉しいですわ」
にっこり微笑んで見せると、グレイシア様の瞳がキラキラと輝いた。
「まああ!なんて可愛らしい人なんでしょう!いずれは私達、従姉妹になるのですね!嬉しい!」
グレイシア様は、そう言って俺の手を握り微笑んだ。
テンションたっけぇなオイ!
若干引き気味の俺に気づきもせず嬉しそうに微笑む彼女はやっぱり美人で……男だった俺としてはニマニマしてしまいそうになる……。
前世じゃ女の子の友達はいなかったし、殆ど話したこともないし、手なんて幼稚園以来繋いだこともない。
妹は最近生意気でウザイとか言われてた気がする。
最近女性と絡んだのってリーチェぐらい?
いや、彼女は使用人だし……メイドさんだし……
一度で良いからメイドカフェ行ってみたかったな。冥土の土産にとかさ……ギャグじゃないぞ?
また現実逃避してるのは案の定視線を浴びてるからです。
そりゃあ王族の血縁者と王族の婚約者が話してるんだから、注目も浴びるわな。
その後挨拶ラッシュが来たのは言うまでもなく……
グレイシア様は王都に住んでるようで、よく同世代の人を招いてお茶会をしていたみたい。
だからか、知り合いも数人いたみたいで、声をかけて来る人がちらほらいて、その知り合いの方の知り合いさんも来て数珠繋ぎの様に入れ替わり立ち替わり……関係ない俺までチラチラ見てくるから挨拶するはめに……
いや……友達は欲しいよ?でもなんか友達というよりは王太子の婚約者に取り入ろうとしてる感じがして怖い。
ベルが鳴って先生がくるまで人に囲まれましたよ。
庶民だった俺には恐怖だった。
諸々の説明が終わり、先生が退室すると、また遠巻きに視線が向けられて、また囲まれる前に逃げるしかないと、急いで片付けていると、片付け終えたグレイシア様が立ち上がり俺を振り向き微笑んだ。
「アンジェリカさん、これからよろしくお願いいたしますわ」
俺も立ち上がりペコリと頭を下げる。
「こちらこそ!宜しくお願いしますグレイシア様」
「まあ!様なんておよしになって」
「ですが……」
困った顔をして向き直ると、苦笑した後、また手を握られた。
女の子の手って柔らかいよな。男だったら勘違いしちゃうぜ!今の俺は女だからしないけどな!
「私、貴女とお友達になりたいのですわ。ジョセフィードお兄様……殿下に苛められたら直ぐに言ってくださいませ」
そう言って意地悪く微笑んだグレイシア様の顔はジョセフの意地悪い笑顔と良く似ていて身震いしたのだった。
綺麗な顔立ちに合う鈴を転がしたような声に俺は惚けるしかなかった。
彼女は鞄を教科書が置いていない場所に置いて、俺を見据えた。
「っ……!お初に御目にかかりますわ。私はアンジェリカ・コンラード。コンラード領領主、コンラード伯の長女でございます」
慌てて立ち上がり淑女の礼をして挨拶をする。
コンラード家は伯爵だが、辺境伯という事で侯爵と同等の身分とされている上流貴族だ。
貴族と言うのは実に面倒で、身分の高い者がまず声をかけてくるまで話すことすら許されない。認識され促されてようやく身分の低い者から名乗る。
身分の高い方に先に名乗らせてはいけない。
学校は色んな爵位の令息令嬢、庶民もいるから、一応平等なのだけど、貴族にとっては社交界に出る前の予行練習みたいなものだから、マナーや仕来たりは守らなくてはいけない。つまり全然平等じゃない。まあある程度守れば許されるんだけどな。まだ学生だから。
目の前の彼女は挨拶はしたが名乗らなかった。それは自分の方が上だと遠回しに示しているのだ。
辺境伯より上の身分になると侯爵か公爵だが……
侯爵はまあほぼ同様だしな……相手から名乗らせるのが当たり前な感じと言うことは公爵かな……やべぇ……公爵だったら王家の血族じゃないか!
冷や汗を滴ながら頭を下げていると「お顔をお上げになって」と声がかかりそっと姿勢を戻す。
「初めまして、私はグレイシア・オーウェンスと申しますわ。オーウェンス公爵家の次女ですの。コンラード辺境伯のご令嬢と言うことはジョセフィード王太子殿下の婚約者様ですわね。
お会いできて嬉しいです。私の母が国王様の姉君で殿下とは従兄妹ですの。前から殿下には婚約者が私と同い年だと聞いていて……会ってみたかったのですわ」
やっぱり公爵家の人だったー!
しかもジョセフの従妹……言われてみれば目元が少し似てるかも……まさか同じクラスに婚約者の従妹がいるなんて……
気にしても仕方ない……ここは角がたたぬように愛想良くしてないとな。
「グレイシア様、お会いできて光栄ですわ。ジョセフィード殿下の従妹である貴女様に会いたいと思っていただけてたなんて嬉しいですわ」
にっこり微笑んで見せると、グレイシア様の瞳がキラキラと輝いた。
「まああ!なんて可愛らしい人なんでしょう!いずれは私達、従姉妹になるのですね!嬉しい!」
グレイシア様は、そう言って俺の手を握り微笑んだ。
テンションたっけぇなオイ!
若干引き気味の俺に気づきもせず嬉しそうに微笑む彼女はやっぱり美人で……男だった俺としてはニマニマしてしまいそうになる……。
前世じゃ女の子の友達はいなかったし、殆ど話したこともないし、手なんて幼稚園以来繋いだこともない。
妹は最近生意気でウザイとか言われてた気がする。
最近女性と絡んだのってリーチェぐらい?
いや、彼女は使用人だし……メイドさんだし……
一度で良いからメイドカフェ行ってみたかったな。冥土の土産にとかさ……ギャグじゃないぞ?
また現実逃避してるのは案の定視線を浴びてるからです。
そりゃあ王族の血縁者と王族の婚約者が話してるんだから、注目も浴びるわな。
その後挨拶ラッシュが来たのは言うまでもなく……
グレイシア様は王都に住んでるようで、よく同世代の人を招いてお茶会をしていたみたい。
だからか、知り合いも数人いたみたいで、声をかけて来る人がちらほらいて、その知り合いの方の知り合いさんも来て数珠繋ぎの様に入れ替わり立ち替わり……関係ない俺までチラチラ見てくるから挨拶するはめに……
いや……友達は欲しいよ?でもなんか友達というよりは王太子の婚約者に取り入ろうとしてる感じがして怖い。
ベルが鳴って先生がくるまで人に囲まれましたよ。
庶民だった俺には恐怖だった。
諸々の説明が終わり、先生が退室すると、また遠巻きに視線が向けられて、また囲まれる前に逃げるしかないと、急いで片付けていると、片付け終えたグレイシア様が立ち上がり俺を振り向き微笑んだ。
「アンジェリカさん、これからよろしくお願いいたしますわ」
俺も立ち上がりペコリと頭を下げる。
「こちらこそ!宜しくお願いしますグレイシア様」
「まあ!様なんておよしになって」
「ですが……」
困った顔をして向き直ると、苦笑した後、また手を握られた。
女の子の手って柔らかいよな。男だったら勘違いしちゃうぜ!今の俺は女だからしないけどな!
「私、貴女とお友達になりたいのですわ。ジョセフィードお兄様……殿下に苛められたら直ぐに言ってくださいませ」
そう言って意地悪く微笑んだグレイシア様の顔はジョセフの意地悪い笑顔と良く似ていて身震いしたのだった。
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