異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

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29.鈍いのは、ある意味残酷です

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お昼休みになって、何時ものメンバーのシアとエイミー、レティーツィアと食堂で、ご飯を食べる。
今日は天気が良いから、中庭にあるテラス席に座る事になった。丁度、玄関ホールから中庭を挟む形で食堂があり、向こうと同じくガラス張りになっていて、晴れた日はテラス席が開放されるのだ。

この学院の食堂は前世で見かける食堂のようなセルフスタイルではなくレストラン形式である。
ただ、人数は多いので、毎日、日替わり定食みたいに日替わりで三種類あるメインだけ選ぶスタイルになってる。
パンとスープ、サラダ、飲み物がセット。
お菓子系もあるけど、それは別料金だ。これも日替わりと定番が数種類。お菓子はテイクアウトも出来るので、よく放課後のお茶会に使われている。
お代は、帰るときにウェイターさんを呼んでテーブルで払う。
王族や一部の上位貴族は前もって月始めに多目に払ってるそうで、顔パスです。ビックリだね!
ジョセフとシアは顔パスなんですよー。顔パスなんて初めて見たよ。
因みに多目に払ってある、お代の残りは学院に寄付されるらしい。

あとは弁当持ってくる人も居る。庶民の人は基本持ってきてるな。まあ高いもんな。ココのご飯。貴族の食費としては破格のお値段ではあるらしいけど。
小銀貨1枚ですからね。町の食事処のセットご飯は銅貨1枚が平均だ。
日本円で考えてみると、小銅貨100円、銅貨1000円、小銀貨は5000円、銀貨1万円、小金貨5万円、金貨10万円となっている。
1ヶ月の学院の食堂で食べて、かかる食事代は庶民だと1ヶ月生活できる……お金持ち怖いね。



「今日のランチも美味しかったですわね」
「ですねぇ~この後はお庭でまったりしましょぉ」
「良いですわね。こんなに良い天気ですもの」

レティーツィア、エイミー、シアの順番できゃいきゃい話す3人を見て俺は少しほっこりする。
やっぱり女の子は癒しだね。
ウェイターさんを呼んでお会計して席を立つ。
3人は、そのまま中庭に向かおうとしたので、皆に断りを入れる。

「ごめんなさい。手紙を書きたいので私はここで失礼しますね」
「ああ、そうでしたわね」

皆の顔が微笑ましそうな顔になったので、逃げるように、その場を後にする。
後がメンドクサイから出すだけだ!他意はないからな!

図書室に入ると放課後とは違って人が、そこそこいる。勉強してる人もいれば、静かに本を読む人もいた。

図書室の雰囲気は前世と変わらない。
騒ぎ立てるのは禁止だから、人気の場所ではないけど、人が少ないからこそ落ち着く人も居るのだろう。

時間もないし、さっさと手紙を書いてしまおうと、いつもの席に向かう。

「あれ?ラノフ?」

席には先客がいた。いつものように難しそうな本を読んでいた彼に声をかける。放課後みたいに人が居ないわけではないので、今日は令嬢らしく振る舞う事にする。変な噂立てられてはラノフもジョセフにも迷惑かかるからな。俺もヤだし。

「これはアンジェリカ様。珍しいですね、お昼休憩に、ここに来られるのは」
「まあ……普段は有り難い事に声をかけて貰えますから」
「今日はお声が、かからなかったのですか?」
「いいえ。手紙を書きたくて静かな場所が良かったので。えっと……相席、良いですか?」
「ええ、ご一緒できて嬉しく思います」

にっこり微笑んだラノフに、俺も微笑んで向かいに座って、便箋を取り出して授業の合間で考えた内容を書いていく。

「アンジェリカ様、誰に宛てた手紙なのでしょうか?あ、失礼なのは重々承知しておりますが、気になりまして……」
「大丈夫です。えーと……婚約者にです。昨日、手紙を頂きましたので(メンドクサイ事になる前に)早く返事を出したくて……」
「……そうですか」

ラノフの顔が曇ったが、手紙を書くのに集中していた俺はその変化に気づかなかった。

「大変、仲が宜しいのですね。羨ましいです」
「ラノフは気になる方がいるのですか?」 
「ええ、まあ……」

少し悲しそうな顔をした後、スッと真剣な顔になって俺を見つめくる。その視線は熱気を帯びた感じがして困惑してしまう。

「ラ……ラノフ?」
「………………アンジェリカ様……」

困った俺は視線を逸らしてしまった。
そんな俺にラノフは苦笑して、何でもないですと言って立ち上がった。

「すみません、そろそろ教室に戻ります」
「あ、あの、今日は早く帰らなくてはならないので放課後、来れないんです。明日はお兄様も、お戻りになるので、あまり来れなくなると思いますが……またお話してもらえますか?」
「…………ええ、貴女が望むのならば」
「有難うございます!」

嬉しくなって微笑むと、少し顔を赤らめて目を逸らし、なんとも言えない顔をしたあと、失礼致しますと挨拶をしてラノフは立ち去った。
彼の表情を不思議に思いながらも、時間が無いことを思いだし、慌てて手紙を書いた。



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