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45.持つべきものは友だよね!
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学院に着いて馬車を降りる時、少し躊躇してしまった。
昨日ぶっ倒れた後そのまま教室に戻らずに帰ったからか少し行きにくい。
「アンジェ?」
先に降りたジョセフが手を差しのべながら降りてこない俺を心配するように見上げている。
逃げないと決めたのだ。男に二言はねぇ!
エスコートされて馬車を降り、そのまま手を握りジョセフは歩き出した。
何時もは腰やら肩やら抱いてエスコートしてくるのに今日は手繋ぎだけ……
少しムズ痒くなりながら歩いてると、豊が途中で待っていた。
「ラノフ……」
豊は俺とジョセフを交互に見てから握られた手を見て、軽く息を吐いた。
「おはようございます殿下。アンジェリカ様」
「ああ」
紳士の礼を取ってから豊はジョセフを見た。
「……何か言いたげだな」
「昨日アンジェリカ様がお倒れになったとか……お体はもう良いのですか?」
「心配させてごめんなさい。もう大丈夫です」
「それは良かった」
にっこり微笑んだ後、そっとジョセフに近寄るとボソリと何かを囁いた。
俺には聞こえなかったけど、それを聞いた後にジョセフは少し顔を歪めた。
「貴様に言われるまでもない」
「左様でございますか。安心致しました」
暫く無言で見つめあった後にフンと鼻を鳴らしてから、放課後時間を開けておけと言い残してから俺の手を引いて歩き出した。
すれ違う時に豊を見ると、豊は微笑んでから「また放課後に」と俺にだけ聞こえるように呟いた。
ここは人の目がありすぎてそれ以上俺は豊に話すことが出来なくて振り向きたい衝動を押さえながら、玄関ホールに入った。
俺はジョセフの手から腕に手を回して体を寄せ、こそりと話しかけた。
この方がまだ周りからは不自然に見えないけど聞こえにくいのだ。
「放課後、話し合いの場を儲けるのですか?」
「ああ、本当は昨日にもとは思っていたのだが……」
「すみません……」
「悪いのは俺だ。気に病むな」
まあ、そうなんだけど……寧ろ昨日ちゃんと俺の気持ちを話せたから、逆に良かったのか?
「お前の周りは過保護が多いな」
「はい?」
過保護……確かにお兄様や家の使用人。あとは少ししか会ってないけどお父様もやばかった気がする。
確かに多いかも?
「可愛いは罪ですねー」
「……自覚があるならもっと気を付けろ」
何で俺が怒られれてるんですかね?言っとくけどお前も入ってるんだからな!
それにお前も気を付けろよなと心の中でごちながら教室に向かった。
教室の近くまで来ると人の視線が何時もより痛い。
所々から囁く声が聞こえてくる。
陰口なんぞ言ってないでかかってこいやー!ってイラッとしてたら、ルナの教室の前でシア達が待っていた。皆を見たらホッとなった。
「皆様ごきげんよう。昨日はごめんなさい」
「アンジェ!もうよろしいのですか?」
「はい、ご心配お掛けしました」
「アンジェ~良かったですぅ!」
うるうる涙ぐんでるエミリーを宥めながらレティーツィアも良かったと微笑んでくれた。
持つべきものは友人よ! 俺も涙が滲んできちゃうぜ!
「アンジェ、また放課後に迎えにくるから」
「あ、はい。送ってくださりありがとうございました」
微笑んでから手の甲にキスを落としてジョセフは自分の教室に向かった。
手の甲のキスは挨拶みたいなもんだから流石に人前でも慣れ無いとな。でも頬が赤くなるのは許してほしい。
「まだ、お顔が赤いようですよぉ」
「それは純情過ぎるアンジェが悪いのよ」
エミリーとレティーツィアの会話に苦笑いしながら四人揃って教室に入る。
昨日嗤っていた令嬢達は今日もこそこそ囁いてるが、どうでも良い。どうせそんな外面だけ良くしたってジョセフは直ぐに見抜くのだから。
昔のアンジェリカの様に。そう考えるとスッキリした気分になった。
周りを気にしてくれるシアに「もう大丈夫だから」と微笑んだら、微笑み返してくれた。やっぱり二人は従兄妹だなと思う。
その時の笑顔が馬車で見たジョセフの笑顔と良くにていたから――――――
昨日ぶっ倒れた後そのまま教室に戻らずに帰ったからか少し行きにくい。
「アンジェ?」
先に降りたジョセフが手を差しのべながら降りてこない俺を心配するように見上げている。
逃げないと決めたのだ。男に二言はねぇ!
エスコートされて馬車を降り、そのまま手を握りジョセフは歩き出した。
何時もは腰やら肩やら抱いてエスコートしてくるのに今日は手繋ぎだけ……
少しムズ痒くなりながら歩いてると、豊が途中で待っていた。
「ラノフ……」
豊は俺とジョセフを交互に見てから握られた手を見て、軽く息を吐いた。
「おはようございます殿下。アンジェリカ様」
「ああ」
紳士の礼を取ってから豊はジョセフを見た。
「……何か言いたげだな」
「昨日アンジェリカ様がお倒れになったとか……お体はもう良いのですか?」
「心配させてごめんなさい。もう大丈夫です」
「それは良かった」
にっこり微笑んだ後、そっとジョセフに近寄るとボソリと何かを囁いた。
俺には聞こえなかったけど、それを聞いた後にジョセフは少し顔を歪めた。
「貴様に言われるまでもない」
「左様でございますか。安心致しました」
暫く無言で見つめあった後にフンと鼻を鳴らしてから、放課後時間を開けておけと言い残してから俺の手を引いて歩き出した。
すれ違う時に豊を見ると、豊は微笑んでから「また放課後に」と俺にだけ聞こえるように呟いた。
ここは人の目がありすぎてそれ以上俺は豊に話すことが出来なくて振り向きたい衝動を押さえながら、玄関ホールに入った。
俺はジョセフの手から腕に手を回して体を寄せ、こそりと話しかけた。
この方がまだ周りからは不自然に見えないけど聞こえにくいのだ。
「放課後、話し合いの場を儲けるのですか?」
「ああ、本当は昨日にもとは思っていたのだが……」
「すみません……」
「悪いのは俺だ。気に病むな」
まあ、そうなんだけど……寧ろ昨日ちゃんと俺の気持ちを話せたから、逆に良かったのか?
「お前の周りは過保護が多いな」
「はい?」
過保護……確かにお兄様や家の使用人。あとは少ししか会ってないけどお父様もやばかった気がする。
確かに多いかも?
「可愛いは罪ですねー」
「……自覚があるならもっと気を付けろ」
何で俺が怒られれてるんですかね?言っとくけどお前も入ってるんだからな!
それにお前も気を付けろよなと心の中でごちながら教室に向かった。
教室の近くまで来ると人の視線が何時もより痛い。
所々から囁く声が聞こえてくる。
陰口なんぞ言ってないでかかってこいやー!ってイラッとしてたら、ルナの教室の前でシア達が待っていた。皆を見たらホッとなった。
「皆様ごきげんよう。昨日はごめんなさい」
「アンジェ!もうよろしいのですか?」
「はい、ご心配お掛けしました」
「アンジェ~良かったですぅ!」
うるうる涙ぐんでるエミリーを宥めながらレティーツィアも良かったと微笑んでくれた。
持つべきものは友人よ! 俺も涙が滲んできちゃうぜ!
「アンジェ、また放課後に迎えにくるから」
「あ、はい。送ってくださりありがとうございました」
微笑んでから手の甲にキスを落としてジョセフは自分の教室に向かった。
手の甲のキスは挨拶みたいなもんだから流石に人前でも慣れ無いとな。でも頬が赤くなるのは許してほしい。
「まだ、お顔が赤いようですよぉ」
「それは純情過ぎるアンジェが悪いのよ」
エミリーとレティーツィアの会話に苦笑いしながら四人揃って教室に入る。
昨日嗤っていた令嬢達は今日もこそこそ囁いてるが、どうでも良い。どうせそんな外面だけ良くしたってジョセフは直ぐに見抜くのだから。
昔のアンジェリカの様に。そう考えるとスッキリした気分になった。
周りを気にしてくれるシアに「もう大丈夫だから」と微笑んだら、微笑み返してくれた。やっぱり二人は従兄妹だなと思う。
その時の笑顔が馬車で見たジョセフの笑顔と良くにていたから――――――
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