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46.聞きたいのは……
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自分の机に着くと、既に来て座っていたイーノスと目が合った。
「イーノスごきげんよう。昨日は、ありがとうございました。運んでくださったとシアから聞きました」
「別に……横で倒れられたら目覚めが悪いですからね」
プイッと視線を外したイーノスの耳が赤くなっていて、照れ隠しだと分かった。
皮肉屋だけど、悪いやつじゃねーなのかも知れないなと思いながら椅子に座った。
昨日の授業の内容を聞こうと思って前のシアを見ると、シアはイーノスを見ていた。
「シア?」
「っ!はい?なんでしょう?」
「いえ、昨日の授業内容が知りたいのですが……ノートを写させて頂けると……」
「あ、ああ、そうですわね!そうおっしゃると思って纏めてありますわ。今日は被ってる授業はありませんし、明日までに返してくだされば問題ありませんので」
そう言ってノートの束を渡してくれた。
被ってないのに全部持ってきてくれた事が嬉しくてシアの優しさにジーンときた。
「私……シアには頭が上がりません」
「あらあら」
くすくすとシアと笑っていると、大分落ち着いた。
その後、必死にノートを写す俺に話しかけようとするクラスの男子たちをシアだけでなくイーノスも牽制してくれたなんて俺は気づきもしなかった。
3人には暫く一人にならないようにと言われて、素直に従ったが、流石に女子と連れションする日が来るとは思わなかった。一人で大丈夫と言ったけどトイレが一番危ないと言われた。
あれか!?水かけられたり閉じ込められたりするやつか!?となって背に腹はかえられねぇと恥を忍んで付いてきてもらった。
放課後になってジョセフが迎えに来てくれるまで3人には一緒に居てくれて、3人に見送られて教室を後にした。
皆のお陰で何事もなく、不安に思うこともなかった。シアだけじゃなくエミリーもレティーツィアにも頭が上がりそうにない。
ジョセフに連れられて来たのはテーブルセットとチェストがあるだけの部屋だった。
ここ、始めに聞いたダンスパーティがあるときの控え室で普段はお茶会に使われてる部屋かな?とキョロキョロと見渡していると苦笑したジョセフが椅子に進めてくたので素直に従った。
テーブルにはお茶セットが置かれていたので、ジョセフが頼んでくれたのだろう。
最近はリーチェに、淹れ方を習っているので、進んで淹れると、ジョセフは嬉しそうに紅茶を一口飲んだ。
その様子にほっこりしてるとノック音が響いた。
ジョセフが返事をするとゆっくりと開いたドアから入ってきたのは豊だった。礼を取ってからゆっくりドアを閉めてから、俺を見て微笑んだ。
俺はガタッと椅子を倒す勢いで立ち上がり、口を開いたが、どっちの口調で話すべきかと口をパクパクさせていると、ジョセフはクッと笑った。
「ここは最奥の部屋で、その先のダンスホールは使う予定がないから誰も通ることはないよ。横の部屋は誰も使ってないし気にせず話すと言い」
その一言で俺は、はーっと息を吐いてから顔を上げた。
「豊……」
「……彰……昨日は心配したよ。ほんとうは直ぐに駆けつけたかったけど、同じクラスでもない俺が行ってしまうと、あらぬ誤解を受けてしまう恐れがあったから行けなかった……」
「バカ、気にすんな。お前がわるい訳じゃないだろ?」
別のクラスの俺達が仲が良いのはあんまり良いことじゃない。特に一部の令嬢たちはこれ幸いと有るとこ無いこと言って俺を貶めようとするだろう。
だから豊の判断は正しかった。
「とりあえず座れよ。いいよなジョセフ」
「ああ、そうだな……時間も有限だ、気にせず腰掛けてくれ」
「……失礼します」
一礼してから豊がジョセフの前に座り、俺は豊の分のお茶を淹れて、豊の前に置いてから先程座っていた椅子に座った。
3人分のカップから湯気が立ち込め、真ん中に紅茶用の角砂糖とミルクポット、軽くつまめるクッキーが置いてある。
それを眺めながら沈黙が続いた。
暫くして、豊が口を開いた。
「彰、お前の気持ちが聞きたい」
「俺の気持ち?」
まさか俺に真っ先に聞いてくるとは予想外だ!
「そうだ、お前が……殿下をどう思ってるのか先に聞いておきたい」
「イーノスごきげんよう。昨日は、ありがとうございました。運んでくださったとシアから聞きました」
「別に……横で倒れられたら目覚めが悪いですからね」
プイッと視線を外したイーノスの耳が赤くなっていて、照れ隠しだと分かった。
皮肉屋だけど、悪いやつじゃねーなのかも知れないなと思いながら椅子に座った。
昨日の授業の内容を聞こうと思って前のシアを見ると、シアはイーノスを見ていた。
「シア?」
「っ!はい?なんでしょう?」
「いえ、昨日の授業内容が知りたいのですが……ノートを写させて頂けると……」
「あ、ああ、そうですわね!そうおっしゃると思って纏めてありますわ。今日は被ってる授業はありませんし、明日までに返してくだされば問題ありませんので」
そう言ってノートの束を渡してくれた。
被ってないのに全部持ってきてくれた事が嬉しくてシアの優しさにジーンときた。
「私……シアには頭が上がりません」
「あらあら」
くすくすとシアと笑っていると、大分落ち着いた。
その後、必死にノートを写す俺に話しかけようとするクラスの男子たちをシアだけでなくイーノスも牽制してくれたなんて俺は気づきもしなかった。
3人には暫く一人にならないようにと言われて、素直に従ったが、流石に女子と連れションする日が来るとは思わなかった。一人で大丈夫と言ったけどトイレが一番危ないと言われた。
あれか!?水かけられたり閉じ込められたりするやつか!?となって背に腹はかえられねぇと恥を忍んで付いてきてもらった。
放課後になってジョセフが迎えに来てくれるまで3人には一緒に居てくれて、3人に見送られて教室を後にした。
皆のお陰で何事もなく、不安に思うこともなかった。シアだけじゃなくエミリーもレティーツィアにも頭が上がりそうにない。
ジョセフに連れられて来たのはテーブルセットとチェストがあるだけの部屋だった。
ここ、始めに聞いたダンスパーティがあるときの控え室で普段はお茶会に使われてる部屋かな?とキョロキョロと見渡していると苦笑したジョセフが椅子に進めてくたので素直に従った。
テーブルにはお茶セットが置かれていたので、ジョセフが頼んでくれたのだろう。
最近はリーチェに、淹れ方を習っているので、進んで淹れると、ジョセフは嬉しそうに紅茶を一口飲んだ。
その様子にほっこりしてるとノック音が響いた。
ジョセフが返事をするとゆっくりと開いたドアから入ってきたのは豊だった。礼を取ってからゆっくりドアを閉めてから、俺を見て微笑んだ。
俺はガタッと椅子を倒す勢いで立ち上がり、口を開いたが、どっちの口調で話すべきかと口をパクパクさせていると、ジョセフはクッと笑った。
「ここは最奥の部屋で、その先のダンスホールは使う予定がないから誰も通ることはないよ。横の部屋は誰も使ってないし気にせず話すと言い」
その一言で俺は、はーっと息を吐いてから顔を上げた。
「豊……」
「……彰……昨日は心配したよ。ほんとうは直ぐに駆けつけたかったけど、同じクラスでもない俺が行ってしまうと、あらぬ誤解を受けてしまう恐れがあったから行けなかった……」
「バカ、気にすんな。お前がわるい訳じゃないだろ?」
別のクラスの俺達が仲が良いのはあんまり良いことじゃない。特に一部の令嬢たちはこれ幸いと有るとこ無いこと言って俺を貶めようとするだろう。
だから豊の判断は正しかった。
「とりあえず座れよ。いいよなジョセフ」
「ああ、そうだな……時間も有限だ、気にせず腰掛けてくれ」
「……失礼します」
一礼してから豊がジョセフの前に座り、俺は豊の分のお茶を淹れて、豊の前に置いてから先程座っていた椅子に座った。
3人分のカップから湯気が立ち込め、真ん中に紅茶用の角砂糖とミルクポット、軽くつまめるクッキーが置いてある。
それを眺めながら沈黙が続いた。
暫くして、豊が口を開いた。
「彰、お前の気持ちが聞きたい」
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まさか俺に真っ先に聞いてくるとは予想外だ!
「そうだ、お前が……殿下をどう思ってるのか先に聞いておきたい」
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