異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

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52.宿題はお早めに

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休暇が半分を折り返した辺りのある日、俺は部屋に籠り机に向かっていた。

どの世界でも共通なのだろか?長期休みに宿題を出すのは……

溜め息をついてから、始めるときに入れてもらった冷めたお茶を啜る。
まあ暑い時期に熱いお茶を飲むのは忍耐を要するので、これはこれで良い。リーチェも冷めてから飲むことを想定してくれたのか、冷めても美味しく飲めるやつにしてくれていたようだ。

因みに今、俺とお兄様はシア達とのお茶会の後に実家に帰ってきている。帰ってきた時出迎えてくれたお父様の親バカっぷりに若干引いたが、長期休みじゃないと帰ってこれないのだから仕方ないかと諦めた。お兄様も似たような反応してたから通常運転なんだな。うん。

お兄様はお父様の仕事を時期当主として覚える為か、お父様と共に殆ど砦に行ってしまっている。
朝イチに出、遅くに帰ってくる。休みの日以外はそんな毎日だ。

残りを一気に飲み干してから、ふぅと息を吐いてカップをソーサーに戻した。
そして目の前に広げられていた宿題を纏めて片付ける。
前世では宿題は最後まで残していて、最後に慌ててやるタイプだが、そんな馬鹿な事を俺の専属侍女は許しちゃくれなかった。
と言うのも、いつなんどき用事が入るか分からないから、今度開かれる王家主催のお茶会までに終わらせておくようにと言われたのだ。
なので、お陰さまで今しがた宿題が終わった所だ。

何時もは豊に助けてもらったけど、今は会うどころか、連絡することすら出来ないのだ。たぶん向こうも今は地元に帰ってるよな。元気にしてるかな?

因みにジョセフとは休暇に入ってから一度も会えていないが何度か手紙のやり取りをしている。俺が実家がある領土に帰ってきたから、流石に会うには遠すぎるのもあるけど。帰ってくる前に一度くらい会いたかったけどジョセフに会う暇が出来なかったのだ。

ジョセフは普段学院があって出来ない王太子としての責務があって毎日忙しいらしい。昨日来た手紙には国王の代わりに視察に行ったことが書かれていた。
因みに隠し事に至っては教えてくれなかった。
今は、誰にでも秘密にしたい事の1つや2つあるもんだと考えるようにした。だから今は聞かない。何時かは吐かせると決めた。

とりあえず今は、ジョセフが体を壊してないかとか、休息は取れてるのかと心配が勝っていて秘密なんて後回しになってるだけだが。
手紙には、会えないのは寂しいが俺からの返事が来るだけで頑張れると書いてあって馬鹿じゃねーの!?とか思ったけど、俺だってお前から手紙が来て少しは会えない寂しさが紛れている……まあ、言ってはらんがな!

お茶会の日には会えるのだ。それまでの我慢だ。
その時にジョセフに恥をかかせるわけにはいかないから、リーチェやお母様に毎日作法の指導を受けている。
あとは王都の屋敷とは違い、この屋敷の使用人は前の俺アンジェリカを知ってる人ばかりだから中々気が抜けない。これも令嬢としての立ち振舞いをどんなときでも出せるようになる為の訓練だと思って耐えている。

ジョセフと結婚すれば、今以上に常に人の目がある生活になるのだから、今へこたれていてはたぶん王太子の嫁なんて無理な話だ。なりたい訳じゃないけど、ジョセフへの想いを自覚した今では、そんな甘い気持ちでは一緒に居ることすら出来ない事は分かってる。
それに今はリーチェが一人になれる時間を作ってくれているし、1人じゃなくても部屋にいる侍女はリーチェだけのときも増やしてくれてる。少しでも慣れないといけないのだ。

「頭が上がらない人が増えていくな……」

シアもエイミーもレティーツィアも……本当の俺を知らないのに俺を助けてくれる。友達だと思ってくれている。俺が前世は男だと知ったらどう思うだろうか……リーチェだって前世が異世界人とは知っていても男だとは知らない。
俺がアンジェリカであることには変わらないと言って支えてくれてるけど……男だとわかっても同じように言ってくれるだろうか……お兄様も……お父様もお母様も……。
言えない……いや言う勇気が無いのだ。
豊はこんな状況で14年1人だったのか……俺なら壊れてたかもしれない。俺は早めにジョセフに出会えたけど豊はずっと……

皆に大切にしてもらう度に罪悪感が芽生えてどんなに信用してると思っても、嫌われたらと怖くて言えない。

俺は、はぁぁと溜め息を溢した。





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