異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件

高見桂羅

文字の大きさ
60 / 97

59.まさかのライバルは…

しおりを挟む
シアが着てるドレスは緑で一緒にいる男の目も緑。しかもクロスタイの交差するところに着けているブローチについてる石が藤色でシアの瞳も藤色っていう……

これ決定じゃね?声をかけたらお邪魔になるの目に見えてるじゃないですか。
どうして良いか分からなくなって固まってると、ジョセフは不思議がって俺を見、俺の視線を辿って2人に気づいてしまった。
邪魔すんなよ!お前だって邪魔されたら嫌だろ!?
必死に腕をつかんで目線で訴えてみたが、気づいてないと言わんばかりに無情にも2人に近づいてしまった。

俺たちに気付いた二人はジョセフに礼をとる。顔をあげた赤髪の男は人懐っこい顔を綻ばせた。

「ジョセフィード殿下お久しぶりです!」
「ああ、メイヴィスも元気そうで何よりだ」
「ええ、もちろんです!毎日鍛錬は欠かしておりませんので。エリック殿もお久しぶりです」
「お久しぶりですメイヴィス殿」

まさかのお兄様ともお知合いですか!?
俺がきょとんとしてると、俺を見てメイヴィスはニッコリ微笑んだ。

「殿下、いい加減紹介してくださっても良いではないでしょうか?」
「……はぁ、まあいいだろう。アンジェ」
「…えっ!?……お初にお目にかかります。コンラード辺境伯が長女アンジェリカと申します」

急に俺を紹介されて、内心慌てたが、必死に冷静を装うように礼をとり挨拶をする。

「お会いできて光栄です。アンジェリカ嬢。私はチェンバロンド公爵が三男、メイヴィスと申します。何度か学院で御見掛けはしましたが、よくやく話せて嬉しいです」

そういって俺の手を取って手の甲に口付けを落とす。
まさかの3公爵家のお方でしたかー!!チェンバロンド公爵家って確かシアのお姉さんが嫁いでる家だよな。
ていうか学院で見た!?じゃあこの人も学生さんかな?俺は記憶がないけど同じ学年だったら三男といえども公爵家で爽やかなイケメンだったらさすがに分かりやすい情報が上がってくるだろうし…。
困惑してる俺を置いてきぼりにしたまま、爽やかイケメンなメイヴィスに呆れたようにジョセフは見た。

「俺を介さなくとも、エリックやシアに頼めば済むことだろう?」
「分かってませんね。オレは殿下から紹介されたかったんです!何といっても将来殿下の后になられる方ですよ!殿下から紹介されなくては意味がないのです!」

力説するメイヴィスに若干引いた感じのお兄様と、苦笑いのシアと、ため息をついたジョセフを順にみて、コイツよくスポーツ系部活にいる爽やか熱血男子だと心の中で俺は思った。

話を聞いてると、メイヴィスは俺の一つ上の15歳。シアの事は義理の姉、つまりシアの実のお姉さんの妹だから、チェンバロンド家では末っ子だけど、妹ができたようで可愛がってるのだという。入学式の日とか公爵令嬢なのに、ほったらかしていていいのかと思ってたけど、そういうのは全部メイヴィスがしてるそうだ。
そしてメイヴィスは将来はジョセフの近衛隊に入るべく日々鍛錬を行ってるそうです。
ブローチの石はジョセフへの忠誠の証だそうで、言われてみれば、ジョセフとシアは瞳の色が似てましたね。
俺ってば早とちりしちゃったぜ。

まあシアがどう思ってるかは分からないけど。今は聞かないと決めたので聞きませんけどね。

一通り挨拶が終わったらもう一度合流しようとシアと約束をしてメイヴィス、シアと別れる。
ある程度離れたところでお兄様は立ち止まった。それに気づいたジョセフも立ち止まり振り返る。

「どうしたエリック?」
「メイヴィス殿は君の一番になりたいのだろうなと」

確かに俺もメイヴィスは敬愛が半端なかったなと思った。
お兄様は憂い顔をしていた。

「……俺が一番信頼してるのはお前だ」

そう言って、ジョセフはお兄様のスカーフを指でつついた。
お兄様の強張っていた顔はほぐれて、小さく微笑んだ。

俺はそんな二人のやり取りを呆然と見ていた。
コレってあれだろ?主従愛というやつだよな?あれ?まさかのお兄様がライバル?何それ最強じゃね?てゆーか何言ってんだ俺?
こんがらがる頭を整理しようと額に手を当ててると「まあ…」とジョセフは繋げる。

「愛してるのはアンジェ一択だがな」

そう言って俺の手を取って引き寄せて、にやりと笑った。

「……っ!!!!?」

ココが人前じゃなかったら、聞いてねぇよ!と叫んでぶん殴ってたとこだ。
俺は真っ赤になった顔を持ってきてたレースの付いた扇で隠すしかなかった。





しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...