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60.レオナルド王子殿下
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何人か王妃様の前にいたけれど、ジョセフが居た為に、この紋所目に入らぬかー!状態でみんな横によけてくれた。
流石王太子である。
しかしながら、心は根っからの庶民の俺にはちょっと居心地が悪い。
そんな俺の気持ちなんてお構いなしに、ジョセフは王妃様の傍に歩み寄り頭を下げた。
「母上、早々に離れて申し訳ありませんでした。アンジェリカ嬢をお連れしました」
「構いませんよ。久しぶりですねアンジェリカ。息災そうで何よりです」
既に顔見知りだと!?あ、婚約者だから前に挨拶はしてるのかもしれない。
「お久しぶりでございます王妃様。本日もご機嫌麗しく」
俺の挨拶に王妃様の紅を引いた唇は弧を描き、麗しい笑顔を向けてくれた。そして王妃様を挟むように座っていた、レオナルド王子とコーデリア王女に視線を向けた。
「2人に会うのは初めてですね。2人とも挨拶を」
レオナルド王子とコーデリア王女はお初なんだな。それさえ分かればこっちのもんじゃい。
俺は2人に淑女の礼をすると、2人は立ち上がり礼を取ってくれた。
「レオナルド王子殿下、コーデリア王女殿下お初にお目にかかります。コンラード辺境伯が長女アンジェリカと申します」
「アンジェリカ嬢、お会いできて嬉しく思います。よく兄上からお話は伺っております」
「コーデリアですわ。初めましてアンジェリカ様」
大人びた笑みを浮かべたレオナルド王子に子供らしくニコッと笑ったコーデリア王女。
やっべえ可愛い!金髪碧眼の幼女は正義だ!目の保養だなとほんわかする。
レオナルド王子は瞳と髪の色が違うけどジョセフに似ている。ちょっとジョセフ幼くした色違いのジョセフのような感じだ……。
歳は俺の一つ下のはずだが、既に俺より少し身長が高い!なんか悔しいぞ。
だが、よく話聞いてるって何言ったんだこいつ?
横にいるジョセフを半目で見上げたが、にっこり微笑まれただけだった。
ムッとしたが王妃様の前で失礼になると顔を扇で少し隠して落ち着かせた後、俺はレオナルド王子に笑顔を向けた。
「ジョセフィード殿下がいつも私の事を何と言ってるのか気になります」
「え……えと……その、すごく可愛らしい方だと……」
レオナルド王子は少し顔を赤くして視線を逸らしてしまった。
「でも聞いていた通りとても可愛い方で…本当に天使が舞い降りたかと思ってしまいました」
お前もかレオナルド!!!!天使と言われるのはお兄様だけで十分だ!
しかし少し幼いジョセフと似た顔を頬を染めて、はにかむレオナルド王子はやばい。その顔で、そんな初心な反応はずるいと思う。まるでジョセフが照れてるみたいで、ときめいてしまったではないか。
つられて俺も頬が赤くなった。これが惚れた弱みというのか!
2人して照れてると隣から冷気が漂ってきた。顔をあげるとジョセフの機嫌が凄く悪い。
笑顔ではあるが、目は笑っていない。
ジョセフは俺の肩をぐっと引き寄せ、密着させて来る。
この場にいるだけで周りから注目を浴びている中でこれは、すっごく恥ずかしくて顔から火がでそうになるほど熱くなる。人前はやめてくれって前に言ったのに!しかも弟に焼きもちなんてカッコ悪いぞ!
でも、切なそうな顔を見ると何も言えなくなって、俺はそっと自分の肩に置かれたジョセフの手に手を重ねしょうがない奴だと見上げた。
そんな俺たちを見て、王妃様は面白いものが見れたと言わんばかりに微笑んだ。
「ふふ、仲が大変宜しい様で何よりです」
その言葉にハッとなった俺は逃げ出したい衝動を抑えながら真っ赤になった顔で苦笑いをした。
ジョセフも流石に母親の前で恥ずかしかったのか頬が赤くなって気まずい顔をしていた。
その後、お兄様が挨拶を終えてから、少し談笑してから俺たちは、王妃の前から下がった。
他の方も挨拶するために集まっていたし、いつまでも独占するわけにはいかない。
実際これ以上、一緒にいるとボロがでそうだったからな。
とりあえず、割り込んですみませんでしたー!!!!
王妃様は最後まで楽しそうに見ていたが気にしない!
コーデリア王女からは今度ちゃんとお話ししたいとお願いされ(もちろん即OKした)レオナルド王子も、その際はご一緒したいと頼まれました。
いくら王太子の婚約者と言えど、今は辺境伯令嬢の俺には王族の頼みは断れません。
ジョセフの不機嫌な視線から逃れたかった俺は癒しを求めて、そそくさとシアと合流しに向かったのだった。
流石王太子である。
しかしながら、心は根っからの庶民の俺にはちょっと居心地が悪い。
そんな俺の気持ちなんてお構いなしに、ジョセフは王妃様の傍に歩み寄り頭を下げた。
「母上、早々に離れて申し訳ありませんでした。アンジェリカ嬢をお連れしました」
「構いませんよ。久しぶりですねアンジェリカ。息災そうで何よりです」
既に顔見知りだと!?あ、婚約者だから前に挨拶はしてるのかもしれない。
「お久しぶりでございます王妃様。本日もご機嫌麗しく」
俺の挨拶に王妃様の紅を引いた唇は弧を描き、麗しい笑顔を向けてくれた。そして王妃様を挟むように座っていた、レオナルド王子とコーデリア王女に視線を向けた。
「2人に会うのは初めてですね。2人とも挨拶を」
レオナルド王子とコーデリア王女はお初なんだな。それさえ分かればこっちのもんじゃい。
俺は2人に淑女の礼をすると、2人は立ち上がり礼を取ってくれた。
「レオナルド王子殿下、コーデリア王女殿下お初にお目にかかります。コンラード辺境伯が長女アンジェリカと申します」
「アンジェリカ嬢、お会いできて嬉しく思います。よく兄上からお話は伺っております」
「コーデリアですわ。初めましてアンジェリカ様」
大人びた笑みを浮かべたレオナルド王子に子供らしくニコッと笑ったコーデリア王女。
やっべえ可愛い!金髪碧眼の幼女は正義だ!目の保養だなとほんわかする。
レオナルド王子は瞳と髪の色が違うけどジョセフに似ている。ちょっとジョセフ幼くした色違いのジョセフのような感じだ……。
歳は俺の一つ下のはずだが、既に俺より少し身長が高い!なんか悔しいぞ。
だが、よく話聞いてるって何言ったんだこいつ?
横にいるジョセフを半目で見上げたが、にっこり微笑まれただけだった。
ムッとしたが王妃様の前で失礼になると顔を扇で少し隠して落ち着かせた後、俺はレオナルド王子に笑顔を向けた。
「ジョセフィード殿下がいつも私の事を何と言ってるのか気になります」
「え……えと……その、すごく可愛らしい方だと……」
レオナルド王子は少し顔を赤くして視線を逸らしてしまった。
「でも聞いていた通りとても可愛い方で…本当に天使が舞い降りたかと思ってしまいました」
お前もかレオナルド!!!!天使と言われるのはお兄様だけで十分だ!
しかし少し幼いジョセフと似た顔を頬を染めて、はにかむレオナルド王子はやばい。その顔で、そんな初心な反応はずるいと思う。まるでジョセフが照れてるみたいで、ときめいてしまったではないか。
つられて俺も頬が赤くなった。これが惚れた弱みというのか!
2人して照れてると隣から冷気が漂ってきた。顔をあげるとジョセフの機嫌が凄く悪い。
笑顔ではあるが、目は笑っていない。
ジョセフは俺の肩をぐっと引き寄せ、密着させて来る。
この場にいるだけで周りから注目を浴びている中でこれは、すっごく恥ずかしくて顔から火がでそうになるほど熱くなる。人前はやめてくれって前に言ったのに!しかも弟に焼きもちなんてカッコ悪いぞ!
でも、切なそうな顔を見ると何も言えなくなって、俺はそっと自分の肩に置かれたジョセフの手に手を重ねしょうがない奴だと見上げた。
そんな俺たちを見て、王妃様は面白いものが見れたと言わんばかりに微笑んだ。
「ふふ、仲が大変宜しい様で何よりです」
その言葉にハッとなった俺は逃げ出したい衝動を抑えながら真っ赤になった顔で苦笑いをした。
ジョセフも流石に母親の前で恥ずかしかったのか頬が赤くなって気まずい顔をしていた。
その後、お兄様が挨拶を終えてから、少し談笑してから俺たちは、王妃の前から下がった。
他の方も挨拶するために集まっていたし、いつまでも独占するわけにはいかない。
実際これ以上、一緒にいるとボロがでそうだったからな。
とりあえず、割り込んですみませんでしたー!!!!
王妃様は最後まで楽しそうに見ていたが気にしない!
コーデリア王女からは今度ちゃんとお話ししたいとお願いされ(もちろん即OKした)レオナルド王子も、その際はご一緒したいと頼まれました。
いくら王太子の婚約者と言えど、今は辺境伯令嬢の俺には王族の頼みは断れません。
ジョセフの不機嫌な視線から逃れたかった俺は癒しを求めて、そそくさとシアと合流しに向かったのだった。
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