アークの涙 -転移した者たちの戦争物語-

Usuta96

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第弐章 イグニス帝国編

開戦の狼煙

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「伊藤中将!」
「分かってます。敵は百数人、距離はまだかなり遠いですが走っているのですぐでしょう」
「いや、ものすごい速さで男が1人近づいているぞ」

カールの言う通りだった。その男は三門帝牙だった。
「よう伊藤。久しぶりだな?」
「なんの用よ。ここはこっちの領土よ?」
「戦争中の国々に国境もクソもあるかよ」
雷絶ボルテージストライク!!!」 

雷の広範囲攻撃だ。やはり彼は雷のアークエンジェルだった。

すかさず伊藤が攻撃を繰り出す。
哀衝撃エレジーショット!!」
音響の広範囲攻撃で相殺した。

だが、後ろから別の男が次の攻撃を出す
紅ノ彗星クリムゾンコメット
マグマの大きな塊が伊藤を襲った。

「俺のマグマのアークからは誰も逃げられねえ」
「モーガン、俺の獲物だぞ?邪魔すんじゃねえよ」
「いや、こいつは2人で確実にやるぞ」
かなりガタイのいい男だ。外国人のようだが、アメリカ人か?

「イグニス帝国のアークエンジェル、モーガン・アームストロングと三門帝牙です。」
「2人もいるのか。なかなかきついのう。」

「いやこいつは俺が最初に見つけたんだよ。早い者勝ちだぞ。他をわたれよ」
「…分かった。だが確実に仕留めろ」

伊藤響(2対1はかなりきついわ。それに対人戦は全く慣れていないのに…)

三門から次の攻撃がくる
雷武仕舞レイジングブラストォ!!!」
爪をかき立て空を裂いて雷撃を放った。

雷撃が伊藤に当たりそうになるが、直前で土煙と共に止められた
「だれだてめぇ!」
「…渉?」

「伊藤、立てるか?」
「えぇ。なんとかね」
「じゃあそっちのクリス・ヘムズワースやってくれ」
「わ、分かったわ。頑張ってみる。」

「久しぶりだな。三門帝牙。」
「やっぱイレギュラーはお前だったか、毘奈川渉!!」

いきなり挨拶代わりの直接攻撃が来た。やはりとんでもない速さだが、今の俺の光のアークなら戦える。


「女を殴る趣味はないんだが許してほしい。」
「殴られる趣味はあるようだから安心したわ。」

お互い遠距離から中距離の攻撃を放ち戦うが、モーガンが優勢のようだ。
(かなり強いわ。さすが本物のアークエンジェルね。でもここで負けるわけにはいかないのよ。)



「あの男、とんでもない強さですね。水天様、あの方は何者ですか?」
「昨日来たアークエンジェルじゃ。三門の雷のアークに対抗できるのは彼の光のアークだけじゃと思ってのう。連れてきて正解じゃわい。」
「これだと形勢逆転できますね」

「いや、たしかに純粋な近接戦闘においてはほぼ互角じゃ。スピードものう。じゃが、三門の方がパワーで上回っておる。渉くんはそれを分かっていて攻撃を受け流すか避けるだけになっておるがこのままでは…」


このままでは確実に負ける…
どうする、逃げるか。いや、そしたら伊藤たち王国軍は確実にやられる。兵は大型天獣討伐で疲弊しきっている。あるいは水天様なら…。いや、ここで大将首の姿を見せたら返ってよりまずい事態になりかねない。

ここはまず冷静になるんだ、。
頭を冷やして、脳の中の光を取り払え…。


《渉か?渉なのか?》


知らない男の声が聞こえたその時、反撃に繰り出した拳が三門の胸に大きなダメージを与えた。
その時、拳に光ではなく黒い靄《もや》が流れ纏っていることに気づいた。

これだ。三門も何か分かっていない。この黒い靄を全身に流して…

隕天の果実メテオロータス。お前の負けだ。降伏しろ。」
「見た目変わっただけなら衣装ケース行きやがれ!」
三門が雷を纏った鉤爪で再び攻撃しようとした。それを光のアークライトの力で受け流し、黒い靄のパワーで懐に蹴りを入れた。
直前でガードされたが、かなり入ったようで2m程飛んだ。

今確信した。この力は闇のアークだ。
光あるところにはやはり闇もあるのか、。

「だったらこっちも本腰入れてやんよクソ野郎!」
そう言うと、彼は腕を交差させ青い光を放った。

雷霆の獣ティタノマキアァ!」

獣のような鎧の青い光を纏っている。大きな尾と爪はまさに獣そのものだった。

凄まじいアークエナジーを直に感じる…
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