奴隷に恋しちゃった王子様

ファミリア王国

番とは

｢いや、あの、ねぇ？リリ」

｢そうですよ、ねぇ？ララ｣

｢なに？」




あたしは少しイライラしながら聞き返す。




｢これは決められていることなのです。自分より目上のものには必ず様付け、敬語で話せと」





あれだけ言っても引き下がらないとは…

なんて手強い…





｢なら、2人があたしのことまだ様付けで呼ぶなら、あたしここ出て行く」




そう言うと目ん玉を見開いた2人。




｢な、何を言っているんですか！？｣

｢そんなことをしたらルーク様が死んでしまいます！」




｢え、死？」




ガシッと両肩を2人に掴まれせりよられ後ずさる。




｢いやいや、そんなあたしが出て行ったくらいで死にはしないでしょ～」




2人の真剣な顔を止めさせようとわらってはなす。




｢違うの！！」

｢私たち獣人が番に出会える確率はゼロに等しいの！！だから…！」




壁に押さえつけられ、目の前を見ると、二匹の白い猫が涙をボロボロこぼしていた。