千枝のスマホダイアリー

みすずメイリン

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カラフルな4月

4月4日(金)20:17

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 今日は、書籍化された本の発表会があって、作家とか編集部や広報担当部、営業部とか、うちの取引先の会社の人たちとか、著者エージェントや何やらなどが、集まって、パーティーみたいなことがありました。
 あー、疲れた。

 今日は、そのパーティーに、著者エージェントであるお姉ちゃんの実果ちゃんも来ていて、自由時間に長話ししちゃった。
 お姉ちゃんとの会話を、実はあんまり聞いてなかったんだけど、その時、藤堂さんともう一人、広報担当部の人が一緒に話していた。
 藤堂さんは相変わらず、無愛想なんだけど、そのもう一人の男の人の方は、物腰が柔らかく、穏やかで紳士っぽくて、書籍の発表の時には、少しだけ司会もしていたことも、覚えてる。確か、広報担当部だったかな?
私と藤堂さんは、編集部だけど。
 その紳士っぽい男性の人が、藤堂さんに、こうにこやかに話しかけていたの。
「ここにいる女性陣は、全員可愛いじゃないか。こんなこと、普段はセクハラになるから大声で言えないけどさ」
「俺はそこまで思わんが。全員、別に可愛いってほどじゃないだろ」
「そんなことないだろ。見てみなよ、あの隼人の部下の隣にいる子、とても可愛いじゃないか。モテそうだよね」
「そうか? そこまでのことはないだろ」
「え? じゃあ、君の部下の方はどうなんだい?」
「別に。可愛くもないだろ。俺が評価するに値しない」
 はあ??
 感じ悪っ。
 ということで、彼らの会話の内容の方が、お姉ちゃんとの話より気になって耳に入っちゃった。お姉ちゃん、ごめんね。
 藤堂さんは、自分が男前だから、自分基準になってるんだ。きっと。
 私のお姉ちゃんは、美人だと小さい頃からもてはやされていて、女からの嫉妬によるいじめとか変な男からのストーカーとかそれなりに目の当たりにしているんですけど。
 あーはいはい。そんな私は、可愛くない。可愛くないですっと。
 
 そしたら、いきなりっていうほどでもないけど、自然にスッと自然に、さっきまで藤堂さんと話していた、穏やかで紳士的でお姉ちゃんのことを可愛いと、褒めてきた男の人が、お姉ちゃんと私の話に割り込んできた。
「あーちょっと、一緒に僕もお話しさせても良いかな?」
二人で「良いですよー」とにこやかに返事をしたら、自己紹介をしてくれた。
「僕は、広報担当部の近衛豊道このえとよみちです。君は、隼人の部下の……」
「ああ、私は、編集部の篠田千枝しのだちえといいます。藤堂さんの元で働いています」
「初めまして。私は、著者エージェントの篠田実果しのだみかです。この会社から見れば、私は外部の者ですが、本日、呼ばれまして」
 お互い、自己紹介が終わった後、仕事の話をしつつも、お姉ちゃんと私は、広報担当部の近衛さんとLIMEというすだちみたいなアイコンをした、チャットアプリを交換して、その後も話は続いた。
 
 近衛さんは、冗談口調で、とある方向に指を刺しながら、「あそこに無愛想に一人でいる男がいるでしょ? あの人は、編集部に所属している、中学生からの友達の、藤堂隼人なんだ」といって、お姉ちゃんは、別にどうもなく、ただ、「そうなんですねえ」といっただけだった。
 そして近衛さんが、「あの人が篠田さんの上司だよって、あ、どちらも今は篠田さんか。ハハハハハ」といっていた。
 なんか、近衛さんが藤堂さんと中学生からの友達とか意外だなぁ、と思いつつ、お姉ちゃんが、「あ、あの……、私も挨拶に行った方が良いでしょうか?」と近衛さんに聞くと、「そのうち、また編集部と仕事になるんだし、今は別に大丈夫だと思うよ」といった。

 うげえ。もう一つ、嫌なことを思い出したわ。広報担当部の近衛さんとお姉ちゃんと私で話し合っていたら、営業部の鬼頭巡が相変わらずのお仲間、しかも、私の所属している編集部の何人かを引き連れて、私たちの方を卑しい笑顔で、まるで嘲笑しているかのような感じで見てヒソヒソと何かを話しているところを見たわ。
 あーあ、せっかく楽しかったのになあ。

 なんやこんやで、仕事も終わりどこにも寄らずに、友達のおいち、りっちゃん、朱莉ちゃん、そして何故か友達? としている、ゆかりちゃんと夜ご飯を食べるために店に寄ったりもせず、そのまま、家に帰ってきた。
 あ、そういえば、明日、大学からのいつメンで、おいちが行きたがっていた博物館に行くんだっけ。だからか。
 明日に向けて、体力回復、英気を養わなきゃ。

 今日も鬼頭巡のグラムインスターを見ていないぞー。
 この調子だ、自分!
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