千枝のスマホダイアリー

みすずメイリン

文字の大きさ
13 / 131
カラフルな4月

4月28日(月)13:29

しおりを挟む
 今は、お昼休みで、社内食堂でぼっち飯をしていたところに、なんと、藤堂さんが、私に声をかけてきて、「一緒にご飯を食べないか」と誘われたから、藤堂さんは苦手だけど上司だし、仕方なく一緒にご飯を食べてあげた。
 意外にも、彼の食べ方の所作が綺麗で驚いたけどね。もっとガツガツ食べるものかと思っていたから。
 私は、藤堂さんに近衛さんとお姉ちゃんのことを聞いてみた。
 「そういえば、この前、広報担当部の近衛さんと初めて、話したのですが、藤堂さんと近衛さんって、中学生の頃から友達だったんですね」
「ああ、余計なことを篠田に吹き込みやがったな。あいつ」
「ものすごく、驚いていますね。あの時、著者エージェントの姉と話していたら、近衛さんが話しかけてきて、一緒に話していたので、その時に教えてもらったんです」
藤堂さんはぶっきらぼうな声色で、「ああ、そうだったな。俺は離れてその様子を見ていたけど」といった。
 そこで、私は藤堂さんに日頃の鬱憤を晴らすために、少し、意地悪なことをいってみた。
「そうでしたね。『あの場所には、姉以外の可愛い子なんていませんでした』もんね」
 私の意地悪に、意外にも藤堂さんは、少し落ち込んだ様子で、「ああ、すまなかったな。聞こえていたのか」と、謝ってきた。
 私も驚いた顔で、「上から目線で申し訳ないですけど、今、そういう女性への容姿のジャッジは、セクハラになりますもんね」と、言えることはいった。
 その後は、近衛さんとお姉ちゃんの恋バナを、藤堂さんとしたよ。
「君のお姉さんは、愛想が良すぎるね。誰でも惚れてしまうんじゃないか」と、藤堂さんにいわれたけれど、
「そんなことありませんよ。近衛さんと姉は、両想いだと思います」と、言い切った。
 だって、初めて近衛さんとお姉ちゃんが会った日、どういえば良いのかわからないけれど、二人は初対面からして良い二人だけの雰囲気を醸し出していたから。

 意外だなあと思ったことが、もう一つあって、今日、鬼頭巡の彼氏疑惑がある、同じ営業部でアイドルみたいなイケメンの影山和多留かげやまわたるさんが、ゴールデンウィーク中の今日、出勤していたことと、うちの編集部の女性の先輩と二人きりで親密そうにご飯を食べていた。
 あれ?鬼頭巡と一緒にハワイに行っていないのかな?と思いながら、その様子をチラッと見たら、影山さんと目が合っちゃった。やっば。気まずっ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

好きの手前と、さよならの向こう

茶ノ畑おーど
恋愛
数年前の失恋の痛みを抱えたまま、淡々と日々を過ごしていた社会人・中町ヒロト。 そんな彼の前に、不器用ながら真っすぐな後輩・明坂キリカが配属される。 小悪魔的な新人女子や、忘れられない元恋人も現れ、 ヒロトの平穏な日常は静かに崩れ、やがて過去と心の傷が再び揺らぎ始める――。 仕事と恋、すれ違いと再生。 交錯する想いの中で、彼は“本当に守りたいもの”を選び取れるのか。 ―――――― ※【20:30】の毎日更新になります。 ストーリーや展開等、色々と試行錯誤しながら執筆していますが、楽しんでいただけると嬉しいです。 不器用な大人たちに行く末を、温かく見守ってあげてください。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...