千枝のスマホダイアリー

みすずメイリン

文字の大きさ
14 / 131
カラフルな4月

4月29日(火)15:46

しおりを挟む
 今日は昭和の日ってことで、祝日。
 天気も良いから、服の洗濯とお風呂場の掃除をしていたら、ゆかりちゃんからLIMEがきた。
「今から、千枝ちゃん家に行っても良い?」
「部屋が汚いけど、いいよ」と返信した30分後ぐらいに、ゆかりちゃんがきた。
 相変わらず、何を考えているのかわからないし、ボーとしていて血圧がいつも低い人みたいなんだけど。

「いきなり、ごめん。暇だったから、きた」とゆかりちゃんはいって、私の部屋の床に体育座りをした。
「ごめんねえ。何もなくて。とりあえず、なんか飲む?」
私は、キッチンに行って冷蔵庫を開けようとしたら、「気を使わなくても良いよー」といわれたんだけど、あまっていたコーラがあったから、それをコップに注いで、ゆかりちゃんに渡した。
 いつものように何を考えているかわからない顔で、ゆかりちゃんは、コーラを飲み始めた。そして口を開いた。
「今日、ゴールデンウィークで繁忙期だったから、休日出勤したんだけど、つらくて早退してきた」
 なんと意外な。どう声をかければ良いのかわからないので、とりあえず、ちょっとしたお世辞をいった。
「ゆかりちゃん、何があったかは聞かないけれど、今日はゆっくりしてよ」
「うん。わかった。千枝ちゃんの本を読んでも良い?」
「いいよ」と返事したら、ゆかりちゃんは、何かエッセイ本を読み始めた。

 そして、お姉ちゃんも、私の家に来た。ゆかりちゃんは、驚いて、「こんにちは」と淡々と挨拶しただけだった。
 お姉ちゃんもゆかりちゃんに、「こんにちは。千枝がいつもお世話になっております」っていったんだけど、ゆかりちゃんは、「今は、私の方がお世話されてます」といった。
 お姉ちゃんは、どうやら仕事の都合で、参考になるような本を探しにきたらしい。
ついでに、チラッと近衛さんとのことも聞いてみた。
「お姉ちゃん、近衛さんとはどうなったのー?」
「え、近衛さんとは、単なる仕事仲間、取引先の人ってだけだよ」って、お姉ちゃんは焦りながら、若干頬を赤らめて甘い顔をしていたけど、近衛さんのことを聞いた直後に、本を持ち出して、「じゃあ、借りるね。ありがとう、千枝」といって、そそくさと出て行っちゃった。
 そんなお姉ちゃんの姿をみたゆかりちゃんは、「お姉さん、忙しそうだね」といって、本を閉じて、元の場所に戻して、「私も帰る。今日はありがとう」といって立ち上がって、帰ってしまった。
 一体、なんだったんだろう?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

好きの手前と、さよならの向こう

茶ノ畑おーど
恋愛
数年前の失恋の痛みを抱えたまま、淡々と日々を過ごしていた社会人・中町ヒロト。 そんな彼の前に、不器用ながら真っすぐな後輩・明坂キリカが配属される。 小悪魔的な新人女子や、忘れられない元恋人も現れ、 ヒロトの平穏な日常は静かに崩れ、やがて過去と心の傷が再び揺らぎ始める――。 仕事と恋、すれ違いと再生。 交錯する想いの中で、彼は“本当に守りたいもの”を選び取れるのか。 ―――――― ※【20:30】の毎日更新になります。 ストーリーや展開等、色々と試行錯誤しながら執筆していますが、楽しんでいただけると嬉しいです。 不器用な大人たちに行く末を、温かく見守ってあげてください。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...