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激動な11月
11月11日(火)22:22
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カンチが編集部を通ろうとするたびに、藤堂さんは、品定めするように、上から下を見てきて少し怖かった。威圧感丸出しでたまに怒る時があるから、怖いんだよねー。あの人。
カンチに対しては、なんとなくだけど、藤堂さんも嫌がっているみたい。彼が通って3回目の時に、困った顔をしてため息をついて、「一体、彼はどこの部署に所属なんだね?」と私に聞いてきた。
私はかなり嫌そうな顔をして、「何度か話しかけられたことがありますが、正直、生理的に無理すぎて、全く話を聞いてませんし、覚えてません」といったら、藤堂さんは、ちょっと笑い出して、「篠田も人のことを、そんな嫌そうな顔して話すんだな」と和らいだようにいってきた。
藤堂さんとのギクシャクした関係は、改善しつつあるかも。けど、以前のような関係ではないような気がする。なんであんなに苦手意識を持っていたんだろう? 私。
というか、男の人でさえ嫌がらせるカンチって、悪い意味ですごいなあ。
一人で休憩室に行ったら、影山さんがいた。うげえ。
私は、影山さんに一言挨拶して、座ってうつ伏せになって寝ようとしたら、影山さんが興味深々になって話しかけてきた。
「篠田ちゃん、あの藤堂に告白されたんでしょ?」
なぜ知っている?
「ええ、まあ。でも、いきなり告白されたとしても、気持ちの整理がついていないからわからないし、保留にしている状態で……」と正直に話したら、影山さんは、私の隣に座ってきた。え? 何? きもいきもいきもいって。
どうしよう。逃げられない。
「自分の上司からの告白を保留にするなんて、篠田ちゃんは悪い子だなあ」と笑顔でいってきた瞬間、タイミング悪くカンチも寄ってきた。
「篠田さん! 探しましたよ?! 誰なんですか?! その男は?!」といつも以上に大きい声を出してツバまで浴びせてきて、なんか、もう泣きそうだった。っていうか、私はお前の男じゃねーよ
そしたら、藤堂さんも休憩室にきて、「篠田、百地が呼んでいたぞ」と伝えにきてくれて、「はーい。了解でーす」といって、私はそそくさと立ち上がって藤堂さんの元へ走るように早歩きで近づいた。
その時、藤堂さんがイタズラっこみたいな表情で、「篠田はモテモテだなあ」といっていて可愛かったけれど、嬉しくねーよ。
百地さんからの呼び出しは、今週の金曜日の外回りの話だった。なんと著者エージェントのお姉ちゃんと作家さんも来る予定なんだって。
カンチに対しては、なんとなくだけど、藤堂さんも嫌がっているみたい。彼が通って3回目の時に、困った顔をしてため息をついて、「一体、彼はどこの部署に所属なんだね?」と私に聞いてきた。
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というか、男の人でさえ嫌がらせるカンチって、悪い意味ですごいなあ。
一人で休憩室に行ったら、影山さんがいた。うげえ。
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なぜ知っている?
「ええ、まあ。でも、いきなり告白されたとしても、気持ちの整理がついていないからわからないし、保留にしている状態で……」と正直に話したら、影山さんは、私の隣に座ってきた。え? 何? きもいきもいきもいって。
どうしよう。逃げられない。
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