千枝のスマホダイアリー

激動な１１月

１１月１４日（金）２３：２４

　今日は、藤堂さんと百地さんと約束していた、外回りの仕事で、著者エージェントのお姉ちゃんと、お姉ちゃんが担当している作家さんと、近衛さんと、カメラマンさんと一緒に仕事をすることになった。
　あと、今日は外回りだから、カンチがいなくてスッキリ。

　紅葉がとても綺麗で、完全に赤くなっている紅葉や緑から黄色へ、黄色から赤色へとグラデーションのように変色している紅葉も見られて、カメラマンさんが一生懸命、紅葉の写真を撮っていた。
　作家さんのリクエストで、紅葉を表紙にしたいんだとか。
　テーマは秋の恋だったみたいだから。いっちゃ悪いけど、秋＝紅葉は、正直、安直だなあ、と思ってしまったけどね。

　藤堂さんはぎこちなく、私に話しかけてきた。
「こうやって、篠田と紅葉を見れて嬉しいよ。秋の風物詩だからな」といわれ、私は照れて両手で頬を押さえて、俯いた。
「わ、私も、今回、百地さんに誘われて、藤堂さん達と仕事ができて良かったです。しかもこんな紅葉が綺麗な時期に」と返しておいた。
　ん？　あれ？　私達ってデキていたっけ？　まあ、いいや。

　百地さんと私は、お姉ちゃんが担当していた作家さんにインタビューしてみた。もしかしたら、良い特集、とくに来年の夏の終わり頃には出せるかもしれないと、思いついたから。

　そのインタビューの後は、私は、お姉ちゃんと少しだけ話した。
「影山さんだっけ？　あの人とはどうなったの？」
「お姉ちゃん、心配かけてごめんね。影山さんのことはどうでもよくなって、ついに愛想が尽きた感じかな。りっちゃんや朱莉ちゃん、ゆかりちゃんにおいちから全員反対されていたし」
　……お姉ちゃんは、藤堂さんが私に告白したことを知っているのかな？
「そっか。なら、良かった。影山さんのことは後悔してる？」
「後悔している部分かあ……。あんな人を好きになってしまったことぐらいしか後悔がなくて、もう体の関係にまで行かなかったことには、もう助かったーって感じ」
「そっかあ」とお姉ちゃんは、安堵したみたい。
「藤堂さんのことはどう思っているの？」
　うわ。案の定、質問された。そしたら、聞き耳を立てていたのか、百地さんが話に割って入ってきて、「あー私もそれ、気になるうー」とさらに聞いてきた。

　えーと、その後、退勤ギリギリの時間まで外回りしていたんだっけ。
　お姉ちゃん、お姉ちゃんの恋路のことは、いってくれないんだよねー。近衛さんとお姉ちゃんの仲に色々、しがらみがなさそうだけど。
　仕事中も、近衛さんとお姉ちゃんは良い雰囲気出していたし、藤堂さんに至っては、「豊道は、篠田のお姉さんのことは俺には伝えていなかったのか？」と逆に私に質問をしてきた。

　明日は、りっちゃんと朱莉ちゃんとおいちとゆかりちゃんと一緒に紅葉狩りに行くぞー。