討伐師〜ハンター〜

夏目 涼

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第37話

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コンコンっとドアがノックされる音が聞こえる。

オーロラは「どうぞ」と落ち着いた声で答える。
そして、キイィッと音を立てて部屋のドアが開く。

「あの…少しよろしいでしょうか」

メイド服の老婆がペコリとお辞儀をして部屋に入ってきた。
年齢からみると、メイド長なのだろう。動きにも無駄がなく動きが機敏だ。
ルイとオーロラには見えているがヴァルカスとヴィオラにはメイドの姿は見えていない。
しかし二人は慣れてきたのか、怖がる雰囲気ではないと空気を察したのか黙っていた。

「ライア…どうかしたの?」
「今日はオーロラ様に真実をお話しようと伺いました。是非皆様にもお聞きいただきたい」

ライアは3人の方に視線を向ける。

「わかりました。ヴァルカス、ヴィオラ…メイド長のライアさんが話あるって」
「お、おう。でも、声も聞こえないんじゃ聞けねぇけど…」
「私の手を握ってください」

オーロラが手を差し出した。
ヴァルカスとヴィオラはオーロラの手を見る。
怖いからではない…触ると折れそうなほど細いのだ。

優しくそっとヴァルカスとヴィオラはオーロラの手を触った。
するとさっきまでなにもいなかった…いや、見えなかった場所にライアの姿が現れた。これで二人にも姿が見えるし声も聞こえるようになった。
最初二人はライアの姿に驚いたが見えて逆に安心したのかすぐに話を聞く体勢になる。
それを見て、ライアは一呼吸おき話し出した。

「オーロラお嬢様…あなたがお眠りになって今100年経っています」

ライアの言葉にオーロラはもちろん、ルイたちも絶句した。

「…100年?」
「はい…。お嬢様は呪いをかけられました。15歳で死ぬという呪いです」
「な、なんで?」

オーロラは呪いをかけられたという現実を信じれないようだった。
それはそうだろう。自分が呪いにかけられたと聞いてあっさりと納得できるはずがない。

「それは…魔法使いのせいなのです。ご主人様と奥様は本当にオーロラ様がお生まれになってとても喜んでおられました。その時に、魔法使いを呼び、占いをさせることになったのです。街の魔法使いは13人いましたが、魔法使いをもてなす用の金の皿が12枚しかなかったのです。仕方なく1人の魔法使い以外の12人を招待し、お嬢様には徳、美、富を授けました。11人目の魔法使いが贈り物をしたあと、招待されなかった魔法使いが急にこの屋敷に現れ、招待されなかった報復としてお嬢様に呪いをかけていったのです。お嬢様が15歳になると紡ぎ車の錘が刺さって死ぬと言い残して。それを聞いてご主人様と奥様、私達城のものは大騒ぎするなか、12人目の魔法使いがまだ贈り物を渡してなかったので、呪いを消せないけれど、軽くはできるとオーロラ様に魔法をかけたのです。それがお嬢様は死ぬのではなく100年眠り続けて目を覚ますと。そんなことを起こさないためにご主人様はお屋敷中の紡ぎ車を処分させました」
「そんなことが…」

ルイはライアの話を聞き、思ったのが眠りの森の美女の話だ。向こうの…現実世界でよく聞く童話だ。
ここはその世界なのか?

「お嬢様はすくすくと育ち15歳になった頃です。ある時お嬢様の姿が見えず、私が探しているとこの屋敷の離で倒れているお嬢様を見つけました。そしてなぜかお嬢様の近くにお屋敷には無いはずの紡ぎ車があったのです。恐らく、13番目の魔法使いが用意してお嬢様に触らせたのだと思います。そして、お嬢様は眠りにつき、呪いも屋敷中に充満し、私達含め屋敷の者は眠りにつきました。しかし…100年経ちお嬢様の眠りは覚めましたが私達の眠りは覚めません。この実体の無い体なのがその証拠です。そしてお嬢様もこの部屋から出れない…。また13番目の魔法使いが何か呪いをかけたのではないかと思うのです」
「……だいたい状況はわかった。しかしよぉ…100年経ってるんだろ?その魔法使いも死んでるんじゃねぇの?最近まではこの屋敷も茨に囲われてて人は入れなかったし」
「しかし…こんなことができるのはその13番目の魔法使いしか思い浮かばないのです」

ルイは、1つ魔法使いが生きている方法に心当たりがあった。
そう…元の世界にその13番目の魔法使いがいた場合だ。
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