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甘えん坊 ※

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目を開けると、僕はアルに抱きしめられていた。ぐちゃぐちゃだった体やシーツは綺麗になっている。アルが綺麗にしてくれたみたいだ。
アルは既に起きていて、僕を見つめていた。


「ソラ、起きたか」
「アル…おはよう。……ふふっ」
「どうした?」
「起きた時に人が隣にいるのって変な感じだなって思って」


アルのぬくもりを感じられるのが嬉しくて、自然と顔が緩んでしまう。そんな僕を見てアルが愛おしそうに口付ける。
なんだか幸せってこういう事なのかもしれない。胸が温かくなって、勝手に笑みが零れる。
堪らなくなってアルにグリグリして甘える。


「俺の番は甘えん坊だな…」
「…甘えん坊はいや?」
「もっと甘えてくれ。愛する番の為ならなんでもやってやる」
「僕ダメ人間になっちゃうかも…?」
「ふっ、大歓迎だ」


とにかく番を甘やかしたいのが獣人というものなのか。他の種族もそうなのかな?アルが甘やかし上手なせいで出会って1日しか経っていないのに僕はベッタリになってしまっている。
しばらくしたら僕、筋力が落ちて歩けなくなってたりして……怖い。アルには悪いが甘えすぎないようにしておこう。


「今日もお仕事に行かなくていいの?」
「今までも何日か行かないことはあったが、最近は毎日顔を出していたから…行った方がいいかもしれないな。でも、ソラを置いていく訳にはいかない」


アルは出かけるなら僕を置いていくつもりみたいだ。残念。


「ねぇ、冒険者ってギルドに行くの?」
「ん?ああ、もちろんギルドには行くが…?」
「そうなんだ…!」


冒険者のイメージとして出てくるのはやっぱりギルド。依頼が来ていたり、冒険者がいっぱいいたりして…


「僕、ついて行ったらダメ?」
「ダメじゃないが……あんまり番を他の奴らに見せたくはないな」
「そっか…」
「そんなに行きたかったのか?」
「アルが嫌なら無理に行きたいとは言わないけど…少し見てみたいなって」
「ギルドを見た事がないのか……フード付きのマントを被って、俺から離れないなら………」
「分かった!」


アルがギルドに行くことを許してくれた。マントで顔を隠して欲しいと言っているくらいだから本当に他の人に僕を見せたくないんだな…
それでも僕が行きたいと言ったから渋々許してくれたんだ。ちゃんと僕のことも考えてくれる優しいところにときめいてしまう。


「アル、ちょっとしゃがんで?」
「ん?」
「ありがとう」


アルに感謝の気持ちを伝えたくて、喜んでくれるかは分からないけれど、アルのほっぺにちゅっとキスをしたら勢い良く抱きつかれた。


「ますます外に出したくなくなる……」


何か言っていたが、声が小さくて聞こえない。しっぽはブンブンと激しく揺れていたので喜んではもらえたようだ。ちょっとわざとらしかったかもって恥ずかしくなったけれど良かった。


「ソラ…ソラ……」
「え、ちょっとアル!?」
「すまない…」
「あ、やぁ♡…もう、昨日したのに……ん♡まだ朝だし…」
「ソラが可愛すぎるから…許してくれ」


アルが言い訳をしながら服を脱がせてくる。抵抗してもただの高校生が異世界の冒険者様に勝てる訳もなく……


「あぁっ♡アル♡♡浅いとこだめ……ね?お願い…」
「ん…」
「んぅっ!ああぁ♡♡はぅっ♡深いのもっ♡だめっ!」
「ソラ、痛くないか」
「止まって♡止まってぇ♡♡痛くないから♡♡♡ああっ!」


どんなにお願いしてもアルは止まってくれなくて、結局僕はまた気を失っていたらしい。いくら愛しているからといって抱き潰すのは良くない。
お説教をしたらアルは申し訳なさそうな顔はしていたけれど……反省しているのかは分からない。


それから2人でかなり遅い朝ごはんを食べて、アルが僕に着せる用のマントを探し出してきた。アルが子供の頃に買ってもらったがほとんど使っていなかったものらしく、ずっとマジックバックという特別なバックに入れていたらしく、新品同様に綺麗だった。

フードを被ってみるとすっぽりと覆われて顔が全く見えなくなった。
僕の視界もかなり遮られるけど、アルが抱えて移動してくれると言うので地面しか見えないなんてことはないだろう。あとはのぞき込まれないようにするだけだ。


「これでいい?」
「ああ」
「じゃあ出発!」


そうして僕はアルに抱えられて、ギルドに向かってアルの家を出た。






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