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出発
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今日はイーゼルという街に出発の日。あの後アルからイーゼルについて教えてもらった。
イーゼルというのは、海があって海産物で有名だそうだ。僕たちが住んでいる街はラスロという街らしく、イーゼルはラスロからはあまり遠くない上に治安も良いので今回の旅先に選んだらしい。
まずはニコラスさんに報告をするため、ギルドに行く。
今日は早い時間に来たから、前よりも人がたくさんいる。Sランク冒険者のアルと一緒にいるからか、色んな人に見られている気がする。
アルがアリスさんのカウンターに向かって行く。
「あら、アルさん、ソラさんこんにちは。その格好は…どこかに行かれるんですか?」
「ああ。これからちょっとイーゼルまで行こうと思ってな。すぐ帰っては来るが、一応ニコラスに相談するために来たんだ」
「そうだったんですね。ではギルドマスターを呼んでくるので、少し待っていてください」
アルと一緒にカウンターから離れようとした、その時。奥の部屋からアルを呼ぶ、高い女性の声がした。
「待って、アル!」
振り返るとそこに居たのは綺麗な女の人。アリスさんとは違うタイプの美人で、スタイルがとってもいい。
アルのことを呼んでいたけれど、知り合いかな?
そう思ってアルの顔を見ると、眉を寄せて、本当に嫌そうな顔をしていた。
「ねぇ、また旅に出るって本当?私寂しいわ、行かないで!」
「お前が寂しいなんてのは俺には全く関係ない」
「ひどい!……ねぇ、あんた誰?邪魔しないで、私のアルから離れてくれる?」
アルのそばにいた僕は、目をうるうるさせていた彼女にいきなり睨まれ、肩を揺らす。アルが僕を庇うように立ってくれたが、彼女はそれが気に食わなかったようだ。
「アル、ねぇ、そいつなんなの?」
「…………」
「ねぇ、アルってば!」
「……………俺の運命の番だ」
「は?そんな奴がアルの番なの?どういうこと!?私がいるでしょう!?ああ、きっと運命の番だからといって無理やりそいつに迫られているんでしょう?……ふふっ、フードなんて被って、よっぽど不細工なんでしょうね!アル、可哀想に…ほら、私の方がそいつなんかよりも……」
「黙れ」
番だと聞いて僕を罵倒する彼女に、アルがキレた。
アルが彼女に向かって放った炎が彼女の頬を掠め、髪の毛を焦がした。
「キャーーー!な…何てことするの…?ギルド内での魔法は禁止されているわ!知っているでしょう!」
「おいリア、もう黙れ」
「っ!ギルドマスター…」
彼女が甲高い声で喚いていると、ニコラスさんが止めに入った。彼女がリアさんだったらしい。確かに…美人さんなんだけど強烈な感じだ。アリスさんとアルが気を付けるように言ったのも分かる気がする。
「運命の番を侮辱するなんて、殺されても何もおかしくなかったんだ。今回はお前が悪い。アルとソラに謝れ」
「そんなっ!だって…」
「はぁ…もういい、そんなに言うならお前は今日でクビだ。今まではアルに番がいなかったからと目をつぶってきたが、もうダメだ。すぐに出ていけ」
「え……ギルドマスター!ご、ごめんなさい!お願いです、クビだけは!」
「アル、俺に会いに来たんだろ?」
「…ああ」
「ギルド長室で話そう」
「待ってください!ギルドマスター!」
縋り付くリアさんをニコラスさんは無視して3階の部屋に向かう。ギルドの中にいた人たちも、人間だけでなく色んな種族の人がいたからか、番を馬鹿にするような発言をした彼女から距離を取り、冷ややかな目で見ていた。
「2人とも、すまなかった」
「ニコラスさん、顔を上げてください!」
「本当に申し訳ない。前からリアがアルに付きまとっているのは知っていたが、番までバカにするとは思わなかったんだ」
ニコラスさんが、部屋に入った瞬間に勢いよく頭を下げて謝罪をしてきた。
別に僕はリアさんに言われた事は気にしていないし、むしろアルみたいな人と僕が釣り合うとも思っていない。
彼女の方がよっぽどアルとお似合いだと思う。……そんなこと言ったらアルに怒られそうだけど。
「僕は全然大丈夫ですから……!」
「あの女を殺してやりたいところだが、それはソラが望まないだろう。俺もギルドの中で魔法を使ってしまったしな」
「あれは当たり前の反応だ。ギルドに被害も出ていないし、お前は何も悪くない」
「じゃあ、この話はここで終わりだ。早く出発しなければいけない」
「ああ、ありがとう。結局、冒険者になるのか?」
「今回は試しにイーゼルまで行くだけだ。一度帰ってくる。上手く行けば、冒険者としてソラを登録してもらう」
「分かった。もう行くのか?」
「はい。すぐ出発する予定です」
「気を付けるんだぞ。アルがいてもなるべく慎重に動け。なにがあるかは誰にも分からないからな」
「はい!分かりました!」
「よし、それじゃあ行ってこい。無事に帰ってこいよ」
ニコラスさんの部屋から出て1階に降りると、リアさんはもう居なくなっていて、冒険者の人たちも少なくなっていた。
「ソラさん、気を付けて行ってきてください」
「はい!ニコラスさん、アリスさん、行ってきます!」
ニコラスさんとアリスさんに見送られて、僕とアルはラスロの街を出た。
いろいろあったけれど、ようやく出発だ!これからアルと旅に出るんだと思うととってもワクワクする。どんなことが起こるだろう?アルと一緒に色んなところを回れたらもっと楽しいんだろうな。今回の旅で、これからも旅を続けても大丈夫だって思ってもらえるように足でまといにならないように頑張ろう!
イーゼルというのは、海があって海産物で有名だそうだ。僕たちが住んでいる街はラスロという街らしく、イーゼルはラスロからはあまり遠くない上に治安も良いので今回の旅先に選んだらしい。
まずはニコラスさんに報告をするため、ギルドに行く。
今日は早い時間に来たから、前よりも人がたくさんいる。Sランク冒険者のアルと一緒にいるからか、色んな人に見られている気がする。
アルがアリスさんのカウンターに向かって行く。
「あら、アルさん、ソラさんこんにちは。その格好は…どこかに行かれるんですか?」
「ああ。これからちょっとイーゼルまで行こうと思ってな。すぐ帰っては来るが、一応ニコラスに相談するために来たんだ」
「そうだったんですね。ではギルドマスターを呼んでくるので、少し待っていてください」
アルと一緒にカウンターから離れようとした、その時。奥の部屋からアルを呼ぶ、高い女性の声がした。
「待って、アル!」
振り返るとそこに居たのは綺麗な女の人。アリスさんとは違うタイプの美人で、スタイルがとってもいい。
アルのことを呼んでいたけれど、知り合いかな?
そう思ってアルの顔を見ると、眉を寄せて、本当に嫌そうな顔をしていた。
「ねぇ、また旅に出るって本当?私寂しいわ、行かないで!」
「お前が寂しいなんてのは俺には全く関係ない」
「ひどい!……ねぇ、あんた誰?邪魔しないで、私のアルから離れてくれる?」
アルのそばにいた僕は、目をうるうるさせていた彼女にいきなり睨まれ、肩を揺らす。アルが僕を庇うように立ってくれたが、彼女はそれが気に食わなかったようだ。
「アル、ねぇ、そいつなんなの?」
「…………」
「ねぇ、アルってば!」
「……………俺の運命の番だ」
「は?そんな奴がアルの番なの?どういうこと!?私がいるでしょう!?ああ、きっと運命の番だからといって無理やりそいつに迫られているんでしょう?……ふふっ、フードなんて被って、よっぽど不細工なんでしょうね!アル、可哀想に…ほら、私の方がそいつなんかよりも……」
「黙れ」
番だと聞いて僕を罵倒する彼女に、アルがキレた。
アルが彼女に向かって放った炎が彼女の頬を掠め、髪の毛を焦がした。
「キャーーー!な…何てことするの…?ギルド内での魔法は禁止されているわ!知っているでしょう!」
「おいリア、もう黙れ」
「っ!ギルドマスター…」
彼女が甲高い声で喚いていると、ニコラスさんが止めに入った。彼女がリアさんだったらしい。確かに…美人さんなんだけど強烈な感じだ。アリスさんとアルが気を付けるように言ったのも分かる気がする。
「運命の番を侮辱するなんて、殺されても何もおかしくなかったんだ。今回はお前が悪い。アルとソラに謝れ」
「そんなっ!だって…」
「はぁ…もういい、そんなに言うならお前は今日でクビだ。今まではアルに番がいなかったからと目をつぶってきたが、もうダメだ。すぐに出ていけ」
「え……ギルドマスター!ご、ごめんなさい!お願いです、クビだけは!」
「アル、俺に会いに来たんだろ?」
「…ああ」
「ギルド長室で話そう」
「待ってください!ギルドマスター!」
縋り付くリアさんをニコラスさんは無視して3階の部屋に向かう。ギルドの中にいた人たちも、人間だけでなく色んな種族の人がいたからか、番を馬鹿にするような発言をした彼女から距離を取り、冷ややかな目で見ていた。
「2人とも、すまなかった」
「ニコラスさん、顔を上げてください!」
「本当に申し訳ない。前からリアがアルに付きまとっているのは知っていたが、番までバカにするとは思わなかったんだ」
ニコラスさんが、部屋に入った瞬間に勢いよく頭を下げて謝罪をしてきた。
別に僕はリアさんに言われた事は気にしていないし、むしろアルみたいな人と僕が釣り合うとも思っていない。
彼女の方がよっぽどアルとお似合いだと思う。……そんなこと言ったらアルに怒られそうだけど。
「僕は全然大丈夫ですから……!」
「あの女を殺してやりたいところだが、それはソラが望まないだろう。俺もギルドの中で魔法を使ってしまったしな」
「あれは当たり前の反応だ。ギルドに被害も出ていないし、お前は何も悪くない」
「じゃあ、この話はここで終わりだ。早く出発しなければいけない」
「ああ、ありがとう。結局、冒険者になるのか?」
「今回は試しにイーゼルまで行くだけだ。一度帰ってくる。上手く行けば、冒険者としてソラを登録してもらう」
「分かった。もう行くのか?」
「はい。すぐ出発する予定です」
「気を付けるんだぞ。アルがいてもなるべく慎重に動け。なにがあるかは誰にも分からないからな」
「はい!分かりました!」
「よし、それじゃあ行ってこい。無事に帰ってこいよ」
ニコラスさんの部屋から出て1階に降りると、リアさんはもう居なくなっていて、冒険者の人たちも少なくなっていた。
「ソラさん、気を付けて行ってきてください」
「はい!ニコラスさん、アリスさん、行ってきます!」
ニコラスさんとアリスさんに見送られて、僕とアルはラスロの街を出た。
いろいろあったけれど、ようやく出発だ!これからアルと旅に出るんだと思うととってもワクワクする。どんなことが起こるだろう?アルと一緒に色んなところを回れたらもっと楽しいんだろうな。今回の旅で、これからも旅を続けても大丈夫だって思ってもらえるように足でまといにならないように頑張ろう!
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