運命の番と僕の出会いのお話。

はっぱ

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魔法の属性

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ラスロの街の門を抜けて森の方へアルと向かっていた僕は、景色に驚いていた。高い建物はなく、街から離れるとあまり家がないようで、目の前には大自然が広がっていた。
テレビでしか見たことないような光景だ。アルに初めて会った時は寝てしまったし、夜だったので街の外を見るのは新鮮な感じがする。


「すご……」
「ん?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
「そうか?」


思わず呟いてしまったがアルにとっては当たり前のことなんだ。この世界の人があっちの世界の景色を見たらどう思うんだろう……?
アルとおしゃべりしながら歩いていくと歩きやすかった道がだんだんとボコボコになってきて、周りの景色も変わってきた。


「うわっ」
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」


つまづいて転びそうになった僕をアルが支えてくれる。また転んだら転生したりして……そこまで考えてやめた。この世界でもなく、僕が生まれた世界でもない違う世界に行くかもしれないなんて、考えたくない。
黙り込んでしまった僕を覗き込んでアルが心配してくれる。


「ソラ、本当に大丈夫か?少し顔色が悪いぞ?」
「大丈夫だよ……アル、僕のそばにいてね?」
「もちろんだ。不安になったのか?」
「ちょっとね?アルがいてくれたら大丈夫」


安心させるようにアルに笑いかけるとよしよしと頭を撫でられる。優しく撫でてくれるアルの手が大好きだ。アルとくっついているといい匂いがするし。


「アルっていい匂いするよね」
「どんな匂いだ?」
「うーん、ハーブみたいな……でも嗅いだことのないような…上手く言えないや。でも嗅いでいると安心するんだ。初めてアルと会った時も、その匂いがあったから眠っちゃったんだと思うよ」
「思い当たる事といえば運命の番の香りだが…獣人である俺はともかく、ソラは人間だから匂いを感じたり番が分かったりはしないはずだな……」
「僕からも匂いがするの?」
「ちょっと甘くて優しい、いい匂いだ。抱いた時はもっと甘い匂いになっていたが…」
「ばか!」


ニヤニヤしながら言ってくるアルを睨んでやる。


「人間は番が分からないから、もっと拒絶されると思ってたんだ。襲ってしまったことはすまないと思っている」
「……それはいいけど…」


そんなことを考えていたんだ。あんまり記憶がないけど僕も誘った気がするからあんまり言えない。


「僕、アルが僕の番で良かったよ」
「俺もソラが俺の番で本当に良かったと思う。愛してるよ」
「うぅ…こ、この話は後でね!」


僕は勇気を出して言ったのに堂々と言ってくるアルに僕の方が恥ずかしくなってしまった。今は2人きりだからフードを被っていなかったけど、顔を隠すために深くフードを被ったらアルに笑われた。
 


「そろそろ森だな」
「どんな魔物がいるの?」
「基本的にはゴブリンやオークなんかだな」
「オークって僕が襲われたやつ……」
「守ってやるから安心しろ」 
「ふふっ、ありがとう。あ、そうだ。僕も魔法が使えるようになりたかったんだ」


アルが魔物にやられるなんて考えてないけど、足でまといにはなりたくない。  


「……ソラがなんの魔法に適正があるのか確かめないといけないな」
「簡単に調べられる?」
「ほとんどの人は教会なんかで調べてもらうんだが…上手く行けば大体は分かると思う」


魔法を使えるようになりたいと言ったら少し驚いたような顔をしていたけれど教えてくれた。
やっぱり魔法を使えない人はこの世界では珍しいみたいだ。アルは僕に気を使って聞かないでくれたんだろう。


「アルの適正は?」
「俺は適正が2種類あって、火と風だな。風魔法を上手く使えば火魔法を強化することができるんだ」


普通の人は適正が1つしかないのかな。ということは、魔法を組み合わせることでさらに強い魔法を使えることがアルの魔法の強みなのかもしれない。


「この旅のうちに使えるようになるかな?」
「歩きながらちょっとやってみるか。まずは…イメージだ。指先から火が出るように頭の中で考えてみろ」
「うーん…」


アルがやって見せてくれるけれどどんなに頑張っても僕の指先から炎は出ない。


「火魔法の適正は無いかもしれないな。じゃあ次は風だ。手から風が出るように。できるか?」
「…できないかも」


僕が下手なのか適正がないのかはここでは分からないけれど、やっぱり魔法は使えない。
それから水や、地面に触れて土なんかも試してみたけれどダメだった。
唯一使えたのは生活魔法。体を綺麗にしたり、乾かしたりできる属性のない魔法らしい。魔法が使えるのは嬉しいけどやっぱり攻撃魔法が使えるようになりたい。


「どうして…」
「まぁ、何にも適性がないなんてことは無いだろうから、帰ったら教会に行って調べてもらおう」
「うん……」


アルとお昼を食べた後もまともに魔法が使えないまま、日が暮れてきてしまった。ゴブリンも出たけれどアルが倒してくれて、ますます僕も魔法が使えるようになりたいと思った。冒険者になるなら全く戦えないなんてのはだめだと思うから。


「ここら辺でそろそろ休もう。今日は街で買った肉を食べようか」


アルが少し開けた場所でキラキラした宝石のようなものをバックから取り出して設置した後、テントを広げてくれる。


「それ何?」
「これは魔物除けの魔道具だ。これがあると魔物が寄ってこない」
「すごい!便利だね」
「これがあれば夜番をしなくても大丈夫だ」
「へぇ…」


キラキラと光を放つ魔物除けを見つめる。キラキラと淡く光っていて、これを置いているだけでま物が来なくなるなんてすごいな。
そのうちにアルが魔法で素早く火を起こしてくれて、肉を焼いている。こんなことにも使える火魔法って便利だ。水魔法も旅をするとなったら便利かもしれない。
異世界から来たから魔法が使えないとかあるかな…?そうなったら冒険者は諦めた方がいいかもしれない。
パンと肉を食べて、テントの中に入って寝る準備をする。


「ソラ、おいで」


アルが手を伸ばしてくるから、生活魔法で体を綺麗にしてから抱きつくとアルが僕の体を触ってくる。


「もう!アル、なに?」
「さっきの話の続き、な?」
「さっき?」
「ソラが俺の番でよかったって話だ。ほら、愛してるの返事は?」
「っ!……………僕も………愛してる…」


とっても小さな声だったけれどアルの耳にはちゃんと聞こえたみたいだ。
アルの手が服の中入ってくる。


「アル!ダメ!外だよ!」
「んー」
「誤魔化さないで!うわぁっ」
「ソラ……」






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