1度だけ

涼

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知ってた

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うちの夫は家庭思いで子供たちと遊んだり家事も手伝ってくれる良い夫だ。

ただ、少しだけ、ほんの少しだけそんな良い夫にも欠点がある。
本当はほんの少しではないのかもしれない。ただ私がほんの少しだけの欠点だと思いたいだけかもしれないけど……

うちの夫の欠点は1つ
仕事は出来、後輩の面倒見もいい。それだけならいいのに、自分を頼ってくれる可愛い後輩には最終的に強く言えず、慕ってくれる可愛い後輩から簡単にその子のことを好きなのだと思い込んでる節がある。
所謂一部の子に惚れやすい浮気者な夫だ

子供たちが寝静まった時にどこか堅い表情をして、リビングのＬ字ソファに座っていた。
そんな夫を心配し隣に座ると、夫は決意が固まったかのように私に目を合わせすぐにソファからおり床に膝をついた。

「えっ、どうしたの？」

それに合わせて慌てて私も夫の前に座った。

「……すまん」

その一言を言うやいなや私に頭を下げた。

「俺と、俺と……離婚してくれ」

「……突然どうしたの？」

「俺は、俺はまたお前を裏切ってしまった。」

「裏切ったって……浮気したってこと？」

「あぁ」

「ねぇ、頭を上げてちゃんと私の目見ながら言って？」

顔を上げ今度は顔を上げ私の目を見て話してくれた。
後輩の子と関係を持ったこと、来年度から転勤の辞令が出てることを

「それで、どうして離婚してくれって言ったの？私や子供たちのことどうでも良くなったってことなの……それともその子との間に子供が？」

「いや、そうじゃない！」

「じゃー……私を愛してくれないってこと？」

「君を今でも愛してるよ」

惚れた弱みだろうか、夫の真剣な目をして言われたらなんでも許してしまう。浮気されたのも結婚してからは初めてだったけど過去にも浮気された。その時も私は許していた。

「そう、ならその子ことが好きになったの？」

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