【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第五章 落ち着くのは

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「俺が納得できるように説明しろ。何で柚希をここへ連れてきた。」

「亀がきたいゆーたんや。お前を探すんやって聞かんから渋々。」

「そんな理由で連れてきていい場所じゃねぇの知ってんだろ。何かあったらどう責任取るつもりなんだよ。」

「それは互いに了承の上や。つかそもそも、お前がアカンのんやないんか。誰のせいでここに亀連れて来る羽目になったと思うとんや。お前が理性保っとったら亀は傷つかなけりゃこんなとこに来ることもなかったし知ることもなかった。お前が亀傷つけてこんなとこに逃げてきたからやろ。それを俺のせいにすんなや。これ離せや。胸糞悪い。」

颯斗の腕を掴み返し、亮が睨み上げれば颯斗は意外とすんなり手を離した。

「智、帰るど。颯斗、お前は責任持って亀を連れて帰れ。じゃあな。」

「は?ふざけんなっ。お前が連れてきたなら連れて帰れよ!」

「だーれがそんな荷物連れて帰るか。お前が拾ってきたんやろ、責任持てや。」

亮は吐き捨てるように言い、さっさとバイクに乗って智くんとともに帰ってしまった。
俺はイラついている颯斗と2人きりになってしまう。

「俺、ここから歩いて帰れないよ。連れて帰ってくれないと。」

「んでこんなことになんだよ・・・。」

颯斗は吐き捨てるように呟いたが、先ほどの怒りは嘘かのように落ち着き、むしろ気分は沈み気味のようにも見える。

「とりあえず、場所変えるぞ。ここは危ねぇから。」

そう言って颯斗は自分のバイクを押して歩いて移動を始める。
乗れば直ぐなのにと思いながら、俺はその後ろを素直についていった。

5分ほど歩けば近くの小さな公園に辿り着き、現在は深夜2時を過ぎた時間もあってそこには誰もいなかった。
颯斗はバイクを入り口に止め、入って直ぐのところにあったベンチに腰掛けた。
だから俺もそれに習って隣に腰掛ける。

「あそこに、何しに来たんだ。危ねぇって言われただろ。」

先ほど亮に問いかけたことを、同様に俺に聞いてくる。
きっと亮が嘘を言っていると考えたのだろう。

「颯斗を探しに。あそこにいるだろうって2人が言ってたから。」

「何で態々?危険を冒してまで?」

「颯斗と話がしたかったから。今、颯斗と話さないとダメな気がして。」

「それなら、家でも良かっただろ。俺ももう直帰るところだった。」

「颯斗が、帰ってこない気がして。明日になったら多分、京介たちが迎えに来る。それまで俺の前に現れない気がしたから。」

それに颯斗は図星を突かれたのか言葉は返ってこなかった。
小さな公園には外灯がひとつしかなく、颯斗の表情は暗がりになってよく見えない。
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