【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

文字の大きさ
152 / 261
第五章 落ち着くのは

152

しおりを挟む
「もうこんな時間だし、寝て帰るか。授業午前だけだし、サボってもいいだろ?」

体を拭きながら颯斗は欠伸をしており、壁掛けの時計を見ればもう6時を回ろうとしている時間だった。
流石の俺も疲れ果てている。
これから学校に行くのはしんどいかもしれない。

だから俺はそれを了承し、京介たちが心配してはいけないので一言連絡を入れて、ベッドの上で颯斗に腰をマッサージしてもらいながら、俺は颯斗の携帯を触らせてもらっていた。

友達が少ない俺の連絡帳に入っている人は高が知れており、それに慣れているので、スクロールしてもなかなか終わりに辿り着かない颯斗の連絡帳は煩雑し過ぎていて、セフレがどれなのかもよく分からない。
この繋がりの多さだけで、ストリートでどのような生活を送っていたのか少し伝わってくるようだった。

「多すぎて分からないよ。仕分けてたりしないの?」

「そんな面倒なことしねぇよ。どこどこの女って書いてあるだろ。それがそうたよ。」

大概名前がちゃんと書かれている中、お店の名前や場所の名前の後に女と書かれている連絡先が沢山あったが、どうやらセフレの登録は人の名前ではないらしい。
何とも独特な人である。

「何でそんな登録の仕方にしたの?」

「普通に女の名前は覚えらんねぇから。出会った場所と見た目で覚えてんだよ。」

どうやら颯斗の中で女の人は覚えるに値しない人のようだ。
男尊女卑もいいところだが、それをわざわざ咎めるつもりもない。
ただ何十も居そうなセフレを選別しながら消していくのは、あまりにも手間で骨が折れそうな作業だった。

「他の人も間違えて消しそうだからもういい。掛けないでいてくれれば。」

「かけねぇよ。かかってきたらその都度消していくよ。それでもいいか?」

実際のところは、そうやって気にかけてくれるだけで十分である。
性に奔放であっても、きっと浮気をするような人ではないから。

「その辺は任せるよ。それより、颯斗と付き合うって京介たちに言った方がいいのかな。トップ争いのこともあるし、黙っといた方がいい?」

「柚希の好きにしたらいいよ。言いたくないなら言わなきゃいいし、言おうと思えば言ってもいい。トップ争いに色恋沙汰は関係ねぇから。柚希の恋人だろうがあいつは俺に挑んでくるし、俺だって手加減はしねぇ。俺は智たちには言うつもり。色々手回ししてもらったりすることもあるだろうし。」

「京介たちに気持ち悪がられたりしないかな?」

「さぁ?そこまでは俺のダチじゃねぇから分かんねぇな。柚希が不安に思うなら、黙っててもいいんじゃない?どうせトップの決着がつくまでは学校じゃあんまり関われねぇし、遊ぶのも放課後だしな。ダチって言ってしまえばそれまでだし。柚希に任せる。」

俺はそれに少し悩みつつも、本人達を目の前にして何か言うタイミングがあったらにしようと考えに至った。
楽になるまでマッサージしてもらえばいつものように抱き合って布団に潜り込み、俺達は疲労から直ぐに眠りに落ちていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

処理中です...