【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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最終章 人生最大の反抗

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俺は意を決して実家の玄関扉を開けた。
今は深夜3時ごろ。
いつもなら両親はとっくの当に就寝しているはずなのだが、外から光が漏れていたがリビングに電気がついており、俺らが玄関扉を開けた音を聞きつけて二人が奥から出てきた。

きっと、俺たちがこの周辺に帰ってきたと連絡が入っていたのだろう。
何かあったときにすぐ出向けるように待っていたのかもしれない。

玄関に俺の姿を捉えると、父親は怒りに満ちた顔をして傍に寄ってきて、大きく手をふりかぶった。
俺は殴られると思ってとっさに目を瞑って体を硬くする。
しかし、俺の頬に痛みは走らなかった。
そっと目を開けて確認すると、颯斗が親父の腕をつかんで止めてくれていた。

「親が子供に手を上げるとかどうかと思うぜ。おまけにお前警察だろ。聞いて呆れるわ。」

「誘拐犯に倫理性を説かれる筋合いはない。今すぐ本庁に連絡しなさい。」

「いい加減にしろよ!」

俺は父親の命令に従ってリビングに戻って電話をかけようとした母親を止めるように声を荒げた。
親に声を上げたのは初めてだった。
でも、こんなスタートダッシュだからこそ、勇気が持てた。

「颯斗、ありがと。」

親の手を止めてくれていた颯斗に手を沿え、離すように促す。

「誘拐犯だなんて、よく言えるよね。俺が自分で出て行ったこと知ってるくせに。」

「それがなくても不法侵入だ。立派な犯罪だ。」

「親が子供の自由を奪って言うことを聞かせるのは虐待じゃないの?家から出すなって監禁じゃないの?それも犯罪じゃない?」

「何が犯罪だ。嫌なら嫌だといえばいい話だろう。言わずに犯罪を主張するな。強要はしていない。」

「笑わせないでよ。嫌だと言わせない環境を作ってたのはそっちだろ。はいしか言わせなかったくせに、反抗すればいいだなんてよく言えるよな。」

「親に向かってなんて口を利いている。」

「だからなんだよ。強要はしてないだなんてよく言えるよ。いつでもどんな時でもあれしろこれしろ、あれはするなこれはするな、全部命令してきたくせに。俺が中学生の時、同級生と喧嘩して殴った時、あんたなんて言ったよ?警視総監の息子ともあろうものが殴るなんて言語道断って言ったよな、我慢しろって。あの時、俺がどんな目に遭ってたか知ってんのか?」

「子供同士の喧嘩に親が立ち入るもんじゃない。」

「それだよ、その態度。全部を決め付けて全てを知っているような態度。あの時、俺が虐められてたの知ってた?物を壊され盗まれ捨てられ、集団リンチに遭ってたの知ってた?それを子供同士の喧嘩だって?我慢しろって?先にやられた俺がやり返しただけなのに言語道断?恥さらし?馬鹿らしい。何をされても俺は我慢しないといけないのかよ。正当防衛さえ俺には許されないわけ?」
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