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最終章 人生最大の反抗
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父さんは視線を少し泳がせながら、意を決したように俺と目をあわせ、口を開いた。
「正直、そんな風に思っているとは知らなかった。きちんとした教養といい大学に行かせることが親の使命だと思っていた。柚希は何も言わないし、常にはいしか言わなかったから、柚希も納得しているものだと思っていた。
虐めのことも、強姦未遂のことも気づいてやれなくてすまない。私は、知らない間に警視総監って言う肩書きに胡坐をかいていたんだな。人をきちんと見れていなかった。犯人の嘘を見抜いて真実を暴く仕事なのに情けない。柚希が家出をするはずがないと思っていたんだ。だから誘拐だと言って、探させた。
君の話は昔からよく聞いていたから、何かを企んでいるんじゃないかと思ったが、この1ヶ月、姿をくらますだけで何の要望もないから変だとは感じていた。私が原因だとは露知らず、色々すまなかった。柚希の好きにしたらいい。君の令状も取り下げよう。少し待っていなさい。話をしてくる。」
そう言って父さんは奥へと消えていった。
俺は颯斗と見つめあい、この結果に互いに頬をほころばす。
「柚希、ごめんなさいね。」
その場に残された母さんが謝罪をしたことによって、俺は再びそちらに視線を向ける。
「私もあなたに押し付けすぎたわ。柚希も知ってると思うけど、私の家父親が第一で育ってきたから、子供が父親を目指すのは当たり前だと思ってたの。私自身、それにおかしいって思ってた時期もあったのにね、忘れてたわ。こんな風になるまで気づいてあげられなくてごめんね。体裁ばかり気にしてあなたのことが見えていなかったわ。」
「いいよ、もう。何も言わなかった俺が悪いところもあるから。」
「親に反抗できない環境があるのは、私が身に染みてわかってるわ。まさか私がそれを繰り返すとは思っていなかったの。ごめんね。柚希のしたいようにしたらいいわ。だから、もう敬語で話すのはやめてね。あれで壁はずっと感じてたんだけどね、どうしたら小さい頃みたいに話してくれるようになるか分からなくて。」
「うん。もう敬語でしゃべらないよ。壁を作る必要はもうなさそうだから。」
「そう。良かったわ。」
母さんはそう言って胸を撫で下ろすように笑みを浮かべた。
俺の両親は、別に人の心を持っていないわけではなかったのだ。
互いが互いにずっと壁を作り、壁が分厚すぎて近寄れなかっただけに過ぎなかったんだ。
でも、それをぶち壊すほどの勇気も行動力も歩み寄りも、誰も出来なかった。
だからこういう極端な行動で助走をつけ、体当たりしないと壊せなかった。
俺が鷹山に行って、颯斗に出会ったからこそ、俺たち家族は再生することが出来た。
颯斗がいなければ、きっとこのような結末は迎えていなかっただろう。
「正直、そんな風に思っているとは知らなかった。きちんとした教養といい大学に行かせることが親の使命だと思っていた。柚希は何も言わないし、常にはいしか言わなかったから、柚希も納得しているものだと思っていた。
虐めのことも、強姦未遂のことも気づいてやれなくてすまない。私は、知らない間に警視総監って言う肩書きに胡坐をかいていたんだな。人をきちんと見れていなかった。犯人の嘘を見抜いて真実を暴く仕事なのに情けない。柚希が家出をするはずがないと思っていたんだ。だから誘拐だと言って、探させた。
君の話は昔からよく聞いていたから、何かを企んでいるんじゃないかと思ったが、この1ヶ月、姿をくらますだけで何の要望もないから変だとは感じていた。私が原因だとは露知らず、色々すまなかった。柚希の好きにしたらいい。君の令状も取り下げよう。少し待っていなさい。話をしてくる。」
そう言って父さんは奥へと消えていった。
俺は颯斗と見つめあい、この結果に互いに頬をほころばす。
「柚希、ごめんなさいね。」
その場に残された母さんが謝罪をしたことによって、俺は再びそちらに視線を向ける。
「私もあなたに押し付けすぎたわ。柚希も知ってると思うけど、私の家父親が第一で育ってきたから、子供が父親を目指すのは当たり前だと思ってたの。私自身、それにおかしいって思ってた時期もあったのにね、忘れてたわ。こんな風になるまで気づいてあげられなくてごめんね。体裁ばかり気にしてあなたのことが見えていなかったわ。」
「いいよ、もう。何も言わなかった俺が悪いところもあるから。」
「親に反抗できない環境があるのは、私が身に染みてわかってるわ。まさか私がそれを繰り返すとは思っていなかったの。ごめんね。柚希のしたいようにしたらいいわ。だから、もう敬語で話すのはやめてね。あれで壁はずっと感じてたんだけどね、どうしたら小さい頃みたいに話してくれるようになるか分からなくて。」
「うん。もう敬語でしゃべらないよ。壁を作る必要はもうなさそうだから。」
「そう。良かったわ。」
母さんはそう言って胸を撫で下ろすように笑みを浮かべた。
俺の両親は、別に人の心を持っていないわけではなかったのだ。
互いが互いにずっと壁を作り、壁が分厚すぎて近寄れなかっただけに過ぎなかったんだ。
でも、それをぶち壊すほどの勇気も行動力も歩み寄りも、誰も出来なかった。
だからこういう極端な行動で助走をつけ、体当たりしないと壊せなかった。
俺が鷹山に行って、颯斗に出会ったからこそ、俺たち家族は再生することが出来た。
颯斗がいなければ、きっとこのような結末は迎えていなかっただろう。
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