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第三章 出会い
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少しでも柿原がこの場所から遠ざかる時間が欲しかった。
最後の客があいつでなければ、きっとお言葉に甘えて少し早めに帰宅して休んでいたことだろう。
多田が冗談で言っていた話が、今になって変に思い出されてしまう。
そんなまさかとは思うが、好意を寄せてストーカーまがいのことをしているんじゃないかとそんな考えに至ってしまう。
粗方の業務を閉店前に行っていた俺は、全ての業務を終えるまでそんなに時間は掛からず、22時15分にはタイムカードを切っていた。
裏口から出て店長に別れを告げ、俺は店長の言う通り雨が降り出してしまった中を傘を差した状態で自転車を押して歩いた。
柿原が出てもう20分以上は経っている。
それだけの時間があればそれなりに遠くにいけるし、家の場所によってはもう帰宅している頃だろう。
そのはずなのに、何かを不安に感じてしまうのは何故だろうか。
俺は少しだけその場に立ち止まり、周りに意識を向けた。
雨が降っている中、この時間この辺を歩いている人は少なく、車が時折横を過ぎていくだけで、雨音ばかりが響く静かな状態だった。
俺は杞憂かと思い歩き出そうとした時、俺の傘に雨が当たる音とは違う、他の傘に雨が当たる様な音が聞こえた気がした。
俺は咄嗟に背後を振り返った。
そこには外灯が等間隔に下を淡く照らしているだけで、人も通っていなければ、車も通っていない。
聞こえた気がした傘の音さえも、するようなものは目に入らない。
気のせいかと歩き始めたが、俺はどうにも怖くなってしまい、京介に電話をかけ始めた。
『もし?どした?』
京介は直ぐに電話に出てくれ、俺は恐怖から携帯を少し強く握りこむ。
「京介今どうしてる?」
『今?雨降ってきたから多田と別れて家だけど?』
「家か。出てこれたり、しない?」
『今から?雨なのに?どうしたんだよ?』
「俺今バイト帰りなんだけど、閉店前に柿原がバイト先に来て。何か変なんだよ。俺誰にも言ってないはずなのに、何か知ってる風で、一緒に帰ろうとか言うから、ちょっと怖くなっちゃって。」
『は?お前それ大丈夫かよ。今一人?』
「一人。俺京介と遊ぶ予定があるから無理って断ったんだ。店出てから20分以上経ってるしさ、いないとは思うんだけど、何か不気味な感じして。」
『そういうことなら今すぐ出るわ。大通り歩いてんだろ?』
「うん。陸橋渡った先。」
『直ぐ向かうわ。電話切っても大丈夫か?』
「大丈夫。ごめんね、ありがと。」
『気にすんな。もし怖かったら多田に電話かけろ。あいつも直ぐ出るはずだから。』
「分かった。」
そう言ってる間にも京介は家の階段を駆け下りているようで、ばたばたという音が聞こえていた。
最後の客があいつでなければ、きっとお言葉に甘えて少し早めに帰宅して休んでいたことだろう。
多田が冗談で言っていた話が、今になって変に思い出されてしまう。
そんなまさかとは思うが、好意を寄せてストーカーまがいのことをしているんじゃないかとそんな考えに至ってしまう。
粗方の業務を閉店前に行っていた俺は、全ての業務を終えるまでそんなに時間は掛からず、22時15分にはタイムカードを切っていた。
裏口から出て店長に別れを告げ、俺は店長の言う通り雨が降り出してしまった中を傘を差した状態で自転車を押して歩いた。
柿原が出てもう20分以上は経っている。
それだけの時間があればそれなりに遠くにいけるし、家の場所によってはもう帰宅している頃だろう。
そのはずなのに、何かを不安に感じてしまうのは何故だろうか。
俺は少しだけその場に立ち止まり、周りに意識を向けた。
雨が降っている中、この時間この辺を歩いている人は少なく、車が時折横を過ぎていくだけで、雨音ばかりが響く静かな状態だった。
俺は杞憂かと思い歩き出そうとした時、俺の傘に雨が当たる音とは違う、他の傘に雨が当たる様な音が聞こえた気がした。
俺は咄嗟に背後を振り返った。
そこには外灯が等間隔に下を淡く照らしているだけで、人も通っていなければ、車も通っていない。
聞こえた気がした傘の音さえも、するようなものは目に入らない。
気のせいかと歩き始めたが、俺はどうにも怖くなってしまい、京介に電話をかけ始めた。
『もし?どした?』
京介は直ぐに電話に出てくれ、俺は恐怖から携帯を少し強く握りこむ。
「京介今どうしてる?」
『今?雨降ってきたから多田と別れて家だけど?』
「家か。出てこれたり、しない?」
『今から?雨なのに?どうしたんだよ?』
「俺今バイト帰りなんだけど、閉店前に柿原がバイト先に来て。何か変なんだよ。俺誰にも言ってないはずなのに、何か知ってる風で、一緒に帰ろうとか言うから、ちょっと怖くなっちゃって。」
『は?お前それ大丈夫かよ。今一人?』
「一人。俺京介と遊ぶ予定があるから無理って断ったんだ。店出てから20分以上経ってるしさ、いないとは思うんだけど、何か不気味な感じして。」
『そういうことなら今すぐ出るわ。大通り歩いてんだろ?』
「うん。陸橋渡った先。」
『直ぐ向かうわ。電話切っても大丈夫か?』
「大丈夫。ごめんね、ありがと。」
『気にすんな。もし怖かったら多田に電話かけろ。あいつも直ぐ出るはずだから。』
「分かった。」
そう言ってる間にも京介は家の階段を駆け下りているようで、ばたばたという音が聞こえていた。
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