【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

文字の大きさ
57 / 261
第三章 出会い

57

しおりを挟む
次に目を覚ました時、気だるさと気分の悪さが俺を襲った。
まだ意識がはっきりせず、重たい瞼をこじ開けるようにして目を開ける。

ぼんやりとした少し揺れる視界。暗闇の向こうに、淡い外灯が見える。
俺はまだ森林公園にいるようだった。

背中にはごつごつとした感触。お尻からは少し湿った冷たい感触。
カンカンと何かを叩いている音がする。

その音と同じタイミングで、上に上げられている両手に振動が伝わってくる。
何が起こっているのか、何が起こったのか理解が出来ない。
頭が働かない。気分が悪い。

俺は耐え切れずにまた意識を落とそうとした時、何かが俺の顎に触れた。
もたげようとする頭を顎に当てられたそれで上げられ、落ちかけた俺の意識も少しだけ戻る。

「亀城くん、起きて。」

どこからか声がする。誰の声だろうか。

「起きて。ねぇ。」

うるさい。気分が悪いのに。頭が重たい。寝たいのに。
突然頬に少しだけ衝撃が走った。
頬を二、三度叩かれている感覚がする。

俺はそれに本能が確認するように目をこじ開ける。
ぼやけた視界に、人のシルエットが映った。
奥に見える外灯が逆光となり、よく見えない。
今目の前にいるのは誰だ。俺はここで何をしている。

「こうなったのは、亀城くんがいけないんだよ。僕の言うことを聞かないから。」

何のことだろうか。意味が分からない。

「僕は、亀城くんを思ってずっと言ってたのに。ダメだよ、僕の言うこと聞かないと。」

何の話だ。誰だ。

「亀城くんは僕のものなんだ。そうだよね?だって、僕に笑いかけてくれたもん。」

何を言っているのだろうか。頭が重くて考えられない。

「僕にご飯を作ってくれて、嬉しかったな。すごくおいしかったよ。」

目が開けられない。聞こえる音も遠い。全ての感覚が鈍い。

「そのご飯も、笑顔も僕だけのものだよ。他の人に見せないで。」

俺の頬に何かが触れる。
感じる感覚が鈍い。
それが何かが分からない。

「亀城くんは綺麗でいなきゃいけないんだよ。美しくあるべきなんだ。」

頬から首筋へと何かが這っている。
何かはわからないが、気分が悪い。吐き気がする。
頭が揺れている感覚がする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

処理中です...