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第2部
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1|圭介のシャツを掴んだまま、澪は動けなかった
圭介に抱きしめられたまま、
澪は気づけば
圭介のシャツを指で握りしめていた。
力を入れたつもりはないのに、
離したくない気持ちが
勝手に指先に滲み出ていた。
圭介はそれに気づくと、
腕の力を少しだけ強くした。
「……澪。
そんなふうに掴まれたら……」
澪は顔が熱くなって視線を逸らす。
「ち、違うんです……
気づいたら勝手に……」
圭介は微笑んだ。
「勝手でいい。
俺も勝手に……お前を抱いてる」
その言葉が、
まるで肌の上に直接落ちてくるような温度だった。
⸻
2|指先が、昨夜触れた場所を“思い出すように”なぞる
圭介は澪の背中を
ゆっくりと撫ではじめた。
背骨の横を指先でなぞり、
肩甲骨のラインを確かめるように触れる。
軽く、そして深く。
澪の呼吸がまた乱れ始める。
「……っ……」
圭介は耳元で囁く。
「昨日、ここ…震えてた」
指先が“そこ”に触れる。
澪は膝がふわっと抜けるような感覚に襲われ、
圭介にしがみつくようして言った。
「……覚えてたんですか……?」
「全部覚えてる。
澪の反応、全部」
昨夜の残り火が、
朝の光の中でまた熱を帯びていく。
⸻
3|1mmの頭に日光が落ち、それをなぞる圭介の指
窓から差し込む光が、
澪の1mmの髪を淡く照らしていた。
圭介はそれに気づくと、
澪の頭へ手を伸ばし――
陽に染まった頭皮を指でそっと撫でた。
ざら……
太陽の熱と、
圭介の指の熱が混ざる。
澪は息を詰まらせる。
「……っ……あ……」
圭介は微笑んだ。
「朝の光で見る坊主、綺麗だな。
手が止まらなくなる」
その言葉が、
胸の奥までじんわり響く。
⸻
4|耳の後ろを撫でられ、声にならない息が漏れる
圭介の指が
澪の耳の後ろへ移動していく。
耳の後ろは弱い。
澪はそれを自覚しているが、
何も言えない。
圭介の指先が
そっと触れた。
す……
「……っ……!」
漏れた息に、
圭介の呼吸が止まる。
「澪……
そんな声出されたら……」
圭介は深く息を吸った。
「……触るの、やめられなくなる」
澪は圭介の胸に額を押しつけるしかなかった。
⸻
5|澪の頬をなぞりながら、圭介の声が低くなる
圭介は澪の頬に触れ、
指先でゆっくりと輪郭をなぞった。
顎のライン。
頬の丸み。
唇のきわ。
触れ方は優しいのに、
熱が指先に宿っている。
「澪……
昨日も、今日も……綺麗だ」
「そ、そんな……」
「嘘じゃない。
こうして触れたくなるのが証拠だろ」
指先が唇の近くに触れた瞬間、
澪の心臓が跳ねた。
⸻
6|唇には触れない。だからこそ濃密な“余白”
圭介は唇のすぐ近くまで指を寄せて、
しかし触れなかった。
ほんの2cm。
その距離が、
触れるより官能的だった。
澪が小さく囁く。
「……ふぇ……
圭介さん……近い……」
圭介は囁き返した。
「朝だぞ。
キスしたら……止まらなくなる」
距離はそのまま。
触れそうで触れないまま。
その“未完成の距離”こそ、
夜の余韻を深めていく。
⸻
7|抱きしめ直される。音も光も、二人のためだけにある
圭介はゆっくり腕を回し直し、
澪を改めて抱きしめた。
背中を包む圭介の手のひらの大きさ。
胸を満たす呼吸の音。
1mmを撫でる指先の熱。
二人以外の世界は
もうどこにもなかった。
澪は目を閉じ、
圭介の胸元で囁いた。
「……こんな朝……
初めてです……」
圭介は澪の頭に軽くキスを落とした。
ちゅ……
「澪。
これから毎日だ」
その言葉が、
どんな官能より胸に響いた。
圭介に抱きしめられたまま、
澪は気づけば
圭介のシャツを指で握りしめていた。
力を入れたつもりはないのに、
離したくない気持ちが
勝手に指先に滲み出ていた。
圭介はそれに気づくと、
腕の力を少しだけ強くした。
「……澪。
そんなふうに掴まれたら……」
澪は顔が熱くなって視線を逸らす。
「ち、違うんです……
気づいたら勝手に……」
圭介は微笑んだ。
「勝手でいい。
俺も勝手に……お前を抱いてる」
その言葉が、
まるで肌の上に直接落ちてくるような温度だった。
⸻
2|指先が、昨夜触れた場所を“思い出すように”なぞる
圭介は澪の背中を
ゆっくりと撫ではじめた。
背骨の横を指先でなぞり、
肩甲骨のラインを確かめるように触れる。
軽く、そして深く。
澪の呼吸がまた乱れ始める。
「……っ……」
圭介は耳元で囁く。
「昨日、ここ…震えてた」
指先が“そこ”に触れる。
澪は膝がふわっと抜けるような感覚に襲われ、
圭介にしがみつくようして言った。
「……覚えてたんですか……?」
「全部覚えてる。
澪の反応、全部」
昨夜の残り火が、
朝の光の中でまた熱を帯びていく。
⸻
3|1mmの頭に日光が落ち、それをなぞる圭介の指
窓から差し込む光が、
澪の1mmの髪を淡く照らしていた。
圭介はそれに気づくと、
澪の頭へ手を伸ばし――
陽に染まった頭皮を指でそっと撫でた。
ざら……
太陽の熱と、
圭介の指の熱が混ざる。
澪は息を詰まらせる。
「……っ……あ……」
圭介は微笑んだ。
「朝の光で見る坊主、綺麗だな。
手が止まらなくなる」
その言葉が、
胸の奥までじんわり響く。
⸻
4|耳の後ろを撫でられ、声にならない息が漏れる
圭介の指が
澪の耳の後ろへ移動していく。
耳の後ろは弱い。
澪はそれを自覚しているが、
何も言えない。
圭介の指先が
そっと触れた。
す……
「……っ……!」
漏れた息に、
圭介の呼吸が止まる。
「澪……
そんな声出されたら……」
圭介は深く息を吸った。
「……触るの、やめられなくなる」
澪は圭介の胸に額を押しつけるしかなかった。
⸻
5|澪の頬をなぞりながら、圭介の声が低くなる
圭介は澪の頬に触れ、
指先でゆっくりと輪郭をなぞった。
顎のライン。
頬の丸み。
唇のきわ。
触れ方は優しいのに、
熱が指先に宿っている。
「澪……
昨日も、今日も……綺麗だ」
「そ、そんな……」
「嘘じゃない。
こうして触れたくなるのが証拠だろ」
指先が唇の近くに触れた瞬間、
澪の心臓が跳ねた。
⸻
6|唇には触れない。だからこそ濃密な“余白”
圭介は唇のすぐ近くまで指を寄せて、
しかし触れなかった。
ほんの2cm。
その距離が、
触れるより官能的だった。
澪が小さく囁く。
「……ふぇ……
圭介さん……近い……」
圭介は囁き返した。
「朝だぞ。
キスしたら……止まらなくなる」
距離はそのまま。
触れそうで触れないまま。
その“未完成の距離”こそ、
夜の余韻を深めていく。
⸻
7|抱きしめ直される。音も光も、二人のためだけにある
圭介はゆっくり腕を回し直し、
澪を改めて抱きしめた。
背中を包む圭介の手のひらの大きさ。
胸を満たす呼吸の音。
1mmを撫でる指先の熱。
二人以外の世界は
もうどこにもなかった。
澪は目を閉じ、
圭介の胸元で囁いた。
「……こんな朝……
初めてです……」
圭介は澪の頭に軽くキスを落とした。
ちゅ……
「澪。
これから毎日だ」
その言葉が、
どんな官能より胸に響いた。
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