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第六章:迷いと更なる決断――まさかの坊主
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第六章:迷いと更なる決断――まさかの坊主
床屋の店主は「はい、ではお疲れさまでした」と言いたげな様子だったが、七海はまだ椅子から降りようとしない。スポーツ刈りになった自分をまじまじと見つめながら、その奥にある「もっと短くしてもいいんじゃないか」という狂おしい衝動を自覚していた。
(ここまできたんだ。いっそ坊主にしてみたら、どうなるんだろう……)
坊主頭――女性がするには相当に抵抗があるスタイルだと、多くの人が思うだろう。七海自身、少し前まで「とても無理」と考えていた。しかし今は、失恋や日常のしがらみを断ち切るために、限界を超えてみたいという欲求が芽生えている。
「店主さん……あの、すみません。やっぱり、もっと短く――坊主頭にしてもらえますか?」
空気が一瞬止まったような静寂。店主は驚きに目を見開く。普通、スポーツ刈りにするだけでも相当冒険なのに、その先の「坊主」を希望する女性はまずいない。
「ほ、坊主……ですか。そこまでする必要は……本当にいいんですか? あまりに急激だと後悔してしまうかもしれませんよ」
「大丈夫です。私、後悔しません。今は……全部捨てたい気分なんです」
七海の瞳はどこか寂しげながらも、強い決意を帯びていた。店主は「うちの店を信頼してくれている」という気持ちからか、反対する理由も見つからない様子で、小さく息を吐く。
「わかりました。そこまでおっしゃるなら、お客さんのご要望に応えましょう。ただ、本当に女性が坊主にすると決めたなら、それなりの覚悟が要りますよ」
「はい……覚悟、あります」
その言葉を最後に、店主はバリカンのアタッチメントを外し、さらに短いアタッチメントを装着する。スポーツ刈りから坊主頭へ移行するには、かなり細かく刈る必要がある。
床屋の店主は「はい、ではお疲れさまでした」と言いたげな様子だったが、七海はまだ椅子から降りようとしない。スポーツ刈りになった自分をまじまじと見つめながら、その奥にある「もっと短くしてもいいんじゃないか」という狂おしい衝動を自覚していた。
(ここまできたんだ。いっそ坊主にしてみたら、どうなるんだろう……)
坊主頭――女性がするには相当に抵抗があるスタイルだと、多くの人が思うだろう。七海自身、少し前まで「とても無理」と考えていた。しかし今は、失恋や日常のしがらみを断ち切るために、限界を超えてみたいという欲求が芽生えている。
「店主さん……あの、すみません。やっぱり、もっと短く――坊主頭にしてもらえますか?」
空気が一瞬止まったような静寂。店主は驚きに目を見開く。普通、スポーツ刈りにするだけでも相当冒険なのに、その先の「坊主」を希望する女性はまずいない。
「ほ、坊主……ですか。そこまでする必要は……本当にいいんですか? あまりに急激だと後悔してしまうかもしれませんよ」
「大丈夫です。私、後悔しません。今は……全部捨てたい気分なんです」
七海の瞳はどこか寂しげながらも、強い決意を帯びていた。店主は「うちの店を信頼してくれている」という気持ちからか、反対する理由も見つからない様子で、小さく息を吐く。
「わかりました。そこまでおっしゃるなら、お客さんのご要望に応えましょう。ただ、本当に女性が坊主にすると決めたなら、それなりの覚悟が要りますよ」
「はい……覚悟、あります」
その言葉を最後に、店主はバリカンのアタッチメントを外し、さらに短いアタッチメントを装着する。スポーツ刈りから坊主頭へ移行するには、かなり細かく刈る必要がある。
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