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第1部 奈美編
♬ 15 ダイナシティ
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京には、確実に、そして加速度的に世界は変わってきているという思いがある。たしかにこれまでも一瞬の間断なく世界は変化し続けてきたのは言うまでもないが、これまでの人類の常識が通用しない未曾有のパンデミックな感染症の出現が、新しい世界へのイントロダクションだと京は思うのだ。
情報過多なこの時代、さまざまな情報が飛び交っている。いわゆる陰謀説若しくは陰謀論といったこれまではトンデモとして都市伝説の範囲内での面白い話といった扱いでしかなかったものが、現代では個人でも情報を発信し、どれだけマイナーであっても、それなりに市民権を得られるのが当たり前となった。
そして、興味本位のみで地下でワイワイ騒がれていたようなものが、平気でメインストリームに乗っかり流布されていくのが当然のようになっている。
そして、これまで人類がつちかってきた科学や医学の常識というものが軽々と覆される現在では、陰謀論であるとかトンデモというイメージが強いかもしれない新世界秩序(New World Oder)を、世界を救うどころか国家を転覆させアングロサクソンの帝国主義による世界制服戦略であり、人生を揺るがすような大スペクタクル的な何かを期待させるただの陰謀論として片付けてしまうことが出来ない様相を呈しはじめている。
世界銀行の金融支配であるとか、世界国家の建設であるとかグローバルな視点がいかに必要であるかは、論を待たないところだと京は思っている。
ゴミひとつとっても、これまでの世界は際限なく海や川にゴミを投棄して平気でいられたが、いまや地球上にゴミが溢れかえっている。その内処理できずに地中深く埋めるしかない原子炉そのものであるとか放射能を除染した際の処理水であるとか、生命の源である大地と海を凄まじいほど汚している。
それがやがて人類へと確実に跳ね返ってくるという考えは陰謀論でも都市伝説でもなんでもなく、今が良ければそれでいい、自分と家族だけ幸せなら何の問題もない、そういう文字通り狭い了見では、これから先人類には滅亡しか待っていないことは、火を見るよりも明らかだろう。
しかし、年がら年中、世界のどこかで争いやいざこざが絶えない世の中であるのに、世界がひとつになるなんて夢のまた夢の話ではないかと当然思うだろうが、実はすでに世界はひとつになっている。
ただ多くの人が気づいていないだけだ。SNSでのディープ・フェイクであるとか、誹謗中傷、デマゴーグといった事件性のある、あるいは炎上系の情報は、またたくまに拡散されていくが、それと同様にホッコリするような、癒し系の情報も、またたくまに拡散されていく。
ただ、有名人の不倫であるとか、アイドルの熱愛発覚であるとか、よく考えてみるとほんとうにどうでもいい情報なのだけれど、スマホの画面越しという絶対的な安全圏から眺める他人の不幸とか争い事や事件、ゴシップは、確かにこのうえなく面白いかもしれない。
誰もが自分だけのスマホを肌身離さず持ち歩いていることが、当たり前のこの時代に、逆に言えばスマホをどこかに置き忘れたり、失くしてしまったら人生詰んだ、みたいな絶望感を味わうことになるのが、当たり前のこの時代だからこそ、いいニュースも悪いニュースも世界中を駆け巡る。
情報端末により、同様に卑近の例でいえばチップを埋め込む、妊娠しなくなる等のワクチン陰謀説であるとかも一瞬にして拡散されていく。
とどまることなく流れてくる、例えばそれらの陰謀説を逐一鵜呑みにしている人もいるかもしれない。
人類には危機管理能力が備わっていて、例えば道路に落ちていた長い紐を見て、ヘビだと認識して飛び退くといった危険を察知してアラームが鳴るようになっているが、スマホという情報端末は、ほんとうにその人自身といっても差し支えないくらい一体化してるものなので、ヘビだと思って飛び退くことなど出来ないまま、ダイレクトに心の中に入ってくる。
その情報が、人をズタズタに傷つけるものであったり、気分を害するものであったりしても、逃げたり遮断することは出来ない。賢明にも読むのをやめれば回避出来るかもしれないが、一日中途切れる事なく情報はスマホへと流されてくるのだ。
誰も知りたくもない一般人やヲタクのごくごく個人的なつまらない悩みの話も、総裁選出馬に関する話も、アイドルのお泊まりが裏活でわかった話も同列で語られるような、それが、多様性の時代なのである。
だいぶ話が逸れてしまったけれど、つまり癒しにもなれば、人を傷つける鋭利な刃物にもなる諸刃の剣である、このスマホこそが、世界をひとつにしているのだ。
なので、世界の未来は明るいと楽観的に捉えていいのか、破滅に向かっていると悲観的に捉えていいのか、わからないけれど、良いことも悪いことも含めてこれから世界は、ひとつになっていく、その大きな変革の時期へと突入したのではないかと、京は無垢な瞳の子猫たちと遊びながら思うのだった。
情報過多なこの時代、さまざまな情報が飛び交っている。いわゆる陰謀説若しくは陰謀論といったこれまではトンデモとして都市伝説の範囲内での面白い話といった扱いでしかなかったものが、現代では個人でも情報を発信し、どれだけマイナーであっても、それなりに市民権を得られるのが当たり前となった。
そして、興味本位のみで地下でワイワイ騒がれていたようなものが、平気でメインストリームに乗っかり流布されていくのが当然のようになっている。
そして、これまで人類がつちかってきた科学や医学の常識というものが軽々と覆される現在では、陰謀論であるとかトンデモというイメージが強いかもしれない新世界秩序(New World Oder)を、世界を救うどころか国家を転覆させアングロサクソンの帝国主義による世界制服戦略であり、人生を揺るがすような大スペクタクル的な何かを期待させるただの陰謀論として片付けてしまうことが出来ない様相を呈しはじめている。
世界銀行の金融支配であるとか、世界国家の建設であるとかグローバルな視点がいかに必要であるかは、論を待たないところだと京は思っている。
ゴミひとつとっても、これまでの世界は際限なく海や川にゴミを投棄して平気でいられたが、いまや地球上にゴミが溢れかえっている。その内処理できずに地中深く埋めるしかない原子炉そのものであるとか放射能を除染した際の処理水であるとか、生命の源である大地と海を凄まじいほど汚している。
それがやがて人類へと確実に跳ね返ってくるという考えは陰謀論でも都市伝説でもなんでもなく、今が良ければそれでいい、自分と家族だけ幸せなら何の問題もない、そういう文字通り狭い了見では、これから先人類には滅亡しか待っていないことは、火を見るよりも明らかだろう。
しかし、年がら年中、世界のどこかで争いやいざこざが絶えない世の中であるのに、世界がひとつになるなんて夢のまた夢の話ではないかと当然思うだろうが、実はすでに世界はひとつになっている。
ただ多くの人が気づいていないだけだ。SNSでのディープ・フェイクであるとか、誹謗中傷、デマゴーグといった事件性のある、あるいは炎上系の情報は、またたくまに拡散されていくが、それと同様にホッコリするような、癒し系の情報も、またたくまに拡散されていく。
ただ、有名人の不倫であるとか、アイドルの熱愛発覚であるとか、よく考えてみるとほんとうにどうでもいい情報なのだけれど、スマホの画面越しという絶対的な安全圏から眺める他人の不幸とか争い事や事件、ゴシップは、確かにこのうえなく面白いかもしれない。
誰もが自分だけのスマホを肌身離さず持ち歩いていることが、当たり前のこの時代に、逆に言えばスマホをどこかに置き忘れたり、失くしてしまったら人生詰んだ、みたいな絶望感を味わうことになるのが、当たり前のこの時代だからこそ、いいニュースも悪いニュースも世界中を駆け巡る。
情報端末により、同様に卑近の例でいえばチップを埋め込む、妊娠しなくなる等のワクチン陰謀説であるとかも一瞬にして拡散されていく。
とどまることなく流れてくる、例えばそれらの陰謀説を逐一鵜呑みにしている人もいるかもしれない。
人類には危機管理能力が備わっていて、例えば道路に落ちていた長い紐を見て、ヘビだと認識して飛び退くといった危険を察知してアラームが鳴るようになっているが、スマホという情報端末は、ほんとうにその人自身といっても差し支えないくらい一体化してるものなので、ヘビだと思って飛び退くことなど出来ないまま、ダイレクトに心の中に入ってくる。
その情報が、人をズタズタに傷つけるものであったり、気分を害するものであったりしても、逃げたり遮断することは出来ない。賢明にも読むのをやめれば回避出来るかもしれないが、一日中途切れる事なく情報はスマホへと流されてくるのだ。
誰も知りたくもない一般人やヲタクのごくごく個人的なつまらない悩みの話も、総裁選出馬に関する話も、アイドルのお泊まりが裏活でわかった話も同列で語られるような、それが、多様性の時代なのである。
だいぶ話が逸れてしまったけれど、つまり癒しにもなれば、人を傷つける鋭利な刃物にもなる諸刃の剣である、このスマホこそが、世界をひとつにしているのだ。
なので、世界の未来は明るいと楽観的に捉えていいのか、破滅に向かっていると悲観的に捉えていいのか、わからないけれど、良いことも悪いことも含めてこれから世界は、ひとつになっていく、その大きな変革の時期へと突入したのではないかと、京は無垢な瞳の子猫たちと遊びながら思うのだった。
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