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第2部 名古屋編
🎵3 パーソナリティ
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ソランというハンドルネームの由来は、1960年代にやっていたらしいSFアニメの主人公の名前だと教えてくれた。
1960年にカラーテレビが出てきたらしいので、シロクロとカラーのちょうど狭間に生まれたアニメらしい。
ジュネはお父さんから、音楽も影響されているようで、ロックやジャズも、かなり詳しいらしかった。
また、中学の頃、家族旅行で福島に行った時にはUFOを見たと言うので、なぜまたUFOだと断定できるのかと突っ込んだら、TVや雑誌で見たことのあるアダムスキー型UFOだったからだと言い張っていた。
それから、これまで複数のデジャヴに遭遇しているといっていた。
そして、なぜ、衝撃的な印象を受けるはずのデジャヴの数を、複数などという具体的でない言い方で表現するのかというと、デジャヴなのか、そうでないのか非常に微妙で曖昧なものがあるからなのだと答えた。
次に今まででいちばんの恐怖体験を聞いてみた。
「いちばん怖かった経験は、具体化した幽霊を見たことはないんだけど、確かにその存在を感じた時のことで、それは知人の家から身延線の波高島駅に向かっている時で、タクシー代をケチって歩いていたのがまずかった、街灯もない田舎の真っ暗な長い橋を渡っている時、なんかわけもなく怖くなって歌を唄いながら足早に通り過ぎようとしたんだけど、橋の中央あたりに何かいるような感じがして、動けなくなってしまったことがあった」
「それでどうしたの?」
「怖くて橋の真ん中で立ち往生していたら、そこに自家用車が走ってきてくれたの、ライトが煌々と光っている間にその怖い箇所をやっと通り越せたんだけど、白いワンピースの髪の長い女と橋の中央ですれ違った自動車のドライバーさんの顔は、恐怖に引きつっていたわ」
「そうか、対向車もない田舎の橋ならば、そうなるのかもね、橋の中央に佇む髪の長い女というだけで、怖いな」
「あ、待って。いちばん怖いのはそれじゃなかった。恐怖で体が震えるどころの話じゃなく、ほんとうに腰を抜かしたことがあった、腰を抜かしたことってある人はあまりないと思うんだけど?」
「ないね。表現の上で驚いた様を表わすだけの慣用句だと思ってた」
「でしょ。私もそうだったんだけど、実際腰を抜かすと、まともに歩けなくなるのよね、それは幽霊じゃなくて不審者だったんだけど」
「それで、大丈夫だったの? ストーカー?」
「よくわからないんだけど、なんか道の先に変な人がいるなと思って、迂回して違う道で帰ろうとしてたら、またその人が現われて、もうパニックになって足がまともに動かないので、ほんとうにあせりまくったけど、なんとか家にたどり着けた」
さらに幽霊に関することでは、他にもあって、霊が出現する際に聞こえてくるパキパキというラップ音は、よく聞いていたというのだった。
「よく聞いていたというのは、甲府の自宅の二階の自分の部屋の屋根裏から夜になると、結構毎晩というくらいそのパキパキという、まるで樹の枝を折るような、あるいはもっと電気的なピシッピシッという音が日常的に聞こえていたので、それが当たり前みたいな感じでまるで気にしてはいなかったの」
ところが、おばあちゃんが亡くなった際に叔母一家が葬儀に出席する為に一泊していったらしいのだが、
「朝に甥っ子と姪っ子が、夜になったら天井の方からパキパキ、ピシピシなんか変な音が聞こえてきて怖くて仕方なかったといって、すごく怖がっていたのよ」
「おかしいとは思わないくらい慣れっこになってたんだね」
そんな感じで、まあそれだけで彼女のパーソナリティをわかったつもりになったわけでもないのだけれど、とにかく普通の女性よりは、スピリチュアルな人という印象を受けた。
中でもいちばん印象に残っているのは、彼女が人は絶対に空を飛べると言っていたことだった。
それは、鳥のように翼を持つなどということではなく、いわば瞬間移動といったものらしかった。
稗田阿礼(ひえだのあれ)であるとか、「仙境異聞」「霊能真柱(たまのみはしら)」を著した平田篤胤等、一般の人があまり聞いたことのないような人物や著書を知っていたりし、その影響も多分にあるのかも知れないと思った。
そんな飛鳥時代から奈良時代にかけての官人である稗田阿礼であるとか江戸時代の平田篤胤はよく知っていながら、新しいお札の顔になるという渋沢栄一という名前など聞いたこともないと言っていたりするのだった。
趣味は散歩だとかいっていたが、いろいろなことに興味があるようで、作っているのかもしれないが、とにかく不思議なキャラにはちがいなかった。
レイとしてもワンチャンあるかもなどといつも口にはしているが、いざそんな事が天から降ったように起きたとしても、指一本推しメンに触れることなど出来はしないだろう。
ただ、別人格であろうとも、ソランの中の人はジュネなのだから、レイとしては、ジュネとたとえ世間話であろうとも、気軽に話ができるのが本当にうれしかった。
1960年にカラーテレビが出てきたらしいので、シロクロとカラーのちょうど狭間に生まれたアニメらしい。
ジュネはお父さんから、音楽も影響されているようで、ロックやジャズも、かなり詳しいらしかった。
また、中学の頃、家族旅行で福島に行った時にはUFOを見たと言うので、なぜまたUFOだと断定できるのかと突っ込んだら、TVや雑誌で見たことのあるアダムスキー型UFOだったからだと言い張っていた。
それから、これまで複数のデジャヴに遭遇しているといっていた。
そして、なぜ、衝撃的な印象を受けるはずのデジャヴの数を、複数などという具体的でない言い方で表現するのかというと、デジャヴなのか、そうでないのか非常に微妙で曖昧なものがあるからなのだと答えた。
次に今まででいちばんの恐怖体験を聞いてみた。
「いちばん怖かった経験は、具体化した幽霊を見たことはないんだけど、確かにその存在を感じた時のことで、それは知人の家から身延線の波高島駅に向かっている時で、タクシー代をケチって歩いていたのがまずかった、街灯もない田舎の真っ暗な長い橋を渡っている時、なんかわけもなく怖くなって歌を唄いながら足早に通り過ぎようとしたんだけど、橋の中央あたりに何かいるような感じがして、動けなくなってしまったことがあった」
「それでどうしたの?」
「怖くて橋の真ん中で立ち往生していたら、そこに自家用車が走ってきてくれたの、ライトが煌々と光っている間にその怖い箇所をやっと通り越せたんだけど、白いワンピースの髪の長い女と橋の中央ですれ違った自動車のドライバーさんの顔は、恐怖に引きつっていたわ」
「そうか、対向車もない田舎の橋ならば、そうなるのかもね、橋の中央に佇む髪の長い女というだけで、怖いな」
「あ、待って。いちばん怖いのはそれじゃなかった。恐怖で体が震えるどころの話じゃなく、ほんとうに腰を抜かしたことがあった、腰を抜かしたことってある人はあまりないと思うんだけど?」
「ないね。表現の上で驚いた様を表わすだけの慣用句だと思ってた」
「でしょ。私もそうだったんだけど、実際腰を抜かすと、まともに歩けなくなるのよね、それは幽霊じゃなくて不審者だったんだけど」
「それで、大丈夫だったの? ストーカー?」
「よくわからないんだけど、なんか道の先に変な人がいるなと思って、迂回して違う道で帰ろうとしてたら、またその人が現われて、もうパニックになって足がまともに動かないので、ほんとうにあせりまくったけど、なんとか家にたどり着けた」
さらに幽霊に関することでは、他にもあって、霊が出現する際に聞こえてくるパキパキというラップ音は、よく聞いていたというのだった。
「よく聞いていたというのは、甲府の自宅の二階の自分の部屋の屋根裏から夜になると、結構毎晩というくらいそのパキパキという、まるで樹の枝を折るような、あるいはもっと電気的なピシッピシッという音が日常的に聞こえていたので、それが当たり前みたいな感じでまるで気にしてはいなかったの」
ところが、おばあちゃんが亡くなった際に叔母一家が葬儀に出席する為に一泊していったらしいのだが、
「朝に甥っ子と姪っ子が、夜になったら天井の方からパキパキ、ピシピシなんか変な音が聞こえてきて怖くて仕方なかったといって、すごく怖がっていたのよ」
「おかしいとは思わないくらい慣れっこになってたんだね」
そんな感じで、まあそれだけで彼女のパーソナリティをわかったつもりになったわけでもないのだけれど、とにかく普通の女性よりは、スピリチュアルな人という印象を受けた。
中でもいちばん印象に残っているのは、彼女が人は絶対に空を飛べると言っていたことだった。
それは、鳥のように翼を持つなどということではなく、いわば瞬間移動といったものらしかった。
稗田阿礼(ひえだのあれ)であるとか、「仙境異聞」「霊能真柱(たまのみはしら)」を著した平田篤胤等、一般の人があまり聞いたことのないような人物や著書を知っていたりし、その影響も多分にあるのかも知れないと思った。
そんな飛鳥時代から奈良時代にかけての官人である稗田阿礼であるとか江戸時代の平田篤胤はよく知っていながら、新しいお札の顔になるという渋沢栄一という名前など聞いたこともないと言っていたりするのだった。
趣味は散歩だとかいっていたが、いろいろなことに興味があるようで、作っているのかもしれないが、とにかく不思議なキャラにはちがいなかった。
レイとしてもワンチャンあるかもなどといつも口にはしているが、いざそんな事が天から降ったように起きたとしても、指一本推しメンに触れることなど出来はしないだろう。
ただ、別人格であろうとも、ソランの中の人はジュネなのだから、レイとしては、ジュネとたとえ世間話であろうとも、気軽に話ができるのが本当にうれしかった。
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