5 / 21
騎士隊長と第六王子
お背中を流させて
しおりを挟む
祥蘭という小国で作られている髪の石鹸は泡立ちと良い香りがする。
昔から愛用していたるのだが、大国であるワシャーの貴族達の間で人気になり、噂が噂を呼び今ではこの国でも商品が入荷されると即完売になってしまう人気ぶりだ。
普通に入手困難となってしまった石鹸を三番目の兄に分けてもらい、ルージュの中でやってみたいことの一つである、フェラルドの背中を流してあげたいという夢が膨らんでいく。
きっとこの石鹸を使って洗ったら喜んでもらえる。柔らかな布にいっぱい泡を立てて体を洗うととても気持ちが良いのだ。
フェラルドが休みの時にお願いしてみようかと、その日を楽しみに待った。
そしてフェラルドの休みの日。
いつものように二人部屋でのんびりと過ごすのだが、ルージュはいつきり出そうかとソワソワと落ち着かない。
そんな様子にフェラルドがどうしたんだと尋ねてくる。
「え?」
「先ほどから落ち着きがないな」
フェラルドの言葉に、しどろもどろになりつつ石鹸の話からはじめて背中を流したいと言う事を伝える。
「背中を? 俺は別にかまわないが……」
小首を傾げるフェラルドだったが、あぁ、そうかと何かに気が付き掌を打つ。
「そうか、背中を流しあう事などないか」
「はい、そうなんです!」
伴侶の背中を流すのも務め。そう思いこんでいる節があるルージェは力いっぱい返事をする。
「わかった。じゃぁ、一緒に風呂に入ろうか」
「はい」
あまりに嬉しそうな返事をするルージェにフェラルドが笑いながら頭を撫でてくれる。
それが嬉しくて、ふにゃっと笑えばフェラルドが唇に軽く口づけをした。
食事を済ませて一時間ほど休んでから風呂に入る。
薄い衣装を身に着けて髪を縛り上げて手に柔らかい布を持つ。
その恰好をみたフェラルドが、
「すごい気合だなぁ」
とくつくつと笑う。
「私にとっては大仕事ですから」
力仕事など今までしたことのないルージェにとって、フェラルドの背中を流すことは一苦労だろう。
石鹸を布にこすりつけて泡たて、フェラルドの背中を擦り始める。
きめ細やかな泡、そして良い香りが鼻腔をくすぐる。
「ほう、随分と良い香りがする石鹸だな」
「祥蘭の石鹸なんですよ」
兄上に譲ってもらったのだと言いながら力いっぱい背中を擦るが、
「ルージェ、もう少し強めに擦ってもらえるかな?」
といわれて、内心、「もっと?」と思いつつ更に力いっぱい背中を擦るが、すぐにばててしまって力が徐々に入らなくなる。
それに気が付いたのか、
「ルージェ、ありがとう。すごく気持ちよかったよ」
とフェラルドが振り向く。
「すみません」
きっと物足りないだろうなと落ち込みそうになるルージェに、
「次はルージェの番だよおいで」
と手を差し出される。
自分を励ますように言ってくれたのだろうと、フェラルドの優しさに潤みそうになる。
「それを脱いで」
「……はい」
ルージェは言われるまま、濡れて張り付いた薄い衣へと手を伸ばした。
◇…◆…◇
濡れて張り付いた薄い衣がやたらと色っぽく見える。
衣を開けば、真っ白で綺麗な肌が晒し出される。小ぶりな上も下も綺麗な桃色をしていて、その姿に見惚れて喉が鳴る。
我に返ったフェラルドはそれを誤魔化すようにルージェの腕を引いて自分の脚の上へと座らせた。
「あ、洗うぞっ!」
「はい、お願いします」
美しい肌を傷つけぬよう丁寧に洗っていく。
「あっ」
ぴくっと体が震えルージェが気持ちよさそうな表情を見せ、それがあまりに色っぽくてフェラルドは目を見張り腕を止める。
「フェラルド?」
どうしたのですと首を傾げるルージェに、なんでもないと再び体を洗い始める。
「フェラルドの洗い方はとても優しくて気持ちいい」
顔を振り向かせて微笑むルージェに、下半身がずくっとしてこのままではあぶない。
「おしまい」
と、泡を洗い流してそのまま抱きかかえて湯船へと連れ込む。
「あの、フェラルド」
「なんだ?」
「その、溜まってません、か? 」
「なっ」
一体何を言いだすのだろうか。そう思いルージェを見る。
「伴侶としてこの家に嫁いだ日から執事さんに言われて。私の方は貴方のを受け入れる準備はできております、よ?」
それはつまり、後ろに受け入れる準備はできているといいたいのか。
いきなりの告白に動揺を隠せないフェラルドに、ルージェが恥ずかしそうにしながらも更に迫ってくる。
「お願いです。私の中に貴方を下さい」
ぎゅっと手を掴まれて、そう、自分の体は素直に反応をしてしまったのだ。
「フェラルド」
跨っているから気が付いたのだろう。かたくなった腰のモノに。
その瞬間、ぽろぽろと涙を流し始めるルージェ。
伴侶だからと無理やりしなくてはいけないなんて事はない。ルージェの大切にしたいと思い始めていたフェラルドは、そっとルージェの身を引き離した。
「執事に何を言われたかしらないが、無理をしてすることではない」
だから泣くなと涙を拭うように指で撫でれば、違うんですと首を振る。
「嬉しいんです。私に反応してもらえたことが」
その言葉に理性は飛ばされ、ルージェを抱き上げて立ち上がる。
「え、あ、フェラルド?」
互いに濡れたままの恰好で寝室へと向かい、ベッドの上へとその身を押し倒した。
昔から愛用していたるのだが、大国であるワシャーの貴族達の間で人気になり、噂が噂を呼び今ではこの国でも商品が入荷されると即完売になってしまう人気ぶりだ。
普通に入手困難となってしまった石鹸を三番目の兄に分けてもらい、ルージュの中でやってみたいことの一つである、フェラルドの背中を流してあげたいという夢が膨らんでいく。
きっとこの石鹸を使って洗ったら喜んでもらえる。柔らかな布にいっぱい泡を立てて体を洗うととても気持ちが良いのだ。
フェラルドが休みの時にお願いしてみようかと、その日を楽しみに待った。
そしてフェラルドの休みの日。
いつものように二人部屋でのんびりと過ごすのだが、ルージュはいつきり出そうかとソワソワと落ち着かない。
そんな様子にフェラルドがどうしたんだと尋ねてくる。
「え?」
「先ほどから落ち着きがないな」
フェラルドの言葉に、しどろもどろになりつつ石鹸の話からはじめて背中を流したいと言う事を伝える。
「背中を? 俺は別にかまわないが……」
小首を傾げるフェラルドだったが、あぁ、そうかと何かに気が付き掌を打つ。
「そうか、背中を流しあう事などないか」
「はい、そうなんです!」
伴侶の背中を流すのも務め。そう思いこんでいる節があるルージェは力いっぱい返事をする。
「わかった。じゃぁ、一緒に風呂に入ろうか」
「はい」
あまりに嬉しそうな返事をするルージェにフェラルドが笑いながら頭を撫でてくれる。
それが嬉しくて、ふにゃっと笑えばフェラルドが唇に軽く口づけをした。
食事を済ませて一時間ほど休んでから風呂に入る。
薄い衣装を身に着けて髪を縛り上げて手に柔らかい布を持つ。
その恰好をみたフェラルドが、
「すごい気合だなぁ」
とくつくつと笑う。
「私にとっては大仕事ですから」
力仕事など今までしたことのないルージェにとって、フェラルドの背中を流すことは一苦労だろう。
石鹸を布にこすりつけて泡たて、フェラルドの背中を擦り始める。
きめ細やかな泡、そして良い香りが鼻腔をくすぐる。
「ほう、随分と良い香りがする石鹸だな」
「祥蘭の石鹸なんですよ」
兄上に譲ってもらったのだと言いながら力いっぱい背中を擦るが、
「ルージェ、もう少し強めに擦ってもらえるかな?」
といわれて、内心、「もっと?」と思いつつ更に力いっぱい背中を擦るが、すぐにばててしまって力が徐々に入らなくなる。
それに気が付いたのか、
「ルージェ、ありがとう。すごく気持ちよかったよ」
とフェラルドが振り向く。
「すみません」
きっと物足りないだろうなと落ち込みそうになるルージェに、
「次はルージェの番だよおいで」
と手を差し出される。
自分を励ますように言ってくれたのだろうと、フェラルドの優しさに潤みそうになる。
「それを脱いで」
「……はい」
ルージェは言われるまま、濡れて張り付いた薄い衣へと手を伸ばした。
◇…◆…◇
濡れて張り付いた薄い衣がやたらと色っぽく見える。
衣を開けば、真っ白で綺麗な肌が晒し出される。小ぶりな上も下も綺麗な桃色をしていて、その姿に見惚れて喉が鳴る。
我に返ったフェラルドはそれを誤魔化すようにルージェの腕を引いて自分の脚の上へと座らせた。
「あ、洗うぞっ!」
「はい、お願いします」
美しい肌を傷つけぬよう丁寧に洗っていく。
「あっ」
ぴくっと体が震えルージェが気持ちよさそうな表情を見せ、それがあまりに色っぽくてフェラルドは目を見張り腕を止める。
「フェラルド?」
どうしたのですと首を傾げるルージェに、なんでもないと再び体を洗い始める。
「フェラルドの洗い方はとても優しくて気持ちいい」
顔を振り向かせて微笑むルージェに、下半身がずくっとしてこのままではあぶない。
「おしまい」
と、泡を洗い流してそのまま抱きかかえて湯船へと連れ込む。
「あの、フェラルド」
「なんだ?」
「その、溜まってません、か? 」
「なっ」
一体何を言いだすのだろうか。そう思いルージェを見る。
「伴侶としてこの家に嫁いだ日から執事さんに言われて。私の方は貴方のを受け入れる準備はできております、よ?」
それはつまり、後ろに受け入れる準備はできているといいたいのか。
いきなりの告白に動揺を隠せないフェラルドに、ルージェが恥ずかしそうにしながらも更に迫ってくる。
「お願いです。私の中に貴方を下さい」
ぎゅっと手を掴まれて、そう、自分の体は素直に反応をしてしまったのだ。
「フェラルド」
跨っているから気が付いたのだろう。かたくなった腰のモノに。
その瞬間、ぽろぽろと涙を流し始めるルージェ。
伴侶だからと無理やりしなくてはいけないなんて事はない。ルージェの大切にしたいと思い始めていたフェラルドは、そっとルージェの身を引き離した。
「執事に何を言われたかしらないが、無理をしてすることではない」
だから泣くなと涙を拭うように指で撫でれば、違うんですと首を振る。
「嬉しいんです。私に反応してもらえたことが」
その言葉に理性は飛ばされ、ルージェを抱き上げて立ち上がる。
「え、あ、フェラルド?」
互いに濡れたままの恰好で寝室へと向かい、ベッドの上へとその身を押し倒した。
0
あなたにおすすめの小説
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
塔の上のカミーユ~幽囚の王子は亜人の国で愛される~【本編完結】
蕾白
BL
国境近くにあるその白い石の塔には一人の美しい姫君が幽閉されている。
けれど、幽閉されていたのはある事情から王女として育てられたカミーユ王子だった。彼は父王の罪によって十三年間を塔の中で過ごしてきた。
そんな彼の前に一人の男、冒険者のアレクが現れる。
自分の世界を変えてくれるアレクにカミーユは心惹かれていくけれど、彼の不安定な立場を危うくする事態が近づいてきていた……というお話になります。
2024/4/22 完結しました。ありがとうございました。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
愛しの妻は黒の魔王!?
ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」
――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。
皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。
身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。
魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。
表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます!
11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる