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年下ワンコはご主人様が好き
14・波多
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その日は八潮のリクエストで和食を作る。
薄味で出汁のきいたモノを好む八潮の為に、三木本が考えたメニューを作った。
「美味しかったよ」
と満足げに微笑んで箸をおく。
そんな八潮をみて、三木本は嬉しそうに目元を細めていた。
「三木本は課長の好みの味を良く知ってますからね。そうだ、たまに料理を作りに行ってやれば?」
料理教室以外で何か接点ができれば、二人の関係も少しは深まるのではないだろうかと思い言ったのだが、
「波多、何を言いだすんだ」
「流石にそこまでは迷惑をかけられないよ」
と二人の声が重なり合い、
「とは言いつつも……、家事は苦手だから、そうしてくれたら助かるかな」
そう後に続く言葉に、三木本は表情を明るくし、波多はうまくいきそうな雰囲気に期待する。
「はい。料理だけでなく掃除も洗濯も得意ですから、使ってやってください」
その言葉を聞いた途端、八潮の表情が曇りだす。
「え?」
一体、どうしたというのだろう。
チラリと三木本へと視線を向ければ、真っ青な表情で八潮を見ていた。
「あ、あの」
「波多君、久世君、申し訳ないけれど三木本君と二人きりにさせて貰えるかな?」
と真剣な表情を浮かべる八潮に、
「あ、はい。帰るぞ、久世」
久世のネクタイを掴み引っ張っていく。
「え、あ、お疲れ様でした」
そう久世が頭を下げ、二人は玄関から出て行った。
どうして八潮の表情は曇ったのだろうか。三木本が彼に尽くすのはいつもの事なのに。
「なぁ、大輝。俺に料理だけでなく掃除も洗濯も得意ですから、使ってやってくださいって言われたらどう思う?」
「俺は嬉しいですけどね。どうも八潮課長はそうでもなかったみたいですね」
どうしてでしょうね、と、首を傾げる久世に、波多も首を傾げる。
「二人の事が心配だ」
もしも関係が最悪な事になってしまったら。そう思うと気持ちが落ち着かないのだ。
「俺達に出来る事は待つことだけですから。連絡があるまで待ってましょう」
「それは、そうだが……」
「そんなに心配なら、俺、傍にいましょうか?」
そういうと顔を近づけてくる久世に、結構だとその顔を引き離す。
「でも、一人でいると二人の事をぐるぐる考えちゃうでしょ? だから、たまには俺に甘えてください」
俺の胸をお貸ししますよと、両手を広げる。
「……バカ犬」
こてっと久世の胸に頭を預ければ、腰に腕を回して抱きしめる。
「俺の家に来ますか。それとも波多さんの所で?」
「俺の所だ」
「はい」
身体が離れ、いきましょうと手を握りしめて歩き出した。
あれから、三木本から八潮と恋人同士になったという連絡を受けた。久世の方は八潮からメールで連絡がきたと、その内容を見せてくれた。
「良かったですね、二人とも」
八潮からのメールを読み、心から二人の事を祝福する。
「あぁ」
「なんか、自分の事のように嬉しいです」
「俺もだ」
「一緒ですね」
ぎゅっと両手を握りしめられて上下に振られる。
「こら、やめろっ」
腕を引っ張り、離れた所でそのまま床に押し倒される。
「波多さん……」
真上から見つめる久世の目は波多を欲しがっていて、近づいてくる唇に、自分の唇を守るように手で差し込む。
「大輝、駄目だ」
久世とこのままキスしたら、欲が刺激されてそれだけでは済まなくなりそうだ。
「ちょっとだけ」
顔を肩の所へ埋めてスンスンと匂いを嗅ぎ始める久世に、もう一度、駄目だという。
「匂いを嗅いだろ」
「もっと下さい」
首筋をぺろりと舐められ、ゾクッと感じてしまう。
「んっ、大輝」
「波多さん、好き」
首の付け根のあたりにちくりと痛みを感じた所で、後頭部をひっぱたく。
「今すぐ辞めないと、家からたたき出すぞ」
「わかりました。やめます」
それは嫌だとばかりにすぐさま身が離れていき、ソファーへと移動をした。
「よし。さっさと寝ろ」
「はい、おやすみなさい」
クッションに顔を埋める久世の、その耳をがぶっと噛んでやれば、ひやっと声をあげて飛び起きる。
「ちょっと、波多さん!」
耳を押さえながら波多を見る久世に、してやったりと、笑いながら髪を乱暴に撫でた。
朝食の用意をする前にシャワーを浴びて身支度を整える。その時に見つけてしまったのだ。首の付け根に残る赤い痕を。
鏡の前で震える波多に、寝癖頭の久世が呑気に「おはようございます」なんて声をかけてくる。
「大輝、てめぇッ!」
ティーシャツの胸倉をつかんで顔を近づける。
怒っている理由に気が付いたか、口元がだらしなく緩んでいた。
「誰が痕をつけて良いって言った?」
「え? でも駄目だともいわれてませんよ」
言うようになった。ムカつくので朝食も食わせずに部屋を追い出してやった。
どうせ着替えたら迎えに来るのだろうから、おにぎりでも食べさせておけばいいだろう。
薄味で出汁のきいたモノを好む八潮の為に、三木本が考えたメニューを作った。
「美味しかったよ」
と満足げに微笑んで箸をおく。
そんな八潮をみて、三木本は嬉しそうに目元を細めていた。
「三木本は課長の好みの味を良く知ってますからね。そうだ、たまに料理を作りに行ってやれば?」
料理教室以外で何か接点ができれば、二人の関係も少しは深まるのではないだろうかと思い言ったのだが、
「波多、何を言いだすんだ」
「流石にそこまでは迷惑をかけられないよ」
と二人の声が重なり合い、
「とは言いつつも……、家事は苦手だから、そうしてくれたら助かるかな」
そう後に続く言葉に、三木本は表情を明るくし、波多はうまくいきそうな雰囲気に期待する。
「はい。料理だけでなく掃除も洗濯も得意ですから、使ってやってください」
その言葉を聞いた途端、八潮の表情が曇りだす。
「え?」
一体、どうしたというのだろう。
チラリと三木本へと視線を向ければ、真っ青な表情で八潮を見ていた。
「あ、あの」
「波多君、久世君、申し訳ないけれど三木本君と二人きりにさせて貰えるかな?」
と真剣な表情を浮かべる八潮に、
「あ、はい。帰るぞ、久世」
久世のネクタイを掴み引っ張っていく。
「え、あ、お疲れ様でした」
そう久世が頭を下げ、二人は玄関から出て行った。
どうして八潮の表情は曇ったのだろうか。三木本が彼に尽くすのはいつもの事なのに。
「なぁ、大輝。俺に料理だけでなく掃除も洗濯も得意ですから、使ってやってくださいって言われたらどう思う?」
「俺は嬉しいですけどね。どうも八潮課長はそうでもなかったみたいですね」
どうしてでしょうね、と、首を傾げる久世に、波多も首を傾げる。
「二人の事が心配だ」
もしも関係が最悪な事になってしまったら。そう思うと気持ちが落ち着かないのだ。
「俺達に出来る事は待つことだけですから。連絡があるまで待ってましょう」
「それは、そうだが……」
「そんなに心配なら、俺、傍にいましょうか?」
そういうと顔を近づけてくる久世に、結構だとその顔を引き離す。
「でも、一人でいると二人の事をぐるぐる考えちゃうでしょ? だから、たまには俺に甘えてください」
俺の胸をお貸ししますよと、両手を広げる。
「……バカ犬」
こてっと久世の胸に頭を預ければ、腰に腕を回して抱きしめる。
「俺の家に来ますか。それとも波多さんの所で?」
「俺の所だ」
「はい」
身体が離れ、いきましょうと手を握りしめて歩き出した。
あれから、三木本から八潮と恋人同士になったという連絡を受けた。久世の方は八潮からメールで連絡がきたと、その内容を見せてくれた。
「良かったですね、二人とも」
八潮からのメールを読み、心から二人の事を祝福する。
「あぁ」
「なんか、自分の事のように嬉しいです」
「俺もだ」
「一緒ですね」
ぎゅっと両手を握りしめられて上下に振られる。
「こら、やめろっ」
腕を引っ張り、離れた所でそのまま床に押し倒される。
「波多さん……」
真上から見つめる久世の目は波多を欲しがっていて、近づいてくる唇に、自分の唇を守るように手で差し込む。
「大輝、駄目だ」
久世とこのままキスしたら、欲が刺激されてそれだけでは済まなくなりそうだ。
「ちょっとだけ」
顔を肩の所へ埋めてスンスンと匂いを嗅ぎ始める久世に、もう一度、駄目だという。
「匂いを嗅いだろ」
「もっと下さい」
首筋をぺろりと舐められ、ゾクッと感じてしまう。
「んっ、大輝」
「波多さん、好き」
首の付け根のあたりにちくりと痛みを感じた所で、後頭部をひっぱたく。
「今すぐ辞めないと、家からたたき出すぞ」
「わかりました。やめます」
それは嫌だとばかりにすぐさま身が離れていき、ソファーへと移動をした。
「よし。さっさと寝ろ」
「はい、おやすみなさい」
クッションに顔を埋める久世の、その耳をがぶっと噛んでやれば、ひやっと声をあげて飛び起きる。
「ちょっと、波多さん!」
耳を押さえながら波多を見る久世に、してやったりと、笑いながら髪を乱暴に撫でた。
朝食の用意をする前にシャワーを浴びて身支度を整える。その時に見つけてしまったのだ。首の付け根に残る赤い痕を。
鏡の前で震える波多に、寝癖頭の久世が呑気に「おはようございます」なんて声をかけてくる。
「大輝、てめぇッ!」
ティーシャツの胸倉をつかんで顔を近づける。
怒っている理由に気が付いたか、口元がだらしなく緩んでいた。
「誰が痕をつけて良いって言った?」
「え? でも駄目だともいわれてませんよ」
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