甘える君は可愛い

希紫瑠音

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上司と部下の「恋」模様

3・八潮

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 残業を終え、三木本と途中で食事をして帰ろうかと思っていた所に、他の部署の友人らしき男が来て一緒に飲む約束をしているという。

 残念だと思いながら先に会社を出たのだが、駅に向かう途中で携帯電話を忘れてしまった事に気が付き会社に引き返した。

 フロアに明かりが灯っており、まだ帰っていないのかと姿を探すが見つからず。ミーティングルームのドアが半開きとなっており、そこから明かりが漏れていた。

 何か探し物でもしているのだろうか?

 黙って帰るのもと思い、声を掛けていこうかと顔を覗かせば、テーブルの上に組み敷かれる男と組み敷く男がおり、しかも互いにズボンを穿いておらず、何をしていたか一目瞭然だ。

「え、君達……!」
「な、八潮課長」

 一人の男は慌ててズボンを履き、もう一人を置いて部屋を出ていく。

 残された男は慌てる事無く、身を起こしてズボンを拾い上げる。

「……ノックぐらいしてくださいよ」

 髪を掻き揚げてため息をひとつ。

「あ、あぁ。そうだね」

 逆にこちらの方が慌ててしまう。

 三木本はシャツ一枚という姿で、色気があり目が離せない。

「いつまでそうしているつもりです?」

 シャツからちらりと覗かせる、三木本の前のモノは、はちきれんばかりに膨らんでいる。

「あ……、うん。というか君の、辛そうだね」
「一人になったら始末しますんで。ちゃんと掃除もしておきますから」

 あまりにも平然とした態度をとるから、八潮は三木本のことを少し困らせたくなった。

「ねぇ、イく所、見せてくれないかな?」

 どんな反応を見せるのだろうか。

「悪趣味ですね」

 目を見開いて八潮を見た後、ふぅとため息をついて呆れた顔をする。

 流石に引いたかなと、冗談だよと言おうと口を開きかけた所で、

「良いですよ。ただし、手伝ってもらった方がもっと興奮できるし乱れた姿を見せられると思いますが……、どうでしょう?」

 まるで仕事をしている時のように真面目な顔で言われて思わず頷いてしまった。

「では、俺の後ろを弄って頂けますか?」

 前だけじゃ物足りないんで、と、耳元に囁かれてゾクゾクと甘く痺れる。

 意外だ。三木本のこともだが、素直に手を伸ばす自分のこともだ。

 中はとても柔らかく、すんなりと指を咥えていく。

「君は……、いつも、ああいうことをしているの?」
「会社でって意味ですか? だとしたらしていません。どうも相手を怒らせてしまったようで」
「何をしたんだい」
「そこまで言う必要ありますかね?」

 結局、それについては口にせず、指をさらに増やせば背を反らし腰を揺らす。

「あっ、あぁっ、そこ」

 目元を潤ませ、声を上げる。それが色っぽくてとても可愛い。

 前も弄ってやれば、程なくして欲を放ち八潮にもたれかかる。

「はぁっ」
「気持ち良かったかい?」
「えぇ」

 じっと八潮を熱く見つめてくる。

「俺、課長の、欲しい、です」

 甘えるように胸に頬を摺り寄せる姿に、久しぶりに胸の高鳴りを感じた。

「イイよ」

 こんな風に甘えるのか、彼は。

 いつもは怖い目も、トロンとしていて色気を感じる。

「僕のこれを使うの、久しぶりだからね、役に立つか解らないけれど」

 スーツのズボンを下ろせば、三木本がジッと見つめている。

「そんなに見られると恥ずかしいよ。立派なモンじゃないし」
「そんなことないです。やしおさんの、ください」

 テーブルに伏せて尻を突き出す三木本の、その中へと挿入すれば、八潮のモノを深い所まで咥え込んだ。




 行為自体が久しぶりで、しかも男同士は初めての経験なのだが、抜かないでと甘えながらしめつけらて、抜かずにもう一度していた。

 気持ち良い余韻の中、さっきまで善がっていた三木本の身体が離れていく。

「ん、三木本君?」
「後始末するんで。先に帰ってください」

 さっきまでの可愛い姿はもう無く、仕事の時のような彼である。だが、流石に先ほどまで八潮に突っ込まれていたのだ。中腰は辛いだろう。

「いや、僕がするよ」

 と申し出るが、

「いえ。上司にやらせるなんて出来ません」

 一人で後片付けをはじめてしまい、八潮はぽつんと残される。

 先ほどまでのあまりのギャップ差に悲しみまで感じる。

「……じゃぁ、帰るね」

 そう声を掛けてミーティングルームを後にした。
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