甘える君は可愛い

希紫瑠音

文字の大きさ
48 / 59
無口な彼は甘いものが好き

(4)

しおりを挟む
 結局、その理由もきけないままだったなと、目つきの悪いあの人の姿を思い浮かべて、頭の中から振り払うように頭を振るう。

「違うって?」
「あ、いいえ。林さんはガタイが良いですものね」

 決して太っている訳でない。だが、自分よりも上にも横にも大きい。

「やっぱ、アレもおっきいですね」
「そうか?」

 じっと股間をみられ、そうだなと納得された。

「言っときますけど、俺のが小さいってわけじゃないですからね」
「ははっ、必死だな」

 笑い声をあげる林に清宮は驚く。意外と可愛い笑顔に胸がきゅっとなる。

「もうっ」

 林のモノに手を添えて擦りあげれば、びくっと身体がふるえて口元に手を当てる。

「ふ、きよみや、お前のも」
「そうでしたね」

 ぐりっと押し付けて互いのをこすりあわせる。

「んっ、あつい」
「清宮、俺のシャツを噛め」

 そうすれば声がもれないと言われ、それよりもと唇をふさぐ。林の口内は、先ほどまで吸っていた煙草の味がする。

「んふ」

 くちゅくちゅと上から下から水音がし、かたくなったモノは感じやすく、気持ち良さに高揚する。

 それは林も同じで、びくびくと震えながら大きなものをさらに大きくさせ、だらだらと涎を垂らす。

「ふぁ」

 互いの放ったもので太腿が濡れる。

 大きく息を吐き、肩に額をくっつければ、髪を撫でてくれる。

「良かったぞ」
「俺もです」

 林の上から降りてティッシュでふき取りズボンを穿く。

「また、したい」

 手を握られ、じっと自分を見つめる林に、頷いてこたえる。

 今度は声を我慢することなく抱き合いたいと思ってしまったから。

「戻るか」
「そうですね」

 布団にはいり、良く寝ている子供たちを眺める。

「二人ともぐっすりですね」
「起きなくてよかったな」

 そう、口を指さされて、声の事を言われているのだと気がついて頬が熱くなる。

「変な事言わないでくだ……、んっ」

 うるさいといわんばかりに口づけでふさぎ、腕の中へと抱きかえられる。

「おやすみ」

 唇が離れ、そういうと腕が離れて背を向ける。

 少しだけ寂しさを感じてその背中にくっつけば、林は何も言わずにそのままにさせてくれた。




 次の日、抱き枕状態になっており、その腕から懸命に抜け出る。

 既に起きて朝食の準備をしている沙世に挨拶をする。

「あらあら、もしかして賢ちゃんの寝相が悪くて起きちゃったかしら?」
「抱き枕状態になってました」

 と笑いながら言えば、大変だったわねと沙世もクスクスと笑い声をあげる。

「あの子が実家にお友達を泊めるなんてはじめてなのよ。利成君の事を余程気に入っているのね」
「そうなんですか?」

 それが素直に嬉しいと思えるほどに清宮も林の事が好きだ。

「これからも仲良くしてあげてね。あの子、あんなだから心配なの」
「はい」
「二人で何を話しているんだ」
「あら、賢ちゃんおはよう」
「おはようございます」

 眠そうに眼を擦りながら背中を丸めて台所の出入り口に立つ。

「うふふ、賢ちゃんは台所に立ち入り禁止でしょ。顔を洗ってらっしゃいな。利 成君、お手伝いしてくれるかしら?」
「はい」

 林も沙世には逆らえない様で素直に洗面所へと向かっていく。その間、清宮は朝ご飯の準備の手伝いをした。

 沙世の作る朝食は絶品だった。朝から焼き立てのだし巻き卵が食べれるなんて。

「清宮が居ると朝食が豪華だ」
「あらあら、賢ちゃん?」

 ニッコリ笑っているけど目が笑ってない。

「あー、賢介クン、お母さんを怒らせるようなこと言って」
「あははは」

 こんなに楽しい朝食は久しぶりだ。

 ふ、と、林と目が合い、彼は優しく微笑んでいた。

 それに気が付き肩を強張らせ、熱くなる顔を下へと向ける。

 やたらにかっこよく見えるのはどうしてだろう。

 意識してしまうから食べる方に集中すれば、のどに詰まり咽てしまった。

「大丈夫?」

 沙世が水を持ってきてくれ、結衣が背中をさすってくれる。

「げほ、すみません、もう、だいじょうぶ……」
「ゆっくり食えよ」

 と、いつもの変わらぬ愛想のない顔が近く。何故かその表情にホッとする。

「美味しいものでがっついちゃいました」
「あらあら、嬉しいわぁ」

 でも、ゆっくり良く噛んで食べなさいねと、小さい子に言うように沙世に言われてしまう。

 それを子供たちに笑われ、恥ずかしいと手で顔を覆った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

有能課長のあり得ない秘密

みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。 しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

死ぬほど嫌いな上司と付き合いました【完結】

三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。 皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。 涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥ 上司×部下BL

処理中です...