甘える君は可愛い

希紫瑠音

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無口な彼は甘いものが好き

(3)

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 会社では特にいつもと変わらない。

 仕事の話以外、話す事など無く。時折、お菓子を強請られるくらいだ。
 
 だが、たまに林の実家に誘われる。子供たちに菓子を作ってほしいと言う名目でだ。

 しかも、この頃は休みの日にも誘いのメールが届くようになった。

 それはごく短い内容。

≪結衣と湊が会いたがってる≫

 とだけ。

 林らしいとクスクスと笑い、今では常連となった小料理屋へと向かう。

「いらっしゃい。あら、利くん。賢ちゃん!」
「わかってる。奥」

 居間を指さして中に入るように言われる。

 裏手に回り玄関から中へと入った。

「お邪魔します」
「おう」
「利成クンいらっしゃい!」

 笑顔でぎゅっと腕にしがみ付く彼女にほっこりと癒される。

「いいなぁ、女の子って」

 その言葉に、林が結衣を引き離した。

「駄目だ」
「え、ヤダな、俺、女の子は好きだけどヤるなら男の方が……」

 思わず、口から出てしまい、すぐに冗談ですよと笑って誤魔化した。

 林はそれに対して何も言わず、

「結衣、姉ちゃんからなんか貰ってこい」

 と自分は冷蔵庫へと向かいビールとコップを持ってくる。

「飲むぞ」
「あ、はい」

 何も聞かないでいてくれるだけなのか、聞きたくないのでをの話題をスルーするつもりなのか。

 どちらにせよ、気持ち悪いと家から追い出されずに済んで良かった。




 意識が飛ぶまで飲んだことなど一度もなかった。

 狭い布団の中で、まさか林の腕に抱かれて寝ているなんて思わなかった。

「え、えっ、どういう」
「うるさい」

 口をふさがれて不機嫌な顔で睨まれる。

「林さん」
「狭いからな」

 二つ並んだ布団に林と清宮、そして子供達二人。

「はぁ、そういう事ですか」
「静かしろ」
「はい」

 そろりと布団を抜け出して居間へと向かう。

「ご迷惑をお掛けしました」
「気にするな。吸ってもいいか?」

 煙草を持ち上げる林に頷く。

「どうぞ」

 灰皿を引き寄せて一本咥えると煙草に火をつける。

「ヤるなら男の方が良いと言っていたが、今まで恋人は男だったのか?」

 今、ここで聞いてくるとは思わなかった。

 ギクッと顔を強張らせ、黙ったままでいる清宮に、林も黙ったままだ。

 気まずい。

 すると林が清宮をじっと見つめてきて、話をするまで見られっぱなしではないのだろうかと、意を決して口を開く。

「……女性とも付き合いましたよ。でも長く続かなくて。セフレは男ばかり」

 じっとこちらからも見返せば、そうか、と呟き。

「なら、するか?」

 と何事でも無いように言われた。

「え?」

 目を瞬かせる。

 今、一体、何を言ったのだろう。

「俺とでは嫌か」

 ふぅ、と、紫煙をはきだし、灰皿に煙草を揉み消す。

「いや、そういう事じゃなくて。男の人とするの平気なんですか」
「さぁ、どうだろうな」
「もしかして興味本位、とか」
「相手がだれでも良いのなら、俺でも良いだろう?」

 それはもしかして、そういう意味なのか。

「もしかして合コンの日、俺を誘ったのもそういう事ですか」
「そういう事とはなんだ?」
「独占欲」
「あぁ、成程な。そうなるのか」

 ぎゅっと抱きしめると太い腕がその身を抱きしめ返す。

「俺のを受け入れてくれるってことですか」

 後ろに入れるのだと伝えれば、目をパチパチをし、

「あ……、そうか。入るかどうかわからないがやってみればいい」
「やってみればいいって」
「お前なら、良い」

 流石にそこまではしてもらう理由がない。だが、林が自分にどんな姿を見せるのか気になる。

「今は擦りあうだけでどうでしょう?」
「それでいいなら」

 自分のモノを見て嫌になったならそれはそれでいい。また先輩と後輩として付き合っていくだけだ。

 ズボンを脱ぐとシャツだけの格好となる。

「これをみて続ける気があるのなら、貴方もズボンを脱いでください」

 すると林は躊躇なくズボンを脱ぎ、清宮の腰へと腕を回した。

「わっ」
「お前が俺に跨った方がいいだろう?」
「それって林さんより細いからですか? 俺、意外と鍛えてますよ」
「それでも、俺よりは軽い」

 一夜の相手に身体を見て幻滅されたくないというのもあったし、以前好きだったあの人が安心てくれるからというのもあった。
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