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悩むと情緒不安定は違う

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 ひと昔前の主人公は、悩まなかった。
 負けても負けても、前を見据え、ただ己を信じ、修行するだけだった。

 現在、主人公は「悩む」ものだ。
 (あるいは、脱力系で「お気軽」なのも主流だが)

 才能に悩み、自分の目指すことが正しいか悩み、人間関係に悩み、恋に悩み。
 読み手と同じように、悩み、苦しむ。
 そこに、感情移入があり、それが感動を呼ぶ。

 のだが、

 ひたすら悩んでいたら、鬱陶しいだけだ。
 現実の友人が、あーでもないこーでもない、と悩み、アドバイスしてもそのままだったら、ウザくないか?
 それを物語として読まされても、単なる愚痴だ。

 逆に、急に立ち直られても困惑する。
 人は当然、突然に気分が変わることがある。
 とはいえ、物語の展開がそればかりでは、落ち着かない。
 なぜなら、悩みが「軽く」なるからだ。
 あんなに悩んでいたのに、何のきっかけもなく翌朝、「よしOK!」となったら、読み手の感情は置いてけ堀だし、なによりまた悩んでも、「どうせ」と思われてしまう。

 そして、きっかけないまま悩み解決で、問題なく物語が進行する、ということは、「物語が単調」と言える。

 物語の転機に、難題に、主人公は悩む。
 様々な事情、感情が入り混じって、悩んで結論を出す主人公。
 でも、逆から行けば、

・結論がきっかけなく出て問題ない<=悩みが軽い<=事情や取り巻く感情が単純

 つまり、物語が単調だから、破綻がない(ように見える)。
 単調だから、賑やかしに主人公のキャラ属性に「悩む」を加えても、なんとなく悩み、なんとなく明るくなり、それって情緒不安定なだけだ。
 そして、そんな物語が面白いだろうか?

 要約する、と「悩むと情緒不安定は違う」でした。
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