【完結】この謎、どう思います？ バーテンダーさん

17：寂しい寿司

Question

　ドアを開けた。
『こんばんはー』
「いらっしゃいませ。穂花さん、彩香さん。お好きなお席をお使いください」
　下の名前から、どうしたら一歩進めるか、あだ名？
「よなよなエール、ふたつお願いします。あと、」
「お腹減った」
　間に合わなかった。
　だーかーらー、私が腹ペコキャラに誤解されるようなイメージをつけるな！
　変なあだ名ついたら、どうする？
「今日のご飯物は、なんですか？」
「はい、スモークエピになります」
「それ、お願いします」
「かしこまりました」
　パパが、ビールを注ぎ始める。
　彩香が、普通にポップコーンマシーンに向かっているのは、お腹が減りすぎて雪さんを忘れているのだろう。
「よなよなエール、お待たせいたしました。お料理は、お席にお持ちいたしますので、もう少々お待ちくださいませ」
　お金を払って、受け取ったグラスを両手に持ち、ローテーブルに向かう。
　看板猫の雪さんは、一人でオモチャで遊んでいて、彩香を見ていなかった。
　そろそろ、遊んでくれないかなあ。
　雨くんは、雪さんが遊ぶオモチャを目で追っていた、かわいい。
『乾杯』
　ビールが美味しい。
「それで？」　
「え？」
　彩香が、静かな所で相談したい、パパのお店がいい、と言うから連れて来たんだろうが！
「それがー」
　お腹が減っているのもあるのか、テンションが低い。
　雪さんが、彩香の後ろで、オモチャを置いて、遊んでほしそうにしている。
　雨くんが、そのオモチャを狙っていて、かわいい。
　彩香ー、うしろー、うしろー！
　でも、悔しいので、教えてあげない。
「それで？」
 
　彩香の話は、こうだった。
 
　友達が、ニュージーランドからの留学生とつきあっている。
　日本食が好きな彼のために、お寿司のデリバリー注文した。
　ちょっと奮発して、お高いお店のだったのに、シャリに比べてマグロが小さい、寂しい状態だった。