【1クール終】恋愛で痩せますか？いいえ痩せるならＸＸＸ運動です

04：マット、どうする？

Ａパート

「では、今日は背中の運動です」
　初めてのスクワットでイジメられた二日後で、まだお尻や足に、筋肉痛が残っている。
　佐伯さんには、「翌日に筋肉痛が来るなんて、若いなぁ東海林さん」と『若い』と褒められて、嬉しかったけど、痛いモノは痛い。
　佐伯さんの笑顔も万能薬ではないのだ。
　だから、無料貸し出しのウェアに着替えさせられて、準備運動の階段の昇り降りをさせられたけど正直、やる気がない。
「でも、まだ足とか痛いよ、百目鬼君」
　筋肉痛を訴え、抵抗する。
「だから、今日は背中の運動」
　山崎さんが代わりに答え、百目鬼君も、うんうん頷く。
「えー、筋肉痛が残ってるから、運動しない方がいいんじゃないの？」
「だから、今日は背中の運動」
　また、山崎さんが同じことを言い、百目鬼君が頷く。
「でも、まだ器具も来てないんでしょう？」
　「部室」は、先日と変わりなく、ほぼ空き部屋のままだ。
「ちゃんと届いてる」
　じゃじゃん、という口効果音と共に、山崎さんが床からマットを持ち上げた。
「それって、ヨガとかストレッチとかするマット？」
「そうです。そして、筋トレにも使えるんですよ」
　百目鬼君が言い、山崎さんが頷く。
　だけど、聞き逃せないワードが出た。
「筋トレ？筋肉痛だから、できないでしょう？」
「はい、だから筋トレを痛くない筋肉でやってもらいます」
　？？？
　アナタハ、ナニヲイッテイルノデショウカ？