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第二部 第3章
442.任侠モモンガ
『名付けは、神獣との絆をより深めるもの。私に否はありません』
「いな? いな、なぁに?」
ノアには難しい単語でしたわね。素直に聞けるのは良い事ですわ。
『否はない、とは、同意……いえ、名付けをしてくれるのであれば、嬉しいという事です』
「どりゃごんさん、うれちぃ?」
ノアはマシュマロほっぺを赤く染め、自分の方が嬉しそうに笑うのだ。
『ええ。しかし、どうして突然、名付けを思いついたのですか?』
「アスでんか、あかいとりさん、『フィニ』っておなまえ、ちゅけたのよ」
『なるほど、焔の管理者が、不死鳥に名付けを行ったのですね』
不死鳥? オウムではなくて?
『わかりました。モモンガにも、こちらに下りてきてもらうよう伝えましょう』
「おねがいちましゅ」
モモンガって、ノアが「ももんがー」って、変形しそうな名前で呼んでおりましたわよね。テオ様は、ネズミみたいな鳴き声で話すって仰っておりましたけど、ちょっとイメージが掴みづらかったのですのよね。
『そのひちゅようは、ござんちゅん。あっちゅは、ここにいる、でござんちゅ』
可愛らしい声が下から聞こえてきて、驚いて足元を見ると、いつの間にそこにいたかのか、小さなもふもふが転がっていたのだ。すると、ポスッとぺーちゃんの膝の上に飛び上がってきて、「にゃ!」とぺーちゃんが驚いた声を出す。
『これは、おどろかせてちゅまい、もうちゅわけない、でござんちゅ』
「ほぁ~、もぉも! ぅちゃっ」
まぁっ、モモンガですわ。おめめもくりくりぱっちりで、もふもふで、なんて可愛いのかしら!
ぺーちゃんも目を輝かせて、触ろうと手を伸ばしている。
『おっと、ちゅっちゅう、おぼっちゅん、あっちゅにさわるときは、そぉっとやさしく、でおねがいちゅる、でござんちゅ』
「にゃ……、しょ~っちょ?」
『そうでござんちゅ』
言われた通りに、モモンガをそろそろと撫でているぺーちゃんに、ノアが、「ぺーちゃん、おじょうじゅよ」と褒めてあげている。
『モモンガ、よいタイミングで来ましたね。大方、ノアが来ているのに気付いて、喜び勇んでやって来たのでしょう』
『おぼっちゅんが、あそびにきてくれたのなら、あっちゅもおぼっちゅんに、あいたい、でござんちゅよ』
「わたちも、ももんがー、あいたかったのよ」
ノアとモモンガの掛け合いが可愛いのよ。可愛いのだけど、さっきからモモンガの語尾がね……ござんちゅって……時代劇ですの?
「の、ノア……、わたくしたちに、おともだちを紹介してもらえるかしら?」
「もぉも!」
ぺーちゃんも、モモンガを早く紹介してほしいようで、前のめりだ。イーニアス殿下に目を移すと、こちらも目を輝かせている。
「はい! ももんがー、わたちのおかぁさまと、アスでんかと、おとうとの、ぺーちゃんよ」
『どちゅらさんも、おひかえなちゅって!』
モモンガが右手を前に出し、左手は膝に、腰を低く落として声を張る。
『あっちゅ、かぜのちゅんでんで、ちゅんじゅうを、させていただいておりやす、モモンガ、でござんちゅ』
こ、これは……っ、任侠モモンガですわ!
「ござんちゅ……うむ。モモンガどの、わたしは、グランニッシュていこく、だいにおうじの、イーニアスと、もうしまちゅ」
『おうじゅさま、でござんちゅか。ちゅっかりちゅた、かたのようで、ござんちゅね』
「ちゅ」が気になりますが、なんというか、非常に常識的な珍獣ですのね。それとイーニアス殿下、「ちゅ」が移っておりますわよ。
「もぉも、ぺぇちゃ!」
『ちゅっちゅう、おぼっちゅんは、ぺーちゃん、でござんちゅか』
ちゅっちゅうって、小さいって言っているのかしら……
「モモンガさん、わたくしはノアの母で、イザベル・ドーラ・ディバインと申しますわ。ノアがお世話になっております」
『おぼっちゅんの、ははぎみ、でござんちゅ、か……あ、あなたさまは、まさか……っ』
え?
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