227 / 369
第二部 第3章
442.任侠モモンガ
しおりを挟む『名付けは、神獣との絆をより深めるもの。私に否はありません』
「いな? いな、なぁに?」
ノアには難しい単語でしたわね。素直に聞けるのは良い事ですわ。
『否はない、とは、同意……いえ、名付けをしてくれるのであれば、嬉しいという事です』
「どりゃごんさん、うれちぃ?」
ノアはマシュマロほっぺを赤く染め、自分の方が嬉しそうに笑うのだ。
『ええ。しかし、どうして突然、名付けを思いついたのですか?』
「アスでんか、あかいとりさん、『フィニ』っておなまえ、ちゅけたのよ」
『なるほど、焔の管理者が、不死鳥に名付けを行ったのですね』
不死鳥? オウムではなくて?
『わかりました。モモンガにも、こちらに下りてきてもらうよう伝えましょう』
「おねがいちましゅ」
モモンガって、ノアが「ももんがー」って、変形しそうな名前で呼んでおりましたわよね。テオ様は、ネズミみたいな鳴き声で話すって仰っておりましたけど、ちょっとイメージが掴みづらかったのですのよね。
『そのひちゅようは、ござんちゅん。あっちゅは、ここにいる、でござんちゅ』
可愛らしい声が下から聞こえてきて、驚いて足元を見ると、いつの間にそこにいたかのか、小さなもふもふが転がっていたのだ。すると、ポスッとぺーちゃんの膝の上に飛び上がってきて、「にゃ!」とぺーちゃんが驚いた声を出す。
『これは、おどろかせてちゅまい、もうちゅわけない、でござんちゅ』
「ほぁ~、もぉも! ぅちゃっ」
まぁっ、モモンガですわ。おめめもくりくりぱっちりで、もふもふで、なんて可愛いのかしら!
ぺーちゃんも目を輝かせて、触ろうと手を伸ばしている。
『おっと、ちゅっちゅう、おぼっちゅん、あっちゅにさわるときは、そぉっとやさしく、でおねがいちゅる、でござんちゅ』
「にゃ……、しょ~っちょ?」
『そうでござんちゅ』
言われた通りに、モモンガをそろそろと撫でているぺーちゃんに、ノアが、「ぺーちゃん、おじょうじゅよ」と褒めてあげている。
『モモンガ、よいタイミングで来ましたね。大方、ノアが来ているのに気付いて、喜び勇んでやって来たのでしょう』
『おぼっちゅんが、あそびにきてくれたのなら、あっちゅもおぼっちゅんに、あいたい、でござんちゅよ』
「わたちも、ももんがー、あいたかったのよ」
ノアとモモンガの掛け合いが可愛いのよ。可愛いのだけど、さっきからモモンガの語尾がね……ござんちゅって……時代劇ですの?
「の、ノア……、わたくしたちに、おともだちを紹介してもらえるかしら?」
「もぉも!」
ぺーちゃんも、モモンガを早く紹介してほしいようで、前のめりだ。イーニアス殿下に目を移すと、こちらも目を輝かせている。
「はい! ももんがー、わたちのおかぁさまと、アスでんかと、おとうとの、ぺーちゃんよ」
『どちゅらさんも、おひかえなちゅって!』
モモンガが右手を前に出し、左手は膝に、腰を低く落として声を張る。
『あっちゅ、かぜのちゅんでんで、ちゅんじゅうを、させていただいておりやす、モモンガ、でござんちゅ』
こ、これは……っ、任侠モモンガですわ!
「ござんちゅ……うむ。モモンガどの、わたしは、グランニッシュていこく、だいにおうじの、イーニアスと、もうしまちゅ」
『おうじゅさま、でござんちゅか。ちゅっかりちゅた、かたのようで、ござんちゅね』
「ちゅ」が気になりますが、なんというか、非常に常識的な珍獣ですのね。それとイーニアス殿下、「ちゅ」が移っておりますわよ。
「もぉも、ぺぇちゃ!」
『ちゅっちゅう、おぼっちゅんは、ぺーちゃん、でござんちゅか』
ちゅっちゅうって、小さいって言っているのかしら……
「モモンガさん、わたくしはノアの母で、イザベル・ドーラ・ディバインと申しますわ。ノアがお世話になっております」
『おぼっちゅんの、ははぎみ、でござんちゅ、か……あ、あなたさまは、まさか……っ』
え?
7,555
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。