異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ

トール

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ヤクザじゃなくてオカンだった

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ロードを追い出そうと日々奮闘しているが、図々しさキングなこのオッサンは、頑なに出ていこうとはせず1週間が過ぎてしまった。
毎日温泉に入っているせいか、ロードの肌や髪がツヤツヤしてきていて気持ち悪い。見た目がガチムチマッチョヤクザなので気持ち悪さが倍増する。

掃除、洗濯、料理等の家事全般は、私の能力だと一瞬で終わらせてしまえるのだが、ロードの前でそれをやるとまた色々追及されてしまうので、自らの手で行わなくてはならなくなった。

本当に面倒臭くて嫌になる。

しかも料理が下手なので、初日に出した晩御飯を最後にロードが作るようになった。マッチョヤクザのクセに料理が上手いとはどういう事か。

掃除や洗濯は私がしているが、ロードが居ない所では能力を使っている。面倒な事はやってられないのだ。
ロードはそういう時何をしているかというと、剣を持って素振りをしたり、腕立て伏せやスクワットをしたりと鍛練している。

その後は畑で野菜を収穫して保管庫へ運ぶ作業をし、それが終われば私の監視をするのがどうやら日課のようだ。
監視とは言っても、一日中じっと見られているわけではないのであまり気にならない。むしろこちらの世界の美味しいご飯を味わえるのでラッキーだ。

ちなみに野菜畑は、ロードがご飯を作ると言い出した時に急遽、この世界でよく食べられる野菜を収穫出来るよう、薬草畑の側に作った。さも前からありましたよ、というように。
合わせて保管庫も増設した。勿論気づかれないように私の能力を使ってね。

調味料畑はさすがに見られるわけにはいかないので、私以外には見えなくなるよう結界を張った。

家の中にある不思議な道具類は、私が魔道具製作をしているのだと説明しておいた。
その際ぎょっとした表情をされたが、特に何も言われなかったので魔道具は存在するのだろう。


しかしロードは本当にここに居着いてしまった。妙に気が利くので、1週間経った今ではさっさと帰れとも言い辛くなってきている。別に餌付けされたわけではない。

私は1人で暮らしたいのだ。心を鬼にして追い出さなくては!

「ミヤビ~。昼飯できだぞー」

キッチンから美味しい匂いとロードの声が聞こえてくる。

あ~今日も良い匂い。食欲をそそるなぁ。

じゅるりと出てくるヨダレを拭い、寝転んでいたリビングのソファから立ち上がる。

「今日のお昼は何ですかー?」

キッチンへ向かいながらロードへ声をかければ、すぐに答えが帰ってきた。

「今日は野菜をたっぷり使ったスープと、ヤコウ鳥の肉と卵を使った炒め物に、焼きたてのパンだぜぇ」

「おーっ 美味しそう!」

ダイニングテーブルの席につくと、机の上に並べられた料理に目が輝く。

ヤコウ鳥とかいう鳥はこの森に結構いるらしく、魔物とはまた違う、ただのデカイ鳥らしい。
ロードは出会った時にあげた魔物避けのお守りを持って狩りに行き、ヤコウ鳥を狩ってきたのだ。しかもそれを素早く解体し、下処理をして料理に使っている。

そしてこのヤコウ鳥、絶品だ!

肉厚なのに柔らかくて臭みが全くない。癖もない味でさっぱりしている。今や私の好物になっている。

「おめぇ、ヤコウ鳥好きだろう。沢山作ったからたんと食え」
「やったー! いっただっきまーす!!」

手を合わせてから食べ始める。
ロードの作る料理は本当に美味しい。野菜たっぷりスープも、ヤコウ鳥の鶏ガラと野菜を煮込んで出汁をとっているのだろう。最高だ。もう一手間加えると絶品ラーメンのスープにもできそうな気がする。
パンも焼きたてで、外はパリっとしているのに中はふっくらもちもちである。

ヤコウ鳥の肉と卵の炒め物を乗せて食べると美味しすぎ!

「はぁ~幸せ~」
「ククッ飯ぐれぇで大げさだねぇ」

優しい眼差しで見つめられて、つい呼んでしまいそうになった。

“オカン”と。

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